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“寒い国から来たハラマキ”



快適に巻いていただけるように。
やわらかさを追求した冬の新素材。



ほぼにちわ。

“寒い国から来たハラマキ”の販売も、
残すところ、あと2日となりました。
デザインでお悩み中という方も、
まだまだ、たくさんいらっしゃると思いますが、
この週末にゆっくり吟味して、
そろそろ決断していただけた頃でしょうか。
注文受付は、12月21日午前11時までですので、
くれぐれも、お買い逃しのないように、
よろしくおねがいします!

前回は、ハラマキのチラ見せコーディネイト例
少しだけご紹介しましたが、
本日は、ガラっと変わって“素材”についてのお話です。
今回は、定番の“のびのびタオリン”にくわえて、
保温性が高くあったかいのに、さらりとした巻き心地
冬の新素材”が新たにくわわりました!
実は、この冬の新素材、
すこしでも、巻き心地のよい理想のハラマキにすべく、
製作者のハシレトノサマくんが、
糸屋さんの、あるご兄弟とじっくり話し合いながら、
もともとある既存の素材をさらに加工して、
独自に開発したものなんですよ!
そういうことなら、
開発者ご本人に語ってもらうのが一番!
というわけで、本日は、開発者の一人である、
ハシレトノサマくん自身に、
冬の新素材の魅力や製作秘話を
語っていただくことにします!


●新開発!
 やわらかい巻き心地を追求した冬の新素材。


こんにちは、ハシレトノサマです。
いつも、ハラマキのご注文をありがとうございます。
毎回、毎回、みなさまからいただく、
たくさんのメールをはげみに、
「次は、さらにいいものを!」と思って、
新しいハラマキづくりに挑戦しています。
本日は、“寒い国から来たハラマキ”で新しく登場する、
“冬の新素材”について、少し、お話しますね。

栃尾に、「本寅工業」という、
ご家族でやっておられる小さな会社があります。
そこに本田宗一郎さんと本田博さんというご兄弟がいます。
(お兄さんの宗一郎さんはあのホンダの創業者、
 本田宗一郎さんとまったくの同姓同名なんです!)
この本田兄弟と僕は去年の夏に知り合い、
一緒に糸の開発をしてきました。
今回の冬の新素材は、既存の糸ではなく、
ハラマキに適した糸として僕らで開発した、
第2号の糸です。
「ほぼ日うれしいハラマキ」の“うすいタオリン”が、
僕らが作った糸の記念すべき商品化第1号でした。

“うすいタオリン”を出荷した7月下旬、
本田兄弟と僕は次なる「冬の素材」の開発を
スタートさせました。
以前、みなさまにもお伝えしましたが、
“のびのびタオリン”は、
知る人ぞ知る「糸の神様」と呼ばれていた、
金子嘉通さんという方が開発した糸なんです。
糸の神様が紡ぐ、最高の糸」、
それが、“のびのびタオリン”です。
金子さんは、残念ながらすでに引退されていますので
前回夏の“うすいタオリン”は、僕ら自身で、
その最高の糸“のびのびタオリン”に挑戦すべく開発し、
巻き心地のさわやかさ、通気性、吸汗性のよさ、
どれをとっても負けないくらい、
ハラマキにふさわしい素材になったと自負しております。

そして、今回の“冬の新素材”。
今回の開発で、僕らが掲げた目標は、
“うすいタオリン”と同じくらいの薄さで、
去年の冬の素材、マイクロストレッチを超えるあたたかさ。
そしてなにより大事にしたのは、
これまでにない“やわらかさ”でした。

まずは、素材選びです。
今回、僕らが、
理想のハラマキをつくるために選んだ素材は、
一度発生した熱を逃さない保温性が非常に高い素材です。
また、長時間巻き続けることを想定して、
ハラマキと肌との間の余分な湿度は外に逃すので、
汗ばみにくく、肌触りがさらりとしている素材です。
ハラマキという製品の性格上、
巻いているときの快適性を最優先すべきだろうと考え、
この素材を選びました。

素材を選んだ後に、今回の最大のテーマである
やわらかさ”の追求に入りました。
糸の原料は大きく分けて、
天然素材と合成素材に分かれます。
これらの原料から作られる糸は、
そのままの状態で使うこともできるのですが、
実際には、原料を組み合わせて、
用途別にアレンジし直す作業を行なって、
糸をつくります。
その糸をつくる工程のなかに、
「撚り」という、いくつかの糸を組み合わせて捻り、
一本の糸にする工程があります。
やわらかさを出すためには、
この「撚り」具合が大きく影響を及ぼします。
撚れば撚るほどに繊維は硬くなります。
そのため、今回、僕らは、やわらかさを出すために、
できるだけ撚らない」ことに決めていました。
そして、この撚りの工程で、
何度も何度もつくり直しました。
すべては、やわらかさを追求するためです。
試作品が何度上がっても、本田兄弟は納得しませんでした。
もっと、やわらかくなる」と思っていたからです。
しかし、あまりにやわらかくしすぎると、
反対に、毛玉ができやすくなります。
最終的には、この「やわらかさ」と「毛玉」の問題が、
ちょうどいい頃合いで落ち着くように、
もう少し、やわらかくしようと思えば
やわらかくできるギリギリのラインに仕上げました。

今回の糸の開発中、僕が、本寅工業を訪れるたびに、
新しいサンプルが上がっていました。
家内工業的な工場の中、撚り機械を改造し、
作るたびにアイデアを出しなおして、
再度トライする本田兄弟の姿をみて、
僕は、本物の技術者の姿を見た気がしました。

こうして、出来上がったのが、
今回の“冬の新素材”です。
やわらかさをできるかぎり追求し、
より快適に巻いてもらえるように、
自信を持って送り出しておりますが、
実際に巻いていただいたみなさまの感想を、
ぜひお聞きしたいです。
商品には必ずメリットの裏返しである
デメリットがあります。
すべてのデメリットを表記することはできません。
「どのような使い方をされて、
 どのような点にご不満を感じるのか、
 作る側には判断できかねる」
からです。
もしも、みなさまが実際に巻いてみて、
気になることがありましたら、
どんどん、僕や本田兄弟に教えていただきたいです。
田舎の繊維産地では今、世代交代がすすんでいます。
50代の先輩に学びながら、
今の時代にみなさまに求められるものを
作っていかなければなりません。
できることを少しずつ拡げながら、
稚拙ですがこれからも、
より快適なハラマキの開発を
続けていきたいと思っています。
みなさまのご意見を、心よりお待ちしております!

最後になりましたが、
“寒い国から来たハラマキ”は、
本来であれば、受注販売で、12月あたまには、
全ての方にお届けできるはずでしたが、
10月23日に発生しました新潟中越地震の影響で、
発売や発送が遅れてしまいまして、
大変もうしわけありませんでした。
僕らの工場がある、ここ新潟県栃尾市は震度6弱でした。
交通は麻痺し、ガス、水道、電気がストップしました。
ほぼ各メディアの情報どおりですが、
この地震であまり触れられなかったことがあります。
そんな状況でも連絡を取り合い、できるだけ普段どおりに
働こうとしていた人たちがいたということです。
家が傾きながらも、朝出勤し、
家族と連絡を取り合いながらみんな働いていました。
断続する地震のなかで、
会社に来られない従業員もいましたが、
少しずつサンプル作りは進行しました。
そして、ようやく、12月にお届けする4000枚と
年明けの1月下旬にお届けするハラマキを、
年末から年明けにかけて
急ピッチで製作できる体制が整いました。
一人でも多くの方に、一日でも早く、お届けできるように、
製作チーム一同、がんばっております。
ご迷惑をおかけしておりますが、
いましばらく、お待ちください!



トノサマくん、ありがとうございました!
ほぼ日ハラマキは、
これまでずっとトノサマくんチームのみなさまと
製作しているのですが、
毎回、いっしょにつくりながら
「さらに、いいものを届けたい!」
という意欲を彼らからすごく感じるんです。
ハラマキは、これまでも、
ユーザーのみなさまからの品質への信頼感が
とっても高い商品なのですが、
トノサマくんチームのみなさまの
飽くなき品質向上への意欲が
毎回、みなさまに安心感のあるハラマキをお届けできる
所以だなあとつくづく思います。

ここのところ、寒い日も多くなってきております。
夜寝るときだけではなく、寒い日の外出時など、
ハラマキを1枚持っていれば、いざと言うときに、
きっとお役に立てると思います!
ハラマキをふだん巻かない方も、
この機会に、トノサマくんチームのつくる、
ほぼ日ハラマキの巻き心地を
ぜひ、味わっていただきたいなあと思います。


2004-12-19-SUN

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