安藤

でも、峯田くんって人見知りなのかな？

──

本日の企画の根本への問いですね（笑）。

峯田

うーん、そうだねえ‥‥。

自分では、あんまり
人見知りだって言いたくはないというか、
そこは諦めたくないって、
とくに若いころは思ってたんだけど。

安藤

うん。

峯田

目見ないしね、人の。

安藤

あはは（笑）、たしかに。

峯田

そういうとこから、来てるかもしんない。

──

ご自身の意識としては、どうなんですか。

峯田

できれば、まったく知らない人に
会わずに済むんだったら、会いたくない。

しゃべりたいとかも、べつにないし。

安藤

峯田くんの場合「人見知り」というよりは、
人との距離があるって感じだと思う。

──

人との距離。

安藤

人見知りの人って、
どこか、
「誰かとつながりたい」という気持ちが、
あるような気がするんです。

──

なるほど、たしかに！

人見知りという言葉には
ちょっとさみしい気分を感じますよね。

安藤

そう、お話してみたいのに‥‥と思いながら、
うまくいかない、
みたいなところがあるじゃないですか。

峯田

その点、俺、つながりたくないもんね。

安藤

そう、そこ、そんな感じ。

峯田

だから俺、LINEとかもやってないし。

まあ、唯一インスタ（Instagram）だけは、
画像アップして、
あとはほったらかしでいいから、楽だから。
上げっぱなしで、反応とかもサッパリ。

──

見てない。

峯田

うん。見てない。

たくさんの人たちとつながりたいとか、
仲よくなりたいとか、
友だちをどんどん増やしたいっていうのが、
ないですよね‥‥あんまり。

──

たとえば、ファンの人に
町の中で声をかけられたりしたときとかは、
みなさん、どんな感じなんですか？

安藤

わたしは‥‥写真は撮らないけど、
話しかけられたことには、答えていますね。

こんにちは、はい、こんにちは、みたいな。

峯田

僕は、そこのところは、ほぼＮＧないです。

何なら、
「もし今から時間あるんだったら、
　コーヒーとかどう？」くらいな勢いです。

──

え？

峯田

よく行くんですよ。コーヒー。知らない人と。

──

人とはつながりたくないのに、
その場合は
人並み以上にフルオープンなんですね（笑）。

峯田

しょっちゅうですよ。
おもしろいんですよ、そういう人と話すと。

まじめなサラリーマンだったり、
ただのおっさんだったり、若い学生だったり、
ふだん話す機会のない人と
いろいろしゃべってみると、おもしろくて。

──

歌詞とかのヒントになったりも？

峯田

そう、そういうことも大いにあります。

俺の想像の範囲だったら
まったく机上の空論にすぎないんだけど、
人から聞く話って、
いちばん「アテ」になりますからね。

おみそ

すごい、そんなの‥‥。

峯田

ただ好きなの。おもしろいから、それ。

──

おみそはん、いかがですか。
今の峯田さんの話を聞いて。

おみそ

すごい‥‥すごいですし、
わたしは、まだ声をかけられないです。

峯田

でも、これからじゃない？

おみそ

そうかなあ‥‥あ、でも、このあいだ、
ハンバーグ屋さんに
ハンバーグを食べに行ったときに、
近くの席にいた家族が、
「みそしる、みそしる、みそしる」って
言ってたんです。

峯田

それは‥‥「注文」じゃなくて？

おみそ

いや（笑）、はい、あのう、あきらかに、
わたしを見ながら
「みそしる、みそしる、みそしる（がいる）」
って。

そのときに「わ、ばれた」と思いました。
でも、わたし、
いつも「ジャスタジスイ（JUST A 自炊）」
って言って
自分で料理をつくる歌を歌ってるので、
「ハンバーグ屋さんで
　ハンバーグ食べててゴメンナサイ」と‥‥。

──

なるほど（笑）。

おみそ

そう思ってワナワナとしてしまったけど、
がんばって
「はい、そうです、みそしるです。
　気づいてくれて、ありがとうございます」
って、お礼を言いました。

「今日は自炊してなくてすいません」って。

安藤

でも、外食だって研究材料だから、大丈夫。

おみそ

はい、ありがとうございます。
でも、気づいてもらえてうれしかったです。

ただ、いろんなところで
友だちが考えてくれた「おみそはん」って
ニックネームで呼んでくださいって
言ってたんですが、
みごとに「みそしる」呼ばわりだったので、
「あ、まだまだ浸透していないんだな。
　もっともっと言っていかないと」
と、思いました。

峯田

ふぅん‥‥ちなみに、
安藤さんは、恋愛のときは、どんな感じなの。

安藤

わたしは‥‥昔は、自爆系が多かったですね。

「伝わらないんだったら、ぶっ壊してやる！」
みたいな（笑）、
そういう感じが若いころは強かったです。

峯田

へえ。

安藤

自分のほうから
いきなり音信不通になってみたりとかして。

でも今は、オトナになったので
男女の仲においても、揉めなくなりました。

峯田

そうなんだ。

安藤

20代前半のころなんかは
それこそ「瞬間湯沸かし器！」みたいに
「キィー！」ってなってたことも、
今は怒ると疲れちゃうから‥‥単純に（笑）。

峯田

わかる。

安藤

わたし‥‥いちど彼氏にブチ切れたあとに、
貧血で倒れて、
その彼氏に助けを求めたことがある（笑）。

──

すごいことです（笑）。

安藤

さんざん騒いだあとに、血の気が引いて、
「すいません、
　あたたかいお茶をいただけますか？」

──

でも、今ではすっかりオトナになって。

安藤

あるていどは
コントロールできるようになりましたね。

自分の感情だとか、
ここではこうしなきゃ‥‥っていうのを。

峯田

やっぱりアレだね、子ども生んだからね。

安藤

そう。お母さんになりましたから。

峯田

それは‥‥違うよね。

安藤

うん。

──

峯田さんも、オトナになった感覚は？

峯田

どうだろうな、
俺は、あと何年かで40って年齢になって、
「わかり合えなくてもいい」
って、思うようにはなったかなあ。

──

と、おっしゃいますと。

峯田

人間、根本的にはわかり合えないのが、
ほんとうなんじゃないかって。

若いころは、わかんない人とも
どうにか
わかり合おうとしてたんだけど。

──

そうなんですね。

峯田

かと言って、それは、
なにかを諦めちゃったわけじゃなくて
わかり合えないのがいい、
わかり合えないほうがおもしろいって
思うようになったんだよね。

安藤

わたしもそれ、峯田くんとおんなじ感じ。

「別の人間だから、
　自分と同じ考えを他の人に強いるのは、
　とにかく無理」
だと思うようになりました。オトナです。

──

おみそはんは、これからですかね。

おみそ

はい、オトナになるって
そういうことなんだなーって思いながら、
おふたりのお話を聞いてました。

安藤

ただ、おみそちゃんには
あんまり
オトナになってほしくないけどね（笑）。

峯田

うん。持ち味だもんね。

安藤

おみそがオトナになったら
いいとこ台無しになっちゃう気がする（笑）。

おみそ

あ、はい（笑）。ええと、どうしよう（笑）。

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