「ほぼ日刊イトイ新聞の本」が出るよ! |
【見本読み その4】 タダでできるシステムをどう作るか。 今日の内容は、昨日の 「クリエイターのまかないめしをもらおう」 に続けて、ほぼ日をはじめる前のイメージを 語っているところになります。 「カネがないから、知恵をしぼりだすしかない」 という話に、なりますよ。どうぞ。 -------------------------------------- 【タダでできるシステムをどう作るか】 一定の読者がつくコンテンツをつくることは、 なんとかできる自信はあったのだが、 まったく誰も知らないところではじまることだ。 あるにはあるけれど、 見てもらえないという時期が かなり長いこと続くことはわかっていた。 内容を問われる前に、 つぶれてしまうことだってありうる。 オソロシイことだなぁと、 どうして考えなかったんだろう、その頃は。 ある程度の数多くの人に認知してもらうためにも、 続けていくことが大切だけれど、 続けることが実は難しいはずだ。 それに、お金の問題で 立ち行かなくなってしまったらおしまいだ。 いままで考えないようにしてきた、 というよりは逃げてきた 経済や経営という問題を 考えていかなくてはいけない。 この新しい勉強は、なかなかむつかしそうだった。 いったん、銀座通りのような往来ができあがれば、 あちこちにほころびがあっても、 それなりに動いてはいけるだろう。 そこまでくれば何とかなるような気がした。 何がどう何とかなるのかは 正直に言えば見えてなかったが、 これはもう性格的なものだろう、 ぼくは妙に楽観していた。 いわゆる「ビジネスモデル」というやつを、 紙に書いて誰にでも説明できるほうがいい。 実は、それなりに、 なんどもノートに書き始めたりもしたのだ。 しかし、インターネットそのものが、 新参者のメディアだ。 いままでどおりの事業計画の成功と 同じように考えて「なるほど」と 納得されるようなことではないのではないか? いろんなネット関連の事業を横目で見ていて、 そのくらいは考えつくけれど、 はたしてそれでいいのかなぁと思っていた。 そういう疑問は、 スタートしてからもかなり長いことあった。 わかることからやる、それしかない。 まず、ホームページを見る人から お金をもらう有料サイトという方法を とるつもりはまったくなかった。 自分も、そういう料金を とられないということで、 インターネットって すごいなぁと思ったはずだから、 みんなもそうなんじゃないかと考えた。 しかし、見るときにお金は、通信料として ちゃんと支払われているのだ、電話会社に。 このあたりがタダになったら、 課金というシステムも、 おおぜいに納得されるかたちで 実現できる可能性もあるかもしれない。 次に、広告の媒体として、 ぼくのサイトを 組み上げていくという方法も、 あんまりリアリティがない。 だいたい、 まだ始まっていないような媒体には、 効果もないだろうし、広告目標も設定できない。 いままでのつてを頼って、 スポンサーを探して 広告を出稿してもらうことは できるかもしれないし、リスクも小さい。 だが、ぼくのやろうとしていることを 理解してくれて、 スポンサードしてくれる企業がなかったら、 やめておこうと思った。 広告料金を明確にして、 その料金を支払ってくれる会社の広告なら 断れない、というふうになるのでは いけないように思った。 つまり、それでは従来のやり方と変わらない。 結局パトロンのご機嫌をうかがい、 やりたいことがやれなくなってしまう。 それでは新しいメディアを わざわざ自分でつくる意味がない。 ずいぶん突っ張っているいるようだけれど、 ここのところは、考えがまとまるまでは 譲らないでおこうと決めていた。 しかし、考えてみれば、 この時点では断るまでもなく、 広告出稿したい企業なんか なかったはずだけれどね。 笑っちゃうくらい、 生意気なことを思っていたということだ。 はっきりしていることは、 金を使わなければ、 ひと月でも余計に生き永らえるということだ。 当面、タダでできることは、 すべてタダでやろうということだ。 カネがないから、知恵をしぼりだすしかない。 それこそが、 ぼくがコピーライターを続けているうちに 忘れかけていたことだったのだから、 無理にでもその方針でやっていこうと思った。 「タダでやっていける仕組みがつくれないか」 と、なにもかもを見直すことにした。 ------------------------------------------ (明日に、つづきます) |
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2001-04-11-WED
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