フミ子さんのゆず胡椒。─── 福岡の母に「どうつくるか」を学ぶ物語

ほぼ日読者の原田さんという男性(東京在住)から
こんなメールが届きました。
「福岡にいる73歳の母に、
 ゆず胡椒のつくりかたを学ぼうと思います」
ゆず胡椒。
湯豆腐とか、焼いた豚バラ肉に、ちょんとのせて。
ああ‥‥おいしいですよねぇ。
原田さんのお母さんの名前は、フミ子さん。
フミ子さんがつくるゆず胡椒は、
風味・辛味ともに絶品なのだとか。
‥‥そのつくりかた、ぜひレポートしてください!
え? レポーターは原田さんの奥様が?
もちろんオーケーです。
ちいさなお子様もごいっしょですね。
ご家族そろって、よろしくお願いいたします。

特別編3

試食・販売会@TOBICHI
ことしがファイナルです!

こんにちは、「ほぼ日刊イトイ新聞」の山下です。
「フミ子さんのゆず胡椒。」を
ことしもTOBICHIから、お届けいたします!

なのですが‥‥上にも書きました通り、
今回が最後のTOBICHIでの試食販売会なのです。
2013年、最初に「フミ子さんのゆず胡椒」を
ほぼ日でご紹介したとき、
販売会は、吉祥寺のカフェの店先で行いました。
寒い中、いちにち立ち続けていた原田さんや
その応援に駆けつけた
フミ子さんの姿を今でも覚えています。

その翌年からはTOBICHIで試食販売会が行われ、
「ことしも、あのゆず胡椒の販売はありますか?」
と心待ちにする方々に
「店内で」お買いものいただけるようになりました。

そしていま、
たくさんのファンを持つゆず胡椒は、
こんなすてきな公式のオンラインショップができています。

これで、TOBICHIへ来られないかたも、
ここからあの絶品のゆず胡椒を買うことができるのです。
(在庫に関しては都度、ご確認ください)

来年からはぜひこちらの
オンラインショップでお求めください。
ぼくらも、そうします。

‥‥最後と思うとちょっと淋しいですけれど、
ご案内いたしましょう。
今年もおなじみのラインナップがやってきます!

フミ子さんのゆず胡椒

試食・販売会@TOBICHI

会場:

TOBICHI すてきな4畳間

日時:

2017年12月7日(木)~10日(日)
11:00~19:00

販売するのは、こちら4種!
フミ子の生ゆず胡椒 大吟「青」

まずはこちら。基本の一本。 
柚子胡椒のスタンダード、大吟「青」です。

長年つくり続けてきたこの味を、

ぜひ体験して頂きたいです。
爽やかな青柚子の香りと鮮烈な青唐辛子の組み合わせは、
豚肉、鶏肉、冷や奴、湯豆腐、ふろふき大根、そうめん、

うどん、お茶漬け、白菜漬けなどなんにでも合います!

原材料: 青柚子表皮・青唐辛子・塩
フミ子の生ゆず胡椒 大吟「黄」

果実感と爽やかな辛味。
フルーティな香りと鮮烈な青唐辛子の辛さが自慢。

黄柚子と青唐辛子の組み合わせは、

不思議と様々な料理・食材に対して包容力を発揮します。

「青」同様なんにでも合いますが、
熱々の湯豆腐に
「黄」だけを添えていただくのが
とくにオススメ。
ぽんずなど不要ですよ。

原材料: 黄柚子表皮・青唐辛子・塩
フミ子の生ゆず胡椒 大吟「赤」

旨味と辛味を満喫。
フルーティな黄ゆずと熟成した赤唐辛子が生み出す、

パンチの効いた辛さが自慢です。

「青」と同様になんにでも合いますが、

特に豚串、餃子、鶏の唐揚げ、炒め物など

油を使った料理との相性は抜群。

素材本来の味を引き立てながら
インパクトのあるものにしてくれます。

原材料: 黄柚子表皮・赤唐辛子・塩
フミ子の生ゆず胡椒 大吟「黒」

“新”ゆず胡椒、誕生。
唐辛子のことを 九州では「胡椒」と呼びます。
だから柚子胡椒は、柚子と唐辛子でできているもの。
そんな常識を打ち破って、その名の通り
コショウ=ペッパーで作ってみたらどうなる?
という軽い遊び心から生まれた奇跡の組み合わせ。
柚子も胡椒も引き立てあって、
魔法のようなスパイスができました。
パスタの味付けに、チーズに、ポトフに。
洋食全般おまかせあれ。

原材料: 黄柚子表皮・黒胡椒・塩

以上すべて
内容量:55g
価 格:1,350円(税込)


【販売数について】
なるべくたくさんご用意しますが、
生産量に限りがあるため、

ご来場時に完売している可能性があります。

あらかじめご理解くださいませ。

(残数につきましてはできるかぎり随時、

TOBICHI東京のTwitterなどからおしらせします)

【保存方法】
風味と色を保つため、
保存は常に「冷凍」でお願いします。
お召し上がりの度に冷凍庫から出して、

お使いになる分だけ瓶から小分けしてお使いください。

柚子胡椒に含まれる塩分のため、

カチカチに凍ることはなく、
すぐにお使いいただけます。

狭い会場ですが、ちょっと味見をしていただける
ご用意をしてお待ちしています。

ちなみに、「これにつけて食べてみたい!」
という食べものがありましたら、
持ち込みは自由です。
遠慮なく、もってきてくださいね。

「あのゆず胡椒なくなっちゃった」というあなた、
補充にいらしてください。
まだ召し上がったことがないあなたは、
ぜひこの味を体験しにいらしてください。
ほんとうに、クオリティーの高いゆず胡椒なのです。

さて、このあたりで、
原田カオリさんにバトンをお渡しいたしましょう。
カオリさん、最後のレポートをよろしくお願いします!

2017年のゆず胡椒について
カオリさんの
ファイナルレポート!
▲こちらが原田カオリさんです。

今年も来ました!
ゆず胡椒の季節でございます。

ほぼ日で「母のゆず胡椒を受け継ぐことになった話」
をレポートさせて頂いてから、はや5年目。
あのとき『あまちゃん』の歌を熱唱していた娘っこは
春からオシャマな小学1年生。

姿もなかった次女っこは、
電車と食べることが大好きな
ポンぽこりんの3歳児になりました。
そんな5年目の今年をもって、
この年に一度のヨメレポート&TOBICHI販売会を
卒業することとなりました。
今までつたない文章にお付き合い頂いたみなさま、
温かい感想を頂いた皆さま、
どうもありがとうございました!!

しかしながら、
私たちの「ゆず胡椒ロード」に
終わりはないのですっ(鼻息荒し)。

たくさんの方の「美味しいね」の声に背中を押され、
これからもゆず胡椒職人の道を突き進もうと決意しました!

今後は「フミ子の生ゆず胡椒」の
ネットストアを中心に販売していきますので、
どうかひとつ、これからも応援して頂けたらうれしいです。

前置きが長くなりました。
今年はそんな色んな想いを抱えつつ、
有終の美を飾るにふさわしいゆず胡椒作りをしております!
とはいえ、今年も今年でいろいろありまして‥‥。

その一 またもや胡椒が足りない?!
初年度、
家の畑の胡椒(唐辛子)が不作で苦労しましたが、
今年も今年でまさかの展開が。

去年から作る量がそこそこ多くなっているので、
かなり周到に農家さんと打合せて必要量を作付け、
確保していたはずだったんです。
ですが! なんの手違いか、作付け量が足りておらず、
予定の10分の1しか収穫できないことが判明!
ががーん。
慌てて同じ種類の唐辛子を作っている農家さんを探すも
なかなか量がそろわなくて、
地元の仲卸さんに買付をお願いしたら
違う種類が届いたりと、9月はトホホだったんです。
(青唐辛子は品種が多いにも拘らず、
プロでも区別してないことが多いんだそうです)

▲左がウチの唐辛子、右が別の品種。
なにせ、ゆず胡椒は柚子と唐辛子と塩だけですからね。
唐辛子が足りないと作れる量が減っちゃうわけでして。

心が折れそうになってると、救いの女神、フミ子さん!
「うちの畑のがちょっと多目に採れそうやけん
使っていいよ」と!

本当は、負担をかけないために
今年から契約農家さんとやっていたんですが、
結局甘えさせていただきました。

このお助けのおかげもあって、
どうにか当初の予定量が揃いました。ほー。
やっぱりフミ子さんには頭上がりません。

その二 テーマは鮮度
それからそれから、
今年は宮崎の農産加工場さんの協力を得て、
ゆずの加工を行いました。
ここは栗とゆずの産地で、
その加工を主に行っている工場なんです。
▲この辺りは柚子と栗の産地。
立派な設備の中、
うちのゆず胡椒は結局「手作業」‥‥。
個体差のあるゆず玉の皮を薄~く剥くには、
やっぱり人の手じゃなきゃ難しいんですね。

そして、うちのゆず胡椒にとって大切なのは、
なんといっても「鮮度」です。

五年の研究を重ねたトモヒロ工場長曰く、

「ゆずの収穫から皮剥きするまでの経過時間、
皮の剥き方、挽き方、温度が大切!
ゆずの味と香りが逃げないよう、
全工程で鮮度が失われないようこだわりました」

さらに、

「言わずもがなそのどれもが手間のかかる工程で、
しかも大量‥‥。
加工場のみなさんの熟練の技術なくしては不可能でした。
親身におつき合いくださりありがとうございました!」

と熱いコメントが寄せられました。

そんなことで、青ゆず&黄ゆずシーズンで、
トータル1ヶ月は山ごもりしてできた今年の新モノ。

どーでしょうか、この色!
ぜひ味見だけでもしにTOBICHIにおこしください。

その三 ゆずラブ
すっかり柚子に魅力された職人・トモヒロ。
ゆず胡椒では果皮しか使いませんが、
捨てるところが無い柚子の美味しさを活かしたいと、
またまた新作を作っちゃいました。
しかも五種類も!

レシピの泉かよっ、と身内ながら感心。

さて、そのラインナップ、
ご紹介させてもらっていいでしょうか。

まずは黄ゆずの皮の旨味を味わう新感覚のポン酢、
「ゆずみぞれポン酢」。

そしてゆず胡椒と同じ
黄ゆずの果肉と果汁を使ったコンフィチュール。
▲コンフィチュールは、爽やかフルーティな「プレーン」と、
濃厚でコク深い「ゆず黒糖」の2タイプあります。
それから、夏のデザートにぴったりな
「濃厚ゆずジュレ」や
ゆず果皮と塩だけで作った万能調味料
「ゆずみぞれ」も、
夏の発売に向けて準備中であります。
ゆず好きのかたに楽しんでいただける、
ゆずを堪能する自信のラインナップです。
こちらも、随時Facebookでお知らせしていきまーす。

その四 ゆず胡椒屋の血
ゆず胡椒屋の血‥‥とはやや大袈裟ですが(笑)、
フミ子さんから息子が受け継いだ
「おいしいものを食べさせちゃろ」なサービス精神や、
田舎ならではの
何でも自分でこさえちゃうところ、といいますか、
手作りが当たり前で、それが季節のお楽しみとして
生活の一部になってる感じは、
都会っ子な孫たちにも自然と受け継がれてるようです。
最近、ブラックペッパーに目覚めて
何にでもかける6歳児と、
唐辛子に怯まず手伝いたがる3歳児に、
「将来ゆず胡椒屋をつぐのかねぇ」と
つい目を細めるバカ親な私。
秋から冬にかけてのこんな経験が、
二人の何かに役立ってくれたら嬉しいなぁ。
というわけで、名残惜しいですが
この辺りで原田家の5年間の
小さな物語をおしまいにいたしましょう。

最後に、忘れちゃならない告知を
もう一度させてくださいっ。

来る12/7~10の4日間、TOBICHI の素敵な四畳間で
販売会を行わせていただきます!
たくさん試食して、お気に入りを見つけてみてください。

なお、今回スペースの都合で
試食のアテを用意できないのですが、
もし良かったら
カマンベールチーズやおにぎり、焼き鳥など、
ゆず胡椒に合わせて試食したいものをご持参くださいませ!
付け放題で味比べしていただけます。

それでは、
ゆずの香りを漂わせてTOBICHIでお待ちしていまーす。

また会う日まで。
ありがとうございましたー!

<完>

※Facebookページもやっています。
 柚子胡椒をつかった、
 簡単で美味しいレシピもたくさん紹介していきますので
 ぜひ覗きにきて「いいね!」してくださーい。
 「フミ子のゆず胡椒」

2017-12-04-MON
いままでの更新

第1回 ごあいさつ

2013-11-29-FRI

第2回 ゆずを探しに宗像へ

2013-12-02-MON

第3回 ゆずとのご挨拶

2013-12-03-TUE

第4回 胡椒をもとめて

2013-12-04-WED

第5回 ゆずの皮を剥いてミキサーにかける

2013-12-05-THU

第6回 ゆず胡椒の完成とフミ子さんの感想

2013-12-06-FRI

最終回 フミ子さんのゆず胡椒を届ける

2013-12-07-SAT