KAGUCHI
カナだから、の手紙

今日の「カナだから、の手紙」は、
インタビューでお送りします。

家のなかの食料もついに尽きてしまった。
24時間営業のような人間が、ふたり生きているだけの家。

12月3日、ついに「竹中直人の会公演・水の戯れ」
初日を迎えたカグチヒナコさんに、感想を聞こう。

もしもし、どうでしたか?
「お客さんの反応もよかったし、ほっとした」

風邪を、ついに・・・?
「ノドが痛くなって・・・熱はないんだけど」

今回はずいぶんタイヘンそうですが?
「いままでで、いちばんかもしれない」

いつもそういうこと言ってませんか?
「いやっ!女優になっていちばん!」

あらま。じゃ、やらなきゃよかったですか?
「やってよかった。おもしろいんで困るのよ」

はぁ、そりゃよかったですね。
でも、こんなにタイヘンなことだとは思わなかった、と?
(老婆のように腰を曲げながら
エレベーターのボタンを押しつつ)
「こんな生活は・・・・・」

(エレベーターのドアが閉じる)
(エレベーターが再び開き)

「わ、忘れ物・・・・
こんな生活をしようとは思わなかった」

そしてエレベーターは無事閉まり、
「竹中直人の会・水の戯れ」の女優は、
下北沢方面に向かうのであった。

<臨時第1回・完>

1998-12-05-SAT

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