「三谷幸喜『12人の優しい日本人』を
東京サンシャインボーイズのメンバーを中心に
オンラインで生配信。」
そのニュースを見てから
ずっとわくわくしています。

個人的な話になりますが、
わたしは演劇を観ることが大好きです。
ですが、この状況です。
たのしみにチケットをとっていた公演が
先月くらいから次々に中止になりました。
「観たかった‥‥！」という残念さは拭えず、
同時に作品に関わる方々の気持ちを思うとやりきれず、
仕方のないこととわかっていながら
しょんぼりしていました。

ただ、だんだんと
いくつかの劇団は過去作品を配信をはじめたり、
俳優さんたちが自宅で録った映像を
SNSで発表していたり、と
あらたな動きが出てきています。

そこにばーんと飛び込んできたのが
今回のニュースでした。

三谷幸喜さんの『12人の優しい日本人』、
劇場で見た方もいらっしゃるでしょうか。
わたしは映画でしか見たことがありません。
だから、興奮しています。
なぜ観る前からこんなに熱くなっているのか、
そもそものこの作品のこと、
すこしご説明します。

三谷幸喜さんが中心となって活動していた
「東京サンシャインボーイズ」という劇団があります。

東京サンシャインボーイズは
1983年に旗揚げされ、
1994年から「30年間の充電期間」に入りました。
2009年に期間限定で復活したものの
また充電期間に戻ってしまいました。
充電期間に入った年に生まれて
リアルタイムで舞台を観ることが
叶わなかったわたしからすると、
伝説の劇団なのです。

『12人の優しい日本人』は
この劇団で書き下ろされた作品です。
初演は1990年。
その後３度も再演されていることからも
かなりの人気公演だったことがわかります。
1991年には映画化もされています。

ここからは映画しか見ていない人による
解説になってしまうことをお許しください。

この作品は
「日本に陪審員制度があったら？」という設定で描かれる
ワンシチュエーションコメディです。
（その頃は裁判員制度もありませんでしたから）
選ばれた12人の市民が
ひとつの部屋に集まって、
有罪なのか、無罪なのか、話し合う。
そう、とてもシンプルなんです。
場所も移動せず、時間も飛ばずにただ流れ、
それだけなのに、なんでこんなにおもしろいのか！

魅力は、もう、その12人の会話です。
ばらっばらでクセの強い12人が
ずっとしゃべりつづけます。
強情な人、すぐなびく人、仕切りたがりな人‥‥
そのやりとりには、まあイライラします。
でも、この濃さがおもしろい。
そして、ずっとただようだけのように思えた物語は
ちゃんと展開していきます。
ストーリーも上質です。

さて。あらためて、今回。

『12人の優しい日本人』の魅力は
それぞれの12人の人柄と
そこでうまれる会話のおもしろさなのですから、
この作品は朗読の配信でも
たっぷりと味わえると思うのです。
（zoomでひと画面に集まるので
きっと表情もたのしめますね）

しかもその役者は
「12人の優しい日本人」が
1990年と1992年に
舞台で上演されたときの
「東京サンシャインボーイズ」のキャストが中心です。
この作品をこのメンバーで。
もう見られないと思っていた演劇が見られる！
すごいことだと思います。

ああ、心からたのしみです。
連休最終日の5月6日（水）、
前半は14:00～、後半は18:00～。
よろしければ、いっしょに見ませんか。
ご都合のつかない方も
アーカイブで残るようなので、ぜひ。

とても長くなってしまいましたが、
最後にもうひとつだけ。
発起人であり、出演もされる
近藤芳正さんのコメントもとてもいいんです。
ぜひこちらからお読みください。