ガンジーさん。
 いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

262．相談室開設準備の日々。

ガンジーさんが「よろず相談室」を開設する。
もう、ずいぶんたくさんの相談が、
「ほぼ日」に寄せられているけれど、
これ、ひとつずつ答えているうちには
10年くらいの月日が過ぎてしまうかもしれない。
あ、うそうそ、そんなには来てませんよ。
それに、よく似た相談もありそうだしね。

もうじきオープンする「相談室」のために、
いろいろ挨拶などがあります。
今日は、「なぜそういうことを思いついたか？」
ということについて、ガンジーさんから。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「物事のきまり」

面白い事に気がついたよ。自由ということについてだ。
ちよっと生意気な出だしだね。
ガンジーもだんだんいい気になってきたらしい。
鼻の先がピクピク動いてる。

この新聞は親戚諸君への「ガンジー失敗談」をもとに
「賢い人生」への参考になればと書き出した物だった。
(え？サンコでやめるべきだった、だと！）

それが意外な展開になって
多くの読者の方々に読んでもらえる光栄によくしてる。
相変わらず言いたい放題が続いていて
何ら変わりがないが
ごく最近になって題材について、
「さて何を？」と書くことにつかえるようになった。

ドブが詰まりかけてきている。
なんでも．．．という勝手気ままさが、
書くことを妨げてるみたいなんだ。
それで思う事だが以前からガンジーは、エヘン！
「限られた条件のもとにこそ無限の可能性が存在する」
という自説、（こっぱずかしいなぁこんな言い方）
それに思い到ったわけ。

つまりぃ〜、何でもやっていいよ、
どんな職業でも好きなことをやりなさい、
って言われるとこれがなかなか決まらないものなんだね。
並外れた体格ならば大方の方向は決まる。
そして歌舞伎のように代々世継ぎの家に生まれれば
その道に入ることがほとんど確定してる。
さらに例には出したくないが身体に障害があったら
職業の選択もある程度制限されるだろう。

人生には目的があったほうがいい、と思う。
それなら限られたライフ時間の中で
早く目的をつかんだ方が成功の確率は高い。
大器晩成と言ったって人間にだって”旬”がある。
身体や脳はそういつまでも付き合ってはくれない
「早く決めろよ！」って脅される。
ますます焦る、加齢が進む。
「どうしょう、どうしょう？」
で人生が終わってしまう事もある。
逡巡は春秋を加速させる。
彼女への結婚の申込書を書きあぐねていて
他の人に取られちゃったようなもんだ。

だから人生そのものの目的がはっきりせず、
金になってしまう。
金はもともと手段のはずだ。
順序が逆だよね。
たまたま小金を得たにしてもなにか虚しい。
（と、想像するだけだけど、くぅっ！負け惜しみじゃぁ！）

で、本題に戻るけどなにか条件、枠、といったものがあれば
目的が決まるのが早いんじゃないかと思う次第。
「私はいったいどんな仕事にむいてるんだろう？
夏向きか、それとも南向きか、柿の皮むきか？」
なんて悩まずイチロー邁進メジャー行き、
みたいに充実人生が花開く。

「ほぼ日』への投稿もそうだよね。
自由でいいよと言いながら
なるべく顔マーク、や匿名を制限してる。
これいい事だと思う。
それがなかったらイージーな文、
退屈きわまりないだべりに落ち込んでしまい、
こんにちのほぼ日の発展はなかったろう。

でもね、ここまで書いてまたまた気が変わったんだけど、
もしイトイさんが、
「では、これこれの事について書いてください」なんて
言われたらまた困ってしまうだろうなぁ、と。
人間なんて幾つになっても幼稚なんだね。
なに？お前だけだって？
そうかもしれん。　ぐすん！
 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「ほぼ日」に『まっ白いカミ』
という連載ページがありますが、
あれは、この作者なら
「自由課題」をなんとかするのではないか、という
意地悪で楽しみなプロデュースから生まれたものです。

「なんでもいいよ」と言われることのつらさは、
言われて、それなりにやったものでなければわからない。
「問題」があって「答え」を考えることは、
ある意味では簡単なのでしょうね。
なによりも難しいのは、問題を見つけること。

ガンジーさんが、二百六十回も問題を見つけ続けてきたのは
すごいことだと思います。
そして、『ドブが詰まりかけてきている』と思い始めた。
いいセンスしてるなぁと、ぼくは思ったのでありました。
そして、問題を見つけるために、
「問題を見つける方法」を考え出した。
それが、『相談室』ということだったのだと思います。

「とにかく何とかする人」なんだなぁ。
野球チームでも、「とにかくなんとかする選手」ってのが、
そのチームを強くするんですよねー。

☆ガンジーさんへの相談は、いつもの
postman@1101.com　宛にメールで。
タイトルには「ガンジー相談室」と書いてください。

（つづく）

『よろずガンジー相談所』の情報はこちら

2001-05-14-MON

BACK
戻る