その2257
あるところに甲と乙があって、
甲の言ったことが
乙にはうまく伝わらなかった。
ところが乙はこれを独自に解釈した。
そして甲へ返した乙のことばが
意味不明ならかえって流れは理解へ向かうが、
偶然にもそれは甲にとって意味が通った。
そのようなやり取りがしばらく進むと、
これは、まったくもって見事な
「かみ合わない会話」となる。
たとえるなら、以下のようなものである。
「言いまつがい」を投稿する
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子供がまだ学生だった頃の話です。
子供からメールで
「俺、スイカ拾った」と来たので、
へぇ〜〜と思い、返信。
私 「そりゃ大変だったでしょう」
子供「そうでもないけど‥‥
   どうしよう、どこに届ければいい?」
私 「う〜ん、生ものだし
   食べちゃった方がいいんじゃない?」
子供「?」
私 「だけどよく拾ったね‥‥
   割れてなかった?」
子供「スイカじゃないよ、Suicaだから」
私 「うん、スイカでしょ」
‥‥こんなメールが延々と続き、
ついに子供から電話が。
そうです、私の住んでいるところは
電車は1時間に1本、当然、私は、
Suicaも知らない田舎ものです‥‥。
(なおこ)

主人が庭から呼びました。
主人「ここに鉢植えで買ってきた
   リンドウを植えたんや。
   なかなかいい場所やろ‥‥」
私 「えっ、ミント?
主人「うん、リンドウや」
私 「ほんまにそこにミント植えたん?」
主人「そうや。今日買ったリンドウ‥‥」
私 「そんな所にミントを直植えしたら
   庭じゅうミントだらけになるから
   早く抜いて鉢に戻して!!」
主人「えっ、リンドウって
   そんなにはびこるんか?」
私 「この前、ミントは鉢に植えるって
   言ってたやん!! もおっ!!」
‥‥この会話には言いまつがいはありません。
が、ふたつの聞きまつがいに
最後までお互い気がついていません。
主人が汗だくになって再び植え替えた後で
みごとなまでの聞きまつがいに苦笑いでした。
(イブママ)

子育てが一段落して再就職した際、
給与振込みに必要だからと
口座を開きに銀行に行ったときのこと。
窓口業務にあたっておられた
男性行員との会話です。
私  「今日口座を開けば、
    今月から振込みにしてもらえますか?」
銀行員「会社によってまちまちですが、
    おそらく大丈夫だと思いますよ‥‥。
    (PCの画面を見ながら)
    ○○さん(私のこと)、
    25くらいですか?」
私  「そんな〜(嬉々として)!!
    もうお上手ですね〜!
    私、35才なんです〜!」
銀行員「‥‥あ、いえ、お勤め先の
    給料日をお聞きしたのですが‥‥」
あつかましいにも程がありました‥‥。
その銀行には二度と行っていません。
(現在40才)

中学の時の友達との会話です。
いつも一緒に学校に通っていた時の事。
私「明日から4連休やね」
友「え? せんめんき?
私「4連休!」
友「ヨロレイヒ〜?
なんか、まったくかみ合ってなかったです‥‥。
(もぅ大学生)
どのようなものでもけっこうです。
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イラスト:しりあがり寿
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2010-04-20
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN