427.女房は歳をとらない?
もう、ほんとに「妻を想う」ことにかけては、
天下一品だね。
「想妻家」としてのガンジーさんは、
いちばん狭い世界の話をしていても、
とても広い世界につながる大きさを持っている。
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「おぼえてろっ!」
ついさっきの事を忘れてるくせに
遠いムカシのことはよく憶えてる、とは
年寄りがよく言うことだ。
これって都合がいいこともある。
タスデ美が白髪がどうの、しわがどうのと嘆いていても
気にならない。
薄情なんてことではなく
ガンジーの頭のなかには
今の彼女より若い時の彼女の面影がこびりついてるから。
白髪がふえたと言ってても「そうかい」である。
あまりシゲシゲと見ないからね。
白毛、馬の名前みたいだけど
むりに駄洒落にすればシゲシゲと見つめるから
白毛になっちゃうんだ。
美容院からもどった時だって
外交辞令のホメ言葉だけでいい。
昨日今日きゅうに歳をとったわけじゃないから
若い時の続きでじゅうぶん。
ましてやそのしわが、ガンジーのせい
かもしれないとなれば、責任を感じちゃうよ。
取引先から不渡りをつかまされた時、
だまってりゃよかった、なぁーんて事を思いだしちゃう。
マジメに聞いてるとこっちが滅入ってしまいますのです。
それほど若い時の記憶ってすごいものなんだね。
年寄りがこのような言葉をはいた時、
すぐれた若者は
「そうだ!だから鉄は熱いうちに打て、というんだな」と
さとる。
すぐれてない若者は聞きながす。
ふつうの若者は「へぇーそんなもんかねぇ」と
わずかに反応する。
対岸の火事、というが自分がその場にあったら...と
考えることはいいことだと思う。
おれぁ太く短く生きるんだ!なんて粋がっていても
突然60歳になるわけじゃない。
加齢とともに性への、いや生への欲はふくらむもんでっせ。
朝、パンツがふくらんでいるうちは
わっからねぇだろうなぁ。
近眼の人はともかくこの老眼鏡ってヤツは不便だぜ。
まず熱いラーメンを食えない。
メガネをふきふき汗をふきふきしなきゃならん。
老眼鏡をかけない人もいるけど
自分の老後がそうだとはいいきれない。
歳をとると忘れものがひどくなる。
身体が思うように動かない。
そういうことを若い時から知っておくといい。
ほんのすこし頭のすみに入れとこうね。
ケンカの達人はあとでしこりを残さない。
その最中でもあとのことを考えてるからだ。
相手のメンツのことをね。
先見の明、と言うが
われわれが初代人類ではない。
すでに多くの先人たちが歩いてきた道だ。
それを活用しない手はないぞ!
本を読み他人の経験をいただいちゃおう。
本が苦手という人もゴルフが好きなら
そういう本から読みだそう。
いつのまにか読書好きになってるかもしれないぜ。
ほら食欲は食べはじめてみて出てくるもの、
っていうからね。
忘れものをすると時間を損しちゃう。
仕事のできる人は事前によくしらべる。
段取り7分っていうもんね。
まいどまいどの見切り発車ではいい仕事はできねぇぜ。
「いい仕事ってどんなこと?」
お、いきなりそんな質問は困るよ、
メリー木村に聞いてくれ!
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『今の彼女より
若い時の彼女の面影がこびりついてるから。』
なんだって。
たしかに、今と過去と、
両方をいっぺんに見ているような気がするよね、
親しい人に関しては。
子供を見ていると、赤ん坊のときの姿が二重写しに見える。
妻や、夫も、そういうものかもしれない。
しわも、また、魅力だとも思ったりもするのですが。
それはそうと、
ラーメンを食うときには、眼鏡を外せばいいのだと思う。
(つづく)
※『出前ガンジー』あるいは『ガンジー水戸黄門』の
企画について。
ガンジーさんの行脚先を募集しています。
詳しくは9月24日付けの『ガンジーさん』を
ごらんくださいませ。
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