420.ネコネコ戦争。
はい。
おなじみガンジーさん家の猫たちの物語。
最初は、ブスだの不憫だのと同情されていたフクちゃんが、
いつのまにか、それなりの位置を確保したようだ。
しかし、おいおい、オス猫だったのかよ!?
ペルシャかよ!?
ふかふかかよ!?
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「戦争じゃ」
白猫フクの目はあおい。
ペルシャの空があおかったから。
白猫フクの毛はながい。
高級ジュータンで寝そべっていたから。先祖がね。
今はイランという国だけど
このネコのおかげでペルシャの名は永遠に不滅です。
でもほんとうは中近東の何処でうまれたのか
よくわからないらしいね。
「こんなネコうちじゃイラン!」
国際結婚のくりかえしでイスラムの教えをわすれ、
あら!アラーて何?ととぼけてる。
毛は真っ白でナデがいがある。
ふつうのネコは頭の上を掻いてやるとよろこぶが、
フクの場合はアゴの下がいいらしい。
ほかの2匹とちがって飼い猫だったらしく
抱っこしても逃げようとしない。
前にフクのことを彼女、と書いてしまったが
おすネコなんだ。
女系家族のただ今のガンジー家だから
われわれはきずなを深く協力して
ことにあたらなければならない。
うん、そうだ!
タスデ美を大将とする、めす軍団に対向するために
同盟をむすんでゆくぞ!
フクよ、パンダやチロにおくれをとるでないぞ。
おれたちゃ男なんだ。
♪キミたち女のコ〜
には負けられない。
歴史をみても女子がしゃしゃり出てくると国が亡びる。
リーダーシップは男の使命なんだぞ!
女性はお尻のシップをしてりゃいい。
「それじゃオトウチャン、
具体的にどうすればええんかいな」
「まず威厳をもたなくちゃならん。
お前はヒゲも白いがそれを金色にそめろ!
007もゴールドひーげーってタイトルの
映画があったろ。
つぎにもっと肩をゆすって歩け。
なで肩のお前にはむずかしいことだろうが
何事もゴトゴト努力をすれば出来る。
脱臼したらJRの特急券を貼ってなおせ。
なせば成る、なさねば成らぬ何事も。
成らぬは畠のなすびかな、っていうだろ?
タスデ美が菜園にちからを入れてもならぬのは、
相性がわるい、+テ美と、なすびじゃね。
「What do you do?オトウチャン」
「おれか?おれは...そうさなぁ、
まずセロテープでさがった目じりをきりりとあげて、
ヒゲをたくわえる。
お金じゃないぞヒゲだ。
たくわえたヒゲはそれまでの卑下した態度をあらため
利息をうみ、そうだ!おれは男だったんだ、と
股間をつかみライオンのようになる」
「それから?」「そ、そんなに先をいそぐな。
おれたちや同盟国だが
おれにはおれの内部の事情がある。
積極的に動けないわけもあるのだ」
チロとパンダがひそひそ話
「なんかこのごろフクのヤツ、
態度がでかいんじゃない?」
「そうだね、こらしめてやりましょう。
白髪染めで茶髪にするのもいいけど
パークの尻尾と
ガムテープでつないじゃうなんてのはどう?
いくらおとなしいパークでも
彼女臆病だからびっくりしてフクを庭中ひきずりまわし
西部劇みたいに楽しめるかもね、イッヒッヒ...」
「あたしたちって、けっこうワルなのね」
「そりゃそうよフクがきてから
タスデ美さまのご寵愛ひとりじめだもん。
こらっ!しめるのは当然でしょ!」
「でもオトウチャンが後方支援してるって感じだよ、
どうする?」
「タスデ美にカレンちゃんのこと言いつけちゃおうか」
「血をみるね、きっと」
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この、さ、
猫に「オトウチャン」って呼ばれるのって、
なんか、いいねぇ。
「カレンちゃん」については、
毎回欠かさずお読みになってる方は、知ってますよね。
ぼくから、あえて補足説明はしません。
問い合わせも禁止します。
どの回に登場するんですか、などということについても、
いっさいお答えしませんからね。ヨロシク。
(つづく)
※『出前ガンジー』あるいは『ガンジー水戸黄門』の
企画について。
ガンジーさんの行脚先を募集しています。
詳しくは9月24日付けの『ガンジーさん』を
ごらんくださいませ。
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