HOLAND
オランダは未来か?

「ホ 〜!ラント」第2回目

第1回の文章の訂正があります。
「アート・ポルノ」は、ズートという男性と
ジャネットという女性を核にしたパフォーマンス集団です。
そのズートを「アナーキスト」と書いたのは、
「元アナーキスト」の間違いで、
現在は「絵描き・アンド・ミュージシャン」です。
もうひとつ、
インタビューに答えていただいているお縄パフォーマーの
妖艶なる女性は、「椿さん」と書いてしまいましたが、
「ツバキ」と書くのが正しい表記でした。
以上、私の勘違いでした。謹んで訂正します。
(現在は訂正してあります。)
では、いよいよ第2回。これから突入しま〜す!

ツバキさんは、
オランダでジャネットの部屋に居候させてもらい、
ほぼひと月の間ジャネットやズートと
毎日一緒に過ごしてきたそうです。
だからツバキさんと彼らは大の仲良しで
今もメールで文通をしています。
では、ツバキさんへの
インタビューの続きをお楽しみください。

----------------------------------------

お縄パフォーマー・ツバキさんの話シリーズ 2
【アホでエッチなパフォーマンス集団、
アート・ポルノとは何か?】
(縄というのが、ツバキさんの発言です)
「第1回目のインタビューで出てきた、
ジャネットのアソコに牡蠣を乗せて
お客に勧めるパフォーマンス、
あれはタイトルは何なんですか?」
「あれは、『オイスター・バー』」
「他にどんなパフォーマンスをするんですか?」

「ジャネットのアソコに、マイクを入れるのがある」

「またアソコを出しちゃうんですね」

「彼らのパフォーマンスは、ほとんど出すのよ。
それから、ズートも下腹部の左右に小さな
マイクをテープで付けるの。
もちろん下半身は脱いで丸出しで。
それで、ふたりが踊るの。
それでジャネットがお腹を叩くと、
アソコの中のマイクから
(ぽこぽこぽこぽこ)というマヌケな音が
アンプからリズミカルに響くわけ。
ズートの方は、腰を前後に振るような
昔のディスコティックみたいなダンスをするのよ。
そうすると、ほら、
ズートっておちんちんがスッッッゴク大きいから」
「ああ・・そうなんでしょうねえ。
奴等にはかなわないよ・・」

「大きいから、腰を振るとおちんちんが、
ぴたんぴたんとお腹を打つわけね、振り子のように。
その音も大音量でアンプから流れるの」

「さぞやご立派なものをお持ちなんでしょうね・・・。
それは何というタイトルの
パフォーマンスなんですか?」
「『デジタル・ジェニタル』っていうの。
ジェニタルは『陰部』。
そのパフォーマンスの途中で、
ズートのマイクが片方外れちゃったの。
そしたらそのマイクを
ジャネットがズートのお尻の穴に挿し込んだの。
そしてズートのお尻を叩き出したの。
そしたらアンプから(ぼこぼこぼこ)
というくぐもった音が流れて、
お客は大喜び」
「アハハハ。しょうがねえなあ」
「『ピス・ピラミッド』っていうのもあった。
ピスは『おしっこ』ね。
組み体操でピラミッドを作って、
みんなで一斉におしっこをするの」
「ありゃまあ。
シャンペンのグラスをピラミッドにして、
上から注いでだんだん
下へ流していくのがありますよね。
それのおしっこ版みたいですね。
それにはジャネットも参加するんですか?」
「ジャネットとズートは必ず参加するわ。
でもピラミッドを作るには最低6人は必要でしょ。
でも、私が見た時は、
5人しかメンバーが集まらなかったの。
でも、彼らはぜんぜん平気で
並んでパフォーマンスを始めたの。
男3人がしゃがんでおしっこして、
その後ろで残り2人が立ってしてるわけ。
オイオイ!それはピラミッドじゃないだろ!っていう。
そういうところは彼らはいい
加減というか気にしてないのよ」
「ただの連れションじゃねえか!って感じですね。
でも、相手におしっこをかけちゃって、
おしっこまみれになっちゃうんですか?」
「そう。そのうえジャネットなんか、
下に溜まったおしっこを頭からかぶってたもの。
それでタオルで拭いただけで中華街のレストランに
お食事に行っちゃうし」
「えらく開けっぴろげな連中ですねえ」
「うん。いい奴らなんだよ。
彼らのこういうパフォーマンスは、
ほのぼのとした雰囲気で明るく行われるのね」
「ほ〜!
それは面白いですね。
日本だとこの手のパフォーマンスは、
とんがったっていうか、
露悪的なつっぱらかった感じになりがちですよね。
彼らは年はいくつなんですか?」
「ズートは38くらいかな。
ジャネットは35くらい」
「おっさんおばさんじゃないですか。ほ〜!」
「彼らはアムスの
アーティストの中では有名人なのよ。
テレビにもよく登場するし、ズートはインテリで、
彼らの理解者の
大学の教授なんかと議論したりしてるし」
「私は、アート・ポルノの人たちは
アムステルダムやオランダの社会について、
何かまともに考えてるところが
あるような気がしますね。
アソコを出しながら。
これだけのバカは、
やはりバカには出来ないって気がするんですよ。
そのへんはどうなんでしょうか?
彼らの考えてることって何なんですかね?」
「彼らはアート論を語り出したら
止まらないってところがあるのね。
その大学教授なんかと語り合ってるのを聞いてても
心理学やら哲学やら思想やら、
難しい言葉を使ってガンガン議論ををしてるの。
でもあたしには言葉が難しすぎてよく分らない」
「ほ〜!
じゃあやっぱりそうとう考えたりした上で、
アソコ出してるんですね。
日本だとビートたけしなんか、
よくちんちん出してたじゃないですか」
「うん。北野武の映画は、
彼らもアムスのアーティスト連中も
すごく興味もってた。
まだ『HANA−BI』が公開前だったから
予告編みたいの見てただけみたいだったけど。
タランティーノと小津の融合だなんて、
わけのわかんないこと言ってたわ」
「アート・ポルノとビートたけしか。
(ちんちんつながり)はありますね。
でも彼らが何を考えているのかって
興味がありますね。
だけども彼らのパフォーマンスは、
言葉よりアクションですね。
パフォーマンスはほとんど無言でやるんですか?」
「そうね。パフォーマンスではあまり喋らない。
彼らは発想がとても面白いのよ。
ミーティングしてるのを見てても
ポンポン面白い発想が飛び出して、
それやろうぜ!ってすぐ盛り上がる。
でも計画倒れのものも多いけどね。
ま、直感打ち上げ花火的な人々ですから。
私の好みから言うと、彼らのパフォーマンスは
アクションは凄いと思うけど、演出的な意味では
出たとこ勝負で
いい加減なところが気になってしまう。
そういう意味では
『オイスター・バー』っていうパフォーマンスは
ファッション的にも、動作としても、
ちゃんと作り込んであって綺麗なのよ。
舞台にしたレストランも美しかったし。
私は『オイスター・バー』が綺麗で一番好き」
「アート・ポルノのいい加減さっていうのは、
パンクに似てるんですかね?
パンクって完成度というものは
ハナから考えていないでしょ。
それよりインパクトですよね」
「そう、パンクなのね。
私はひと月、彼らと一緒にいて分ってきたんだけど、
彼らにとっては行動がアートなのよ。
今現在生きてる自分たちがアートなのね。
そう考えてるとしか思えないな」

----------------------------------------

アムステルダムのクラブで、街頭で、
アソコを出しながら、ほのぼのと明るく、
かつ大胆不敵にパフォーマンスを続けるアート・ポルノ。
彼らは、アムスのアーティスト界での有名人なのだそうです。
彼らはなかなか奥が深い。
もう少し、彼らの話を続けます。次回もやっぱり下品です。
今回はこんなところで勘弁しときましょう。

1998-08-23-SUN

BACK
戻る