お縄パフォーマー・ツバキさんの話シリーズ
2
【アホでエッチなパフォーマンス集団、
アート・ポルノとは何か?】
(縄というのが、ツバキさんの発言です) |
私 |
「第1回目のインタビューで出てきた、
ジャネットのアソコに牡蠣を乗せて
お客に勧めるパフォーマンス、
あれはタイトルは何なんですか?」 |
縄 |
「あれは、『オイスター・バー』」 |
私 |
「他にどんなパフォーマンスをするんですか?」 |
縄 |
「ジャネットのアソコに、マイクを入れるのがある」
|
私 |
「またアソコを出しちゃうんですね」
|
縄 |
「彼らのパフォーマンスは、ほとんど出すのよ。
それから、ズートも下腹部の左右に小さな
マイクをテープで付けるの。
もちろん下半身は脱いで丸出しで。
それで、ふたりが踊るの。
それでジャネットがお腹を叩くと、
アソコの中のマイクから
(ぽこぽこぽこぽこ)というマヌケな音が
アンプからリズミカルに響くわけ。
ズートの方は、腰を前後に振るような
昔のディスコティックみたいなダンスをするのよ。
そうすると、ほら、
ズートっておちんちんがスッッッゴク大きいから」 |
私 |
「ああ・・そうなんでしょうねえ。
奴等にはかなわないよ・・」 |
縄 |
「大きいから、腰を振るとおちんちんが、
ぴたんぴたんとお腹を打つわけね、振り子のように。
その音も大音量でアンプから流れるの」
|
私 |
「さぞやご立派なものをお持ちなんでしょうね・・・。
それは何というタイトルの
パフォーマンスなんですか?」 |
縄 |
「『デジタル・ジェニタル』っていうの。
ジェニタルは『陰部』。
そのパフォーマンスの途中で、
ズートのマイクが片方外れちゃったの。
そしたらそのマイクを
ジャネットがズートのお尻の穴に挿し込んだの。
そしてズートのお尻を叩き出したの。
そしたらアンプから(ぼこぼこぼこ)
というくぐもった音が流れて、
お客は大喜び」 |
私 |
「アハハハ。しょうがねえなあ」 |
縄 |
「『ピス・ピラミッド』っていうのもあった。
ピスは『おしっこ』ね。
組み体操でピラミッドを作って、
みんなで一斉におしっこをするの」 |
私 |
「ありゃまあ。
シャンペンのグラスをピラミッドにして、
上から注いでだんだん
下へ流していくのがありますよね。
それのおしっこ版みたいですね。
それにはジャネットも参加するんですか?」 |
縄 |
「ジャネットとズートは必ず参加するわ。
でもピラミッドを作るには最低6人は必要でしょ。
でも、私が見た時は、
5人しかメンバーが集まらなかったの。
でも、彼らはぜんぜん平気で
並んでパフォーマンスを始めたの。
男3人がしゃがんでおしっこして、
その後ろで残り2人が立ってしてるわけ。
オイオイ!それはピラミッドじゃないだろ!っていう。
そういうところは彼らはいい
加減というか気にしてないのよ」 |
私 |
「ただの連れションじゃねえか!って感じですね。
でも、相手におしっこをかけちゃって、
おしっこまみれになっちゃうんですか?」 |
縄 |
「そう。そのうえジャネットなんか、
下に溜まったおしっこを頭からかぶってたもの。
それでタオルで拭いただけで中華街のレストランに
お食事に行っちゃうし」 |
私 |
「えらく開けっぴろげな連中ですねえ」 |
縄 |
「うん。いい奴らなんだよ。
彼らのこういうパフォーマンスは、
ほのぼのとした雰囲気で明るく行われるのね」 |
私 |
「ほ〜!
それは面白いですね。
日本だとこの手のパフォーマンスは、
とんがったっていうか、
露悪的なつっぱらかった感じになりがちですよね。
彼らは年はいくつなんですか?」 |
縄 |
「ズートは38くらいかな。
ジャネットは35くらい」 |
私 |
「おっさんおばさんじゃないですか。ほ〜!」 |
縄 |
「彼らはアムスの
アーティストの中では有名人なのよ。
テレビにもよく登場するし、ズートはインテリで、
彼らの理解者の
大学の教授なんかと議論したりしてるし」 |
私 |
「私は、アート・ポルノの人たちは
アムステルダムやオランダの社会について、
何かまともに考えてるところが
あるような気がしますね。
アソコを出しながら。
これだけのバカは、
やはりバカには出来ないって気がするんですよ。
そのへんはどうなんでしょうか?
彼らの考えてることって何なんですかね?」 |
縄 |
「彼らはアート論を語り出したら
止まらないってところがあるのね。
その大学教授なんかと語り合ってるのを聞いてても
心理学やら哲学やら思想やら、
難しい言葉を使ってガンガン議論ををしてるの。
でもあたしには言葉が難しすぎてよく分らない」 |
私 |
「ほ〜!
じゃあやっぱりそうとう考えたりした上で、
アソコ出してるんですね。
日本だとビートたけしなんか、
よくちんちん出してたじゃないですか」 |
縄 |
「うん。北野武の映画は、
彼らもアムスのアーティスト連中も
すごく興味もってた。
まだ『HANA−BI』が公開前だったから
予告編みたいの見てただけみたいだったけど。
タランティーノと小津の融合だなんて、
わけのわかんないこと言ってたわ」 |
私 |
「アート・ポルノとビートたけしか。
(ちんちんつながり)はありますね。
でも彼らが何を考えているのかって
興味がありますね。
だけども彼らのパフォーマンスは、
言葉よりアクションですね。
パフォーマンスはほとんど無言でやるんですか?」 |
縄 |
「そうね。パフォーマンスではあまり喋らない。
彼らは発想がとても面白いのよ。
ミーティングしてるのを見てても
ポンポン面白い発想が飛び出して、
それやろうぜ!ってすぐ盛り上がる。
でも計画倒れのものも多いけどね。
ま、直感打ち上げ花火的な人々ですから。
私の好みから言うと、彼らのパフォーマンスは
アクションは凄いと思うけど、演出的な意味では
出たとこ勝負で
いい加減なところが気になってしまう。
そういう意味では
『オイスター・バー』っていうパフォーマンスは
ファッション的にも、動作としても、
ちゃんと作り込んであって綺麗なのよ。
舞台にしたレストランも美しかったし。
私は『オイスター・バー』が綺麗で一番好き」 |
私 |
「アート・ポルノのいい加減さっていうのは、
パンクに似てるんですかね?
パンクって完成度というものは
ハナから考えていないでしょ。
それよりインパクトですよね」 |
縄 |
「そう、パンクなのね。
私はひと月、彼らと一緒にいて分ってきたんだけど、
彼らにとっては行動がアートなのよ。
今現在生きてる自分たちがアートなのね。
そう考えてるとしか思えないな」 |