ガンジーさん。 いつ途切れるかわかりませんが 今後ともよろしく。 |
261.再発から一年。 いつも、あんまり元気そうだから、 かえって心配になっちゃうという読者もいたでしょう。 『便りのないのは、いい便り』とも言うけれど、 もともとガンジーさんは、 いわゆる普通の健康な人じゃないわけだから、 いちど心配な気持ちになっちゃうと、どうなんだろうと、 ますます不安になってしまったりもして。 でも、もう、その日から一年経ったんですねぇ。 ___________________________ 「Bad anniversary」 今日は再発入院1年め、ひとりで懐かしんでるよ。 妊娠5カ月のような癌性腹膜炎のお腹を抱えて 外来で入学式のあと、外科病棟へ。 「おぅ!お前らまだ生きてたのかい? それともカミさんに逃げられて 金が払えず退院できねぇのかな」 「いやな野郎がまた来よったぜ、 お前こそまだ生きとったんかいな? 幽霊とちゃうか?足見せてみい!」 ベッドで横になるやいなや さっそく水抜きが始まった。 麻酔のあとで左横っ腹に穴を開けて、 大袈裟に言えば 蛇口を取りつけるようなもんだ。 くすぐってぇってば! でも結果は一度の排水(?)でOK。 マグロ女医も拍子抜けの感じだった。 お前に症状なんかわかるか! おめぇはホントに医者なのか? おおかた厚生省に親戚でもいて 通用口から免許証を受け取ったんじゃねぇのかい? 野良ネコが証言するかもしれねぇぞ。 その時は、それでもまた 水は溜まるはずと踏んでたとみえて、 翌々日までそのままだったように憶えている。 5月9日のこの時点ではまだ高を括っていたんだねぇ、 暢気なもんだった。 「知らぬが仏」というけれど お利口さんではないガンジーは平気だった。 思うに頭が良くてかつマジメな人ほど、 病気を深刻に考え過ぎるんじゃないのかな? 「えぇと、えぇとこれがこうでこうなるから... あっ!ヤッパリ俺は死ぬんだ! 何でこの俺だけが...うぅっ!」 お前だけじゃねぇんだよ! 今や癌はポピュラーな存在、 巨人、癌病、卵焼き、ってなもんだ。 ムカデに歩き方は教えないほうがいい。 ムカデは困ってしまい歩けなくなる。 方程式が解けないからだ。 ムカデは毎日むかむかむかついて非行に走っちゃうぞ。 馬鹿なムカデには歩行を教えるな、 利口な患者には癌告知をするな! どちらも本人の為にはならない。 ヤブよ “Do you understand?” わかるめぇな、学校じゃ教えないもんなぁ。 学校で習った事しか知らないだろうから、 それ以上のことを学ぼうとしないだろうから。 名古屋のお姫さまから、感謝って事いいですねぇ、と しんみりメールを戴いた。 でもガンジーは感謝とか、お蔭などという言葉を 口にする事をあまり好かない。 ご飯のおこげは大好きだけどね。 最近になってほぼ日読者のみなさんに感謝し、 お蔭さまと言ってるが それは66歳誕生日以降のことだ。 その他のものに関しては 相変わらずのワルガンジーです。 名古屋姫のように 女性はそのような気持ちの方がいいと思う。 「母なる大地」だからね。 でも男の我々は殺戮を繰り返して来た歴史がある。 そう簡単には改宗できない。でも努力はしてますよ。 何にでも有り難がってお礼をいう、いことですから。 ひとはみな生かされている、お花のように。 ハサミでちょっきん剣山へぐさっ! 母なる大地は万物を慈しむ、 父なる天は時に風雲を巻き起こし大地をおびやかす。 その厳しさと優しさが交わってバランスが保たれる。 強者は弱者を食って生き延びてる。 その適者生存の原則が地球の生物を支えて来た。 ちゃう? 男は滅多に隙をみせてはならぬ。 ね、noricot さん? 男が簡単に人を信じては女を守る事は出来ない。 生かされているんじゃない、 みずから生きようとして生きてるんだ。 死ぬ時ゃ死ぬ、誰が助けてくれるもんか! ほんとうに感謝できることって そんなに有るとは思えないガンジーです。 泣く男と同様、安易に感謝などと言う男はズルイヤツだぜ、 気をつけろ! そういうヤツは蔭でコソコソ悪をやるタイプ、 みんなの蔭に隠れてね。 駅前の放置自転車とおなじよ。 さぁて、10日は先日のRIとMRIの検査結果がわかる。 罰当たりガンジーも 少しは悔い改めることになるかどうか? 人の心はコロコロ変わるだんご虫。 どこへ転がっていくかわからねぇ。 「わっ変わらねぇ!」 ___________________________ 連載途中から「ガンジーさん」を 読みはじめた人は、この連載のスタートが、 どういうものだったかも、知らないままに、 「おもろいオッサンが言いたい放題言ってるぞ」 と思っていたかもしれない。 しかし、それはそれでいいのだ! それでいいのだ〜〜〜っ。天才バカボンのパパなのだ。 いまは、「ガンジーよろず相談室」に、 相談受け付け中。 ガンジーさんの病気の具合がどうであろうと、 迷える小羊は、キミのほうなのだ。 ・・・なんて言いきって、わるかった。 (つづく) 『よろずガンジー相談所』の情報はこちら |
2001-05-13-SUN
戻る |