「公衆電話」
今から二十年程前、私が中学生の頃、
親と喧嘩して家出をした時の事でした。
フラフラと夜の町を当てもなく歩いてたんですが、
お金も殆んど無く歩き疲れたので、
友達に電話しようと公衆電話を探しました。
ちょうど隣町の中学校の前の金物屋の軒先に
赤い公衆電話を見つけました。
受話器を取って耳に付け10円を入れようとした時、
受話器から年配の女の人の声が聞こえたのです。
ダイヤルも何も10円も入れてないのに
何処かに繋がっているのです。
恐る恐る耳を傾けると
抑揚の無い声で
「あなたの今後の運命は‥‥」
とその年配の女の声で話し出したのです。
すぐさま受話器を下ろし、
逃げるようにその場から立ち去りました。
切れてる電話がなぜ繋がってたのか?
どうして僕の運命を教えようとするのか?
怖くて仕方なく家に戻ってしまいました。
今でもその声はテープなどではなく
生の声であったと確信が持てます。
あの時の声は何だったんだろう?
何処に繋がってたんだろう?
最後まで聞いていたら‥‥? |
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