イタリアの古い格言に
「復讐とは、冷めてから出すべき料理だ」
というのがありますが、
ロナウジーニョは、
仕返しをするまでに、ちゃんと辛抱しました。
そして最後には、うまく行きましたよ。
さて、何の仕返しでしょうか?
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数年前のUEFAチャンピオンズ・リーグ、
バルセロナ対チェルシー戦の最中のことです、
当時チェルシーの監督だったモウリーニョは、
ロナウジーニョがそばを通るたびに
木に登る猿の真似をして、
彼をからかいました。
ロナウジーニョは、これに深く傷つきました。
この人種差別的な行為にロナウジーニョは怒り、
「ぼくは猿じゃない、
きみはやっている事の恥を知れ!!」
と、叫びました。
これを受けてUEFAが調査をし、
結局モウリーニョは叱責を受けましたが、
処分は軽いものでした。
![mourunho](images/081007/mourinho.critica.arbitro.jpg)
そしてロナウジーニョは、
この9月28日のミラノ・ダービー、
つまりACミラン対インテル戦を
冷静に待ち受けていました。
今や彼はACミランの選手、
モウリーニョはインテルの監督ですから、
真っ向から雪辱を晴らすチャンスです。
この試合までのロナウジーニョは、
期待に反して、あまり活躍していませんでした。
でも、このダービーの対インテル戦で、
彼は真価を発揮しました。
とりわけ「宿敵」同士のACミラン対インテル戦で、
インテルを率いるモウリーニョは
手痛いしっぺ返しを食らったのです。
ロナウジーニョは見事なヘッドで
勝利のゴールを決め、すぐに、
素晴らしいパスをくれたカカと、
いつも彼を信じていてくれた観衆に感謝しました。
![ronaldninho](images/081007/gol-di-ronaldninho.jpg)
![ronaldninho](images/081007/kak-.ronaldinho.jpg)
![ronaldninho](images/081007/ronaldinho.ringrazia.jpg)
肝心なモウリーニョに対しては、無視。
そこに彼などいないかのように、
ちらっと見やっただけです。
しかし、
インテル監督のモウリーニョに対する
大いなるしっぺ返しは、
試合後に完遂されました。
ピッチから控え室に向かうシェフチェンコによって‥‥。
シェフチェンコは
モウリーニョを見ようともせず、
ベルルスコーニ会長を待ち受けるACミランの
仲間の元へ走り去ったのです。
かつてはチェルシーの監督と選手だった彼らですが、
モウリーニョから「ほぼ補欠」扱いされていた
シェフチェンコも、こうして溜飲を下げた格好です。
![sheva](images/081007/sheva.jpg)
さて、試合の数時間前のことですが、
イタリア首相でもあるベルルスコーニ、ACミラン会長は、
「明日は私の誕生日です。
ダービーでの勝利がプレゼントとなることを
願っていますよ」と、
テレビで語っていました。
彼の選手たちは、その願いを叶えましたね。
![berlusconi](images/081007/berlusconi.dopoil-derby.jpg)
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ところでインテルはと言えば、
このシーズンで最初のダービーに敗れたのですが、
軽々とスクデットを勝ち取った過去2年間と、
まるで違うチームのように思えます。
ちなみに、前監督はアンチェロッティでしたね。
翌日の記者会見で、
ある新聞記者の批判的な質問に対し、モウリーニョは
「では、貴方が
フォーメーションを作ってはいかがですか?」と
切り返します。
「はい、私が作りますよ、
年俸900万ユーロくれるならね」と、
その記者は即答しました。
これにはモウリーニョも苦笑いし、
「いや、私は900万ユーロどころか、
スポンサーたちからの収入も含めると
1100万ユーロ、稼ぐけどね」と、
反撃しましたが。
いずれにせよ、この数字は、
契約上の金額として
だれも見た事のない新記録であり、
税務署の脅しを避けるために、
モラッティ会長は翌日すぐに明言しました。
「彼は1100万ユーロも受け取ってはおりません。
あれはジョークですよ」と。
さて、モウリーニョ監督が得るのは
900万か1100万か、ぼくは知りませんが、
最初の試合をいくつか見た時点では、
インテルはお金の使い方を間違えたようです。 |