「ホ ~!ラント」第4回目
ごぶさたいたしておりました。
ちょっとコレのアレがナニでね。
大変なんすよモ~~。でも、もうダイジャブ。
オランダ話ガンガン進めます。
オランダの歴史の本を読んだんですけど、
オランダの歴史はめちゃ面白いんですよ。
「ダイ・ハード」みたいな
息をもつかせぬ展開の映画のことを、
ジェットコースター・ムービーと言うでしょ。
オランダの歴史はいわば
ジェットコースター・ヒストリーですよ。
世界一の大帝国の時代、
血で血を洗う凄まじい独立戦争の時代、
ナチスドイツの占領下におかれた
悲惨な時代などなどなど。
九州ほどのヨーロッパの小国が、
嵐に揉まれる船のように
ありとあらゆる体験をなめていきます。
そしてそれは前後左右に
強国のひしめく過酷な環境であるために、
単なる支配者の政権交代の歴史ではなく、
オランダの庶民全部が
いやおうなしに巻き込まれていく歴史のようです。
いずれオランダの歴史についても、
それ相当の知識を持った方に
インタビューさせてもらおうと思っています。
お楽しみに。
ではおなじみ、お縄パフォーマー。
妖艶なツバキさんの話から。
ツバキさんの話は
開けっぴろげなパフォーマンス集団
アート・ポルノの話から、
次第にアムステルダムの町の話に移っていきます。
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お縄パフォーマー・ツバキさんの話シリーズ
4
【アホでエッチなパフォーマンス集団、
アート・ポルノとは何か?】
(縄というのが、ツバキさんの発言です) |
私 |
「アート・ポルノのパフォーマンスの内容は
教えてもらったんですけど、
彼らはアムステルダムの中では
どういう存在なんですかね。
有名人なんですか?」 |
縄 |
「けっこうオランダ国内で有名人。
テレビにもよく登場するし。
コンピューター会社のショーにも
誘われてるって言ってた。
CDや写真集も出すらしい。
けっこうスゴイのよ彼らは」 |
私 |
「ほ~!
知る人ぞ知るアーティストなんですね」 |
縄 |
「ゲイ・オリンピックっていうのがあるの。
それに彼らが出たら大好評を博して、
いろんなところでやることになったって言ってた」
|
私 |
「ゲイ・オリンピック? そ
れは世界中でやるんですか?」
|
縄 |
「そうなんじゃない?
それを今回はアムスでやったの。
それ見たかったんだけど見れなかった」 |
私 |
「スポーツの祭典なんですかね」 |
縄 |
「スポーツもするし、
Tバックやビキニでパレードもするし、
パフォーマンスもあるし。
世界中のゲイが集まるお祭り。
でも、アムスでは
毎年ゲイのお祭りみたいなのがあるらしいのね。
ゲイニュースっていうカラー刷りの立派な新聞見たら
そんなことが書いてあった」
|
私 |
「アート・ポルノの皆さんはゲイなんですか?」 |
縄 |
「ズートとジャネットはバイね」 |
私 |
「バイって言うと、両刀。
後ろから前からどうぞですね。
バイっていうのは、つまり目の前の人間は誰でも
一応セックスの可能性はあるってことですよね」 |
縄 |
「好き嫌いはあるわよ」 |
私 |
「そりゃそうでしょうけど。でもスゴイなそれは。
世界が違いますよね。
アート・ポルノは生きてること自体が
パフォーマンスだとすると、バイだっていうことは
そうとう大きなことだって気がしますね。
バイかあ・・・
バイって未来なのかなあ。
ところで
アート・ポルノはパフォーマンスで
食ってるんですか?」 |
縄 |
「パフォーマンスだけじゃ食えないみたい。
それぞれテキトーに仕事してるみたいよ。
ジャネットは世界を渡り歩いた女だから
何カ国語も出来るんで
翻訳の仕事とか、人のうちの掃除の仕事したりとか。
でも、彼らは国からお金をもらってもいるのよ」 |
私 |
「国からお金をもらってる?
アソコに牡蠣を乗せたりしたりして?」 |
縄 |
「オランダっていう国は
芸術にお金を出す国なのよ。
私は絵を描いてますとか音楽をやってますとか
申請書を出すとお金が出るらしい」 |
私 |
「日本じゃとうてい
考えられないですねそれは。ほ~!」 |
縄 |
「モンドリアンっていう画家がいるでしょ。
モンドリアン基金っていうのがあるの。
アート・ポルノの連中が
私とパフォーマンスを一緒にやろうって言って、
私はお金ないよって言ったら、
大丈夫だよ
モンドリアン基金があるからって言われて。
それで大きなフリースペースがあって、
交通費も出て宿泊施設も食事も揃ってるの」 |
私 |
「アゴアシつきってやつじゃないですか?
甘やかしてるなあ」 |
縄 |
「だからアーティストですって言えば、
なんとか食っていけるみたい。
オランダじゃ4割くらいの人が
ロクに働かないで暮らしてるらしいよ」 |
私 |
「え? そういう芸術家保護とか、
つまり生活保護を受けてるんですか?」 |
縄 |
「らしい。
だからアート・ポルノも
ロクに働いてないんだけど、
それでも充分暮らせるわよ~ん、って言ってて、
この間もタイに1ヶ月以上行ってた」 |
私 |
「ほ~! 福祉ってやつですね」 |
縄 |
「だから企業とかは凄く税金取られてると思う。
金持ちから金を取るっていう
行政なんじゃないかな。
オランダは半分共産国のような感じがある」 |
私 |
「それも未来なんだろうか?」 |
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大袈裟なことを言うようだけど、
人間って進歩すればより良いものになる、
とは限りませんよね。
でも、いやおうなしに進歩しちゃいますよね。
あれよあれよという間に。
進歩という言葉が嫌なら、
変化でも進行でもいいですよ。
オランダはたぶん多くの面で日本より進歩してる。
もちろん日本の方が
進歩してるところもあるでしょうけどね。
でも進歩してることは、
地獄の1丁目から2丁目に進むことかもしれない。
でもいやおうなしに2丁目に行くのだとしたら、
2丁目のことも知っておいたほうがいい。
そして2丁目の人々は2
丁目の現実にどう取り組んでいるのか、
それを知りたい。そんな気持ちもあるんです。
ちょっとダウナーなムードで、
「ホ~!ラント」からヨダがお伝えしました。
また次回~。
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