428.いよいよ出前ガンジー。
ガンジーさんの出前は、まずは富山へ。
もともと、ひっそりした企画だったのだけれど、
何をどうした具合か、行き先が医学生のところになり、
そうなったら、こんどは
みんなで話が聞きたいってことになり、
みんなが集まるには場所が必要だってことになり、
学校に集まるってことになり、
学校としては万一のことを考慮して
付添がいたほうがってことになり、
急遽、「ほぼ日」でいちばんの親切男、うーちゃんの出番。
こまめに連絡したり、予約したり、
いろんな手配していたうーちゃんでしたが、
ほとんど徹夜明けで出かけた東京駅から、
西田店長のケイタイに緊急電話。
「まさか、うー、遅刻したんじゃないでしょうね?」
「いえ、そんなことないんです」
「じゃ、なによ?」
「ガンジーさんが、いないんです。待ち合わせした場所に」
「ガンジーさん、ケイタイ持ってないよね」
「ええ。ともかく、もう少し探してみますけど」
これが、朝の10時過ぎ。
さて。
___________________________
「出前ガンジー その1」
黄門ガンジーの初日は秋晴れの空にもかかわらず
波瀾の出足となってしまった。
尾関うーちゃんとの約束が
9時45分の新幹線ホームだったのに
15分もおくれてしまったためだ。
彼はその30分も前から探しまわっていたらしい。
ホームの端から端まで行ったり来たり、
駅員さんが帽子と制服を「貸してあげましょうか?」
直前にも確認の「念のため...」との
うちあわせををもらいながら
ニャンのためのメールを受け取っていたのかと
ガンジーは我が身を責めて責めて、
せめてお弁当でもと買ってたりして
うちあわせ通りの列車に乗りました。
ところが彼は探し疲れて次ぎの列車にしたそうです。
てっきり遅刻とおもったとのこと。
さらに事件は続きガンジーは越後湯沢を乗り越して
新潟までのんきな旅を続けてしまい
新潟についてからあわてにあわて
新幹線を引き返したのでは時間がかかるとの
駅員さんのすすめで北陸線金沢行きに乗る。
富山到着は2時間半もおくれ4時ちょうど。
すぐタクシーで全日空ホテルへ。
ナント、うーちゃんは富山駅でも探していたらしく
タクシーに乗るガンジーを見つけてあとを追ってホテルへ。
チェックインの手続き中に
めでたく愛するふたりは逢瀬をむかえたのでありまーす。
予定では早めに着いてひと休みし、
食事を済ませてから大学へいくつもりが
あわただしく蕎麦ですませ
加藤真理さんの待つ学校正門へタクシーを飛ばす。
長身の内藤さんと共に出迎えてくれました。
教室へ入るとすでに机は並び替えられていて
15分も遅刻の黄門と格さんを
高貴の人を迎える如く好奇の目で歓迎してくれました。
べつに拍手を浴びたわけではなかったのは
教授がお一人ふくまれていたからでしょう。
この先生から和紙でできた名詞をいただき
「和紙ですね」といったら「ワシゃ知らん!」
とすましていう駄洒落名人でもあります。
どんなパフォーマンスでおどろかそうかと
前日まで考えていたのに朝からの番狂わせで
まるっきり忘れてしまい神妙な入場と相成りました。
デジカメとテレコは格さんがやってくれて
デスカスのはじまりはじまりぃー!
かんかんがくがくとした議論ではなく
意見をのべる半玉医師たちの言葉は静かだ。
しかしその表情、眼差しは熱く雰囲気は盛り上がり、
はじめのうち、かたい話し振りにおもえた宮脇教授も
駄洒落をまじえて学生時代にかえったかのようだった。
とてもいい時間をすごせた。
ずいぶんお勉強をさせてもらった。
こんなに素晴らしい医師のタマゴたちがいる。
すかさず教授が「ヒナにかえらないタマゴもいる」
なんてジョークもうれしいかったなぁ。
言葉すくなの学生さんも熱心に聞き耳をたてている。
そうだほぼ日のおサルのようにね。
その存在感は貴重だ。
土曜日のあそびたい時間なのに
こんなにおおぜい集まってくれてたんだ、と
胸が熱くなった。
それほどみんな、医療について
真剣に考えているんだとおもうと
日本の将来が明るくおもえてきて
うれしくなってしまったぞ。
___________________________
お読みのとおり、午後4時まで、
うーちゃんの「あせり声」は、ひっきりなしに
続いていたのでした。
ま、水戸黄門といえば「漫遊記」、
このくらいのドラマがないと
「漫遊」とは言えないですね。
「バーチャルのガンジーさんより、
リアルのガンジーさんのほうが、スゴイ」
とは、テレビ局のアシスタントディレクター経験で、
さんざんいろんな目にあってきたうーちゃんの感想。
読んでないと思うけど、タスデ美さま、お疲れさまでした。
(つづく)
※『出前ガンジー』あるいは『ガンジー水戸黄門』の
企画について。
ガンジーさんの行脚先を募集しています。
詳しくは9月24日付けの『ガンジーさん』を
ごらんくださいませ。
|