8月末のミラノの街は、
まったく独特な美しさをかもしだします。
最後の「夏のバーゲン」の後に、
秋の装いで再開する店など、
街の全てが秋色に染まり始め、
まるで生まれ変わったかのようです。
ヴァカンスからミラノにもどり、
ぼくは8月末の、ある午後に、
「ファッションのトライアングル」と言われる、
マンゾーニ通り、モンテ・ナポレオーネ通り、
スピーガ通りに囲まれる地区を歩いてみました。
そこには、もうすでに、
この冬の最先端のファッションが
ウィンドウに用意されているのですが、
でも、なんだかまだ「工事中」のような感じもします。
コルドゥージオ広場で見かける
赤みがかった黄色の古いトラムは、
ぼくを40年くらい前の時代にひきもどしてくれます。
あのころには、交通渋滞も今ほどひどくはなく、
街はもっと穏やかでした。
イタリアの中では「魅惑的」と
評される事がほとんど無いミラノ
(ぼくは、この評価はまちがっていると思いますが)、
その素晴らしさを、あのころのように、
ゆっくりと味わってみましょう。
まず、モスキーノのウィンドウです。
布製のウサギがテーブルについていますね。
まるで童話の世界から抜け出してきたみたいです。
その一方で、ジャン・フランコ・フェレのウィンドウでは、
若く生き生きと仕事をする女性への提案
といったところでしょうか。
通りの向かい側にあるミッソーニでは、
パステルカラーを使用した、
ほとんど「様式の正論」ともいえる
メンズの最新コレクションが見られます。
ペルーの伝統的なモチーフから導き出された柄は、
色合いをデリケートなものに変えられています。
そう、2008/2009秋冬のメンズには、
デリケートな色が来ますよ。
「マッチョ」向けのハードな装いは、無し。
ミッソーニは、レディースも同様に、
繊細で優雅、洗練されたエレガンスを優先させています。
さて、モンテ・ナポレオーネ通りのグッチへ行きましょう。
メンズ、レディースとも、豪華さの真髄、
世界中の「イタリア製無しではいられない」人々が集まる
最高峰地点です。
その10メートル先では、
豪華さもここに極まれり、目がくらむ、
という光景にでくわしました。
ブルガリの店先に、漆黒のランボルギーニ!!
もう、なんだか良く分かりません。
ユーロもドルも、あなたがたが回して下さい、
ここは、あなたがたの場所です、
という気分になりました。
フェラガモも、メンズ、レディースを問わず、
「足の憧れ」でありつづけています。
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ドゥオーモ広場に向かいながら、
ガッレリーアを通り抜けます。
ガッレリーアの中心にあるプラダのウィンドウは、
輝きを増しました。
そのすぐ上に、ヨーロッパで唯一、7つ星に輝くホテル
「タウン・ハウス」の窓が並びます。
このホテルでは、
専任の執事が1日24時間付いている部屋が、
1泊4000ユーロ(64万円強)です。
ガッレリーアのドゥオーモ広場側の門の下には、
時計のグリモルディの店があります。
ヴァ・ヴェーネ(結構、オーケー)という名前の、
新しい素敵なニューモデルラインを展示していました。
ぼくのミラノ散歩をお城の広場で終えるころ、
素晴らしい夕陽が沈もうとしていました。
この夕陽は「made in Italy」じゃありませんけどね。
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