怪・その5

「山奥のペンション」

あれは10年ほど前に
群馬の山奥のペンションに行った時のことです。

私、母、友人と、犬5匹で泊まっていました。

真夜中、突然、犬たちが、
ドアのほうに向かって
わんわんと激しく吠えました。

母も友人も起きなかったのですが、
私は様子を見にドアのほうに行きました。

ドアの覗き穴から見ると、
左のほうから、
赤いチェックのシャツ
(登山に着るようなシャツ)を着た
白髪の角刈りのおじさんが
すーっと歩いていくのが
はっきりと見えたのです。

泊まっていた部屋は二階の左はじから二つ目で、
左隣にはお客様はいなかったんです。

そのペンションの従業員には
そのようなおじさんはいないし、
宿泊客もあと1組いましたが、
もう少し若い方でした。

あれは誰だったんでしょうかねえ‥‥。

いまでも時々そこに泊まりに行きますが、
反対側の棟に泊まることにしています。

(まみぞう)

こわいね!
2014-08-06-WED