二匹の小魚が3度も夢に出てきたことがある。
小魚がことさら好きというわけでも、
また友だちでもないのに、だ。
その最初の夢は1995年頃だった。
南国のコテージのテラスで、
デッキチェアにもたれ昼寝をしていた。
そこに小さな魚が2匹、スイスイと空中を泳いで、
日よけの簾のすき間から入ってきたのだ。
その2匹は「サワ〜ッ」と優しくぼくの頬を掠めて
何処かへと消えていった。 |
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次に見た夢は2004年の10月28日だ。
小魚が2匹、机の上に乗ってる。食べるんだろか?
イヤイヤ。なんだかまだ生きてるようだが、
苦しそうにピクピクしてる。
このままではいけないと思い、
咄嗟に水槽になるようなものをキッチンで探すと、
丁度よいガラスの箱があった。
それに水を溜め、魚を放すと、2匹は泳ぎ出す。
そして今回の「ジョン・ウェイン」に
3度目が出てきたのだった。
スケッチブックに2匹の小魚で「月」という字を書くが、
はじけて飛び出すというものだ。
どの夢も2匹の小魚なのが不思議だったが、
ある日、その原因らしきモノを発見したのだ。
小さな化石が家の隅にあり、
今まで気にしていなかったのだが、
それを見ると2匹の小魚が石に埋まっているではないか。
幸い、化石には解説書が添付されていたので、
その出自を知ることができた。
それにしても何故その小魚は夢に度々出てきたのだろうか。
化石という存在の不思議に惹かれてしまった。
この世に死んだモノなどないのかもしれない。
いや、言い換えれば死んだモノも生きている。
「魚化石ナイディア」
グリーンリバー層という、
アメリカ中西部ワイオミング・コロラド・ユタ州の
湖に堆積した、第三期始世紀(500万年)の地層がある。
この化石はワイオミング州南西部より採集された
ニシン科に属するもの。
この地層からはワニ、亀、ヘビ、昆虫などが
発見されている。 |
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イラストレーション:奥原しんこ |
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