『天上の虹』について
第41代天皇で、女帝である
持統天皇の57年の生涯を描いた大長編漫画。
大化の改新で知られる
中大兄皇子(後の天智天皇)の娘として生まれた
鸕野讃良皇女(うのさららのひめみこ
=後の持統天皇、645−703年)は、
父の異母弟である大海人皇子(後の天武天皇)に嫁ぐ。
疑心暗鬼に駆られる父と夫の確執や、
自らの政治的センスと女性としての生き方の葛藤に悩み、
子を持ってからは息子への愛と
天皇としての責務の狭間で難しい選択を迫られ、
誤解を受けることもありながら、懸命に国を統治しようとする。
その人生を彩るのが、万葉集に歌を残す額田王、高市皇子、
十市皇女、大友皇子、大津皇子、大伯皇女……といった人々。
連載は、1983年に
講談社の少女漫画雑誌「mimi DX」ではじまり、
同誌休刊に伴って『mimi Excellent』に移ったが、
それも休刊となった後は
書き下ろしとして単行本の刊行がつづいた。
32年の歳月をかけて、2015年に完結。
1995年にはOSK日本歌劇団で
「天上の虹〜星になった万葉人〜」として舞台化された。
累積刊行部数は、単行本と文庫あわせて460万部を超える。