KAGUCHI
カナだから、の手紙

【カナダのご報告4】       
   
ついに氷河の水を飲んだ!の巻

さてさて、キャンプ3日めの朝。
ド、ド~ン、ガラガラガラという音で眼が覚めた。
雷ではない。
ロブソンの氷河が溶けて、下の湖に落下している音である。

もう何度も聞いているので、「あ~、落ちたのね~」。
ぐらいしか感動がないけれど
最初、眼の前で氷が白い煙をたてて落ちていく様子を
見たときには
「ああぁ、氷河時代からの同じ大自然の営みを
見ているのねー」。
と鳥肌が立つ思いでしたのよ。
そんでもって、今日のメニューは、
いよいよロブソンの氷河を間近に見に行く日なのであった。

それでは、なんといっても腹ごしらえ。
テントを出て、朝食のあるロッジに向かう。
パンを食べようと思ったら
「これはお昼のサンドイッチ用です。
もうパンが無いので、シリアルでお願いします」。
と言われてしまった。
シリアル・・・・・・。これワタシ苦手。
栄養のバランスがイイのはわかっていても、
これ、どうしても食べ物とは思えないんだなぁ。
おまけにシリアルにつきものの牛乳が山には無いので
脱脂粉乳にお湯をかけたものを使用するの。
ああ、ダメダメ。
給食の時の脱脂粉乳・・・子どもの頃、
これ飲むのにどれだけ苦労したか。え~ん。


マネージャーの菜穂ちゃん
同意をもとめようと
マネージャーの方を見たら
彼女、なんと!!! 
さらにミロ
(♪強い子の~ミロ)まで
加えて美味しそうに
食べている。

ミロ色したどろどろを、
スプーンですくって
「これ、いけますよ! ヒナコさん!」
し、信じられない。
仕方なく、とっておきの「赤いきつね」に
お湯をそそぐカグチであった。 

ついでに山の夕食もご紹介しておきましょう。
これものすごくシンプル、【ドライフード】のみ。
油はなるべく使わない、水はものすごく貴重
(いちいち川の水沸騰させる)ゴミは最小限に。
というきびし~い条件なのでこれに絞られるわけです。

調理法は、沸騰したお湯にタマネギ、ハム、
ピーマンなどを入れ少し煮込み、
そこへドライフードをばさっと入れるだけ。
最初は、美味しくないなぁなんて贅沢なこと言っていたけど
味の種類が15種類くらいあって
慣れてくるとけっこうウマイ!
照り焼きチキン味、マカロニチーズ味、カレー味、
シュリンプ味などなど。
「今夜は、なに味~?」
なんて嬉しそうに聞くくらいになっちゃいましたわん。

おっと、食べ物でずいぶん時間かけちゃった。
はやく氷河に行かなければ・・・・・・。
今日のルートは、嬉しいことにひたすら平原。
ああぁ、なんて楽なの。
氷原が見えてきた頃には10キロくらい歩いていたと思う。

ところがどっこい、ここからが本日のアドベンチャー開始!
氷原っていうくらいだから、気温がどんどん下がって
ワタシの弱点の顔が冷た~くなってきた。
えへへなんて笑おうものなら、鼻水がツーッと落ちてくる。

おまけにごろごろした岩場の登場!
今や身体の一部となった杖さえも滑ってしまい使用不可。
岩場から岩場まで、可能な限り足を伸ばさないと届かない。
しかもそうとうな傾斜で、これじゃ、ロッククライミング。
身長150cmに満たない(だから足の長さだってそれなりの)
マネージャー菜穂ちゃんは、後に
「ワタシ、死ぬかもしれないって思いましたよー」
って言ってたからそうとうなものなのであ~る。


氷河の先端。冷凍庫の中みたいに寒い。
けど、ハフハフ
言いながらも着きましたよ、
氷河に・・・・・・。
氷河の先端からは、
鼻水のような・・・
いやいやたとえが間違った、
搾り立てのお酒のように
澄んだ水が、
何本も落ちている。
今、ここで溶けている水は
化学物質がぜんぜん入っていない
数百年前のお水なのだそうだ。

さっそく広江さんと氷河の水で乾杯!!!
冷たくて、ミネラルウォーターの100倍くらい美味しい。
だってここまでの苦労が、味覚に影響してますものね。


ついに登場!広江氏
ここで広江氏が発言。
「この水は、1杯飲むと
若返ると申しまして~
2杯飲むと、もっと若返る!
そして3杯飲むと~~」。

「ナニナニ?(期待してない)」
「お腹をこわすんですね~~~、
あっはっは」。それ聞いたら、
なんだかもうお腹が痛くなってきた。

そんなこんなで、無事生きて
キャンプに帰ってきたこの夜、
今回の旅でいちばん恐かった事件が起こったのです。
今日のお話長くなっちゃったんで、
また明日お伝えしましょう!
ひっぱるねー。

1999-07-23-FRI

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