おさるアイコン ほぼ日の怪談

「ご先祖様」

怖いというより、不思議な話ですが、
私の家族に本当にあった話です。

20年前に、電気ストーブから布団に火が移り、
実家が全焼した時のことです。
朝三時くらいに二階の一室から火が出て、
父の「火事だ!」という声に起こされました。
とにかく、火がまわらない内に、
一階の物で運び出せる物は、運び出そうと
家族で力を合わせていました。

父と母が仏壇を抱えて運び出そうとしていた時、
いくら火事場の馬鹿力といっても、
仏壇はかなり重くて苦戦をしていました。
その時、30代後半くらいの感じの良い男性が
いきなり現れ、「手伝いましょう」と言って、
仏壇を運びだすのを手伝ってくれました。

その後、火事が鎮火した時には、
もうその男性は消えていて、
本当に仏壇を運び出す時だけ、いたようです。

男性が現れた時は、火事が発生したばかりで、
近所は寝静まってしたし、
実家は、表の通りから奥まったところにあったので、
通りから火事を発見して手伝いに来るということは
考えられなかったのです。
その男性を確かに見た両親、妹、私は、
火事の後にも先にも、
その男性を見たことも、会ったこともなく、
一体、あの人は、誰だったのだろうかと
不思議に思いました。

あれは、ご先祖様の霊だったのでしょうか?
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