生前のポチ




ポチのお葬式 1999.02.13

友達の飼っていた柴犬のポチが
16年の天寿を全うして静かに死んだ。
それで私は生まれて初めて
犬のお葬式に参列した。

といってもやっぱり犬なので
何十人もがお焼香に訪れるわけでもなく
飼い主の友達と私の二人なんだけどね。
ペットのお寺でお経をあげてもらい
(このお寺は日蓮宗だった。浄土真宗より
日蓮宗の方がお経が長いと思う。曹洞宗は
もっと長い。)火葬に付して骨を拾い、
骨つぼに納めてつつがなくお葬式は終了…。

しかしペットを飼っていない私には
ペット霊園は摩訶不思議な未知の世界…。
上は普通のお寺なのでしょうが
地下がペット用のロッカー式お墓になってる寺です。
これが何というか、すご〜くキッチュなんです。
多分、装飾のせいだと思う。
中でも額入りの生前のペットの写真、
ビニールの造花、金ピカの仏壇飾りの3点セットが
キッチュさというか異様さを際立たせてまして…。
蛍光灯の白々しい明かりの下の
おもちゃ箱のような幼稚な色合いと
位牌、骨つぼの神妙な組み合わせが
なんか暗くって裏腹で滑稽でもあるんですよ。
ペットの供養をしたいという
愛おしい気持ちのあまりでしょうが
どうも釈然としない。それがこれ?…という感じ。
こんなウラ寂しい場所に閉じ込めなくても
家に位牌を置いて本物の花でも添えれば…と思うけど。
友達はさすが骨を持ち帰りました。

今は人間のお墓もロッカー式が増えてるそうだけど
こんな棚に詰め込まれるくらいなら
灰にしてまいてくれた方がよほどのびのびする。
まぁ、骨になっちゃえばどうでもいいけどね。

ペットのお葬式はしめて6万円です。
高いか安いか、よく分からないけど
どこかに勝手に埋めるわけにもいかないから
手続きして火葬にするしかないでしょうね。
ポチの冥福を祈って。合掌。