404.猫はどうしているか。
先日、ガンジーさんが魚籃坂に来訪したとき、
金魚の水槽をながめながら、
「猫もおもしろいんですよねぇ」と、つぶやくように言った。
「おもしろいんでしょうねぇ」と、ぼくは返事したが、
その、ふたりの「おもしろい」は、
同じコトバだけれど、まったく密度がちがうなぁと思った。
ガンジーさんは、ほんとによく猫を見ているのだ。
『愛とは見ること』なのだ、俺に言わせりゃーよー。
愛が減ると、見なくなるのよ。
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「ネコのこと」
ブス白猫のフクは元気でござる。
3匹のうちで一番のお寝坊さんで朝日をあびて
くるまのボンネット上であくびをしてる。
目が青いのでまぶしそうにぱちぱちやってる。
アングロサクソン外人系だ。
ネコ用サングラスなんてないのかな。
猫目石ってのは
日本ネコからでた言葉だろうか。
ブスを自覚してる彼女はとてもフレンドリーだ。
目があえばかならず挨拶をしてくれる。
飼い主としてはこの愛嬌に
ブスであることを忘れてしまってる。
顔の造作ではないね、
人間だってそうだと思う。
美人は三日で飽きるってほんとだろう。
フクちゃんはや1年になるぜ。
三毛ネコミー子が死んでから1年半だ。
ガンジーの身代わりになったとタスデ美はいってる。
2度目の入院中に彼女は旅だってしまった。
ご近所の人気者でいつも塀の上で門番をしてた。
通りがかりのネコ好き人たちがなでていく。
もっと好きな人は10分以上もお話をしてる。
ミヤァとは答えてるが
格別愛想のないネコのくせにモテるんだね。
パンダとチロは野良あがりなので
飼育がかりタスデ美はともかくガンジーにはいまいちだよ。
さわると、ビクッとしてる。
遠いムカシ初恋の人と土手で坐っていた時、
肩にまわしたガンジーの手に敏感に反応したあの子、
あのシチュエーションがなつかしい。
うそつけぇ!っていいたいのかい?
じゃくわしくおしえちゃう。
ところは秋田県、場所は雄物川のほとり、
戦後の食料難で母親の実家に疎開してた中学2年のときだ。
名前だけはかんべんしろい、人気サイトのほぼ日だ、
どこで読んでるかわからないからね。
初恋にはじまるわずかな恋の遍歴は
そっとしておいたほうがいい。
同窓会で焼けぼっくいに火がつき
一家離散のサッドストーリーを知ってるからね。
ネコとつきあってるとさまざまな発想がめばえる。
パフォーマンス優先のイヌとは違うね。
創造的な仕事をめざす人にはネコをおすすめする。
反応がものたりない人にはクロネコがいい。
何故かクロ猫は愛想がいいんだよね。
えつこさん教えてください。
ネコの背中をなでているとココロがおちつく、
ストレスが去っていくのが実感できるよ。
質実剛健を強制されたガンジーのこどものころは
愛玩動物なんて見たことがなかった。
軍用犬としてのジャーマン.シェパードだけが
大手をふっている時代だった。
その他のイヌは野良犬ばかり。
この野良さんのなかでアカ犬だけが
戦後の食料難で人々を救った。
アカ蛙もそうだった。
アカトンボは食わなかったなぁ。
朝寝坊のくせにフクは早寝だ。
オートバイ好きのガンジーが
タスデ美を口説き落として造った
母屋と屋根続きのガレージには
頑丈なあつらえの木造工具だながある。
ネコたちは勝手に住居をかえて楽しんでるが
フクだけはいつも入り口のダンボールのなかだよ。
通るたびにフクのほうから挨拶してくれる、
かわいいヤツだ。
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思うんだよ、いつも。
ガンジーさん、猫や犬のことを書いているときに、
いつも「妻」というもうひとつの生き物のことが、
ミシンの裏糸のように入っているんだよなぁ。
(つづく)
※『出前ガンジー』あるいは『ガンジー水戸黄門』の
企画について。
ガンジーさんの行脚先を募集しています。
詳しくは9月24日付けの『ガンジーさん』を
ごらんくださいませ。
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