1101
「ほぼ日刊イトイ新聞の本」が出るよ!

【編集者の談話 その4】
動機について考えているところがおもしろい。


こんにちは。
『ほぼ日の本』を、こう読んで欲しい、
という、著者と編集者の話を特集しておりますが、
ちょっと今日は、臨時のニュースが入ったばい。

作家の渡辺浩弐さんは、
『ほぼ日の本』の原稿を、
本になる前にプリントアウトした状態で
読んでくださったのですけども、
その感想をメールでいただいちゃいました。
掲載いたしますね。

あ、渡辺さんのプロフィールを、先に申し上げます。
1962年生まれです。
ハイテクカルチャーの領域を中心に、
映像や出版、ソフトウェアプロデューサー、
評論家、作家として活躍中なのです。主な著書には、
『1999年のゲームキッズ』(アスペクト)
『BLACK OUT』
『アンドロメディア』(幻冬舎)など多数。
株式会社GTV代表取締役。
GTVはゲーム製作、映像などを
やっているソフトメーカーです。

(渡辺さんのコメント)
「インターネット世界のエネルギー資源とは、
 株式市場でかき集めてきたお金でも
 大企業や有名人のブランド・バリューでもなく、
 『文化祭前夜のわくわく感』なのだった。
 その形のない、曖昧な微妙なものを、
 糸井さんは、うまくふわりとつかまえてみせてくれた。

  誰もが自分の本当に好きなことを
 好きだからこそ一生懸命にやっていて、
 それでみんなちゃんと生きていけるようになる
 ……そう思わせてくれる本。すごく元気が出ました!」


渡辺さん、ありがとうございましたっ。
では今日も、講談社田中さんの談話に移ります。
ビジネスをやっている人にも読んでもらいたい、
という前回の話にひきつづきのところです。

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【田中さんの談話 その4】

ちょうど、今回の本で言えば最後の章になるところは、
これから「ほぼ日」が、どうなっていくのか、
という話になるんです。
ここの場所は、これからの仕事の
ヒントにもなると、ぼくは思っているんです。

この本は、ほぼ日の物語として
仕事について語られているんですけれども、
別にほぼ日にだけあてはまる特殊なことではなくて、
これからの組織であったり、人との関係だったり、
ビジネスというか、はたらくことに関する
いろいろなことが詰め込まれていると考えています。

例えば、動機のある人が集まってくる、というのが
ほぼ日の理想である、という話が書いてあるんです。
もう、それは、昔のように、
異業種交流会がやたら流行った時期とか、
他人の名刺をたくさん持っているやつが
偉かったりとかいう、わけのわからない
つながりかたではない、と言っていますよね。
人を集めることに関して、お金でもなく、
まず動機についてちゃんと語ってくださっているのが、
読んでいるぼくには、とても新鮮だったんです。

これまで、仕事をしてきた人で、
動機だけでやってきている人なんて、いないから。

動機を中心にして人が集まれるのなんか、
たぶん、遊びくらいだろうなあ・・・いや、
今は遊びでさえも、誰にさそわれたから、とか、
そういう、動機がない状態なのかもしれないけど。
これからは、動機のある人どうしで集まろうよ、
と糸井さんが言い切っているのがおもしろいです。

「ほぼ日」であっても、違う場所でも、
動機のある人たちどうしで集まって、
動機がなくなったら、いったん別れて、
また違う動機ができたら、
もういちどつきあってもいいわけですよね?

そういうふうになっていったら、
そりゃあおもしろいだろうなあ、
と思いながら原稿を読んでいました。

お金があるよりも何よりも、
ひきつけるホラのあるやつが強いんだ、
というような話を聞かせてもらった時にも、
いろいろなヒントがありました。

人とのつきあい方だとか、
これから、仕事で何をしていきたいのか、とか。
糸井さんは、例えば企画として、昔に、
「月謝をとってバイトをしてもらう」
という試みをしたことをはじめとして、
人が何かをする時の動機の実験を、
たくさんしてきている人だと思います。

だから、動機について
これだけまとまった考えを言える。
・・・まあ、逆に言えば、糸井さんはこれから、
動機のないまま何かをしている人に対しては、
ますます、厳しくなっていくんだろうなあ、
とは、思いましたけど。


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(明日に、つづきますねっ)

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2001-04-11-WED

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