すべての子どもたちは
美しい名前を持っています。
ひとりずつひとつ、かけがえのない名前を。
ところが、その燃える命ともいえる名前は
しばしばよその誰かによって
あっさりと、しかもやや滑稽な感じで
「まつがわれて」しまうのです。
そんなわけさ! 「名前の言いまつがい」特集!
あなたの名前はいかがですか?
どうぞ、最後までおたのしみください。 |
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私の名前は「加奈子」です。
大学生のとき
アルバイト代をもらったお給料袋に
「○○加茶子様」と書かれていました。
調べてみると遡ること3ヶ月、
「加茶子」でした。
全然気づかなかった!
ぱっと見わからないよね。
(加奈子と加茶子) |
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小学生の頃、自宅の電話に出た私は
目を輝かせて父に電話を取り次ぎました。
「カモシカさんから!」
父の友人の名は青鹿さんです。
(おとぎ話大好き) |
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友達の「我有(がう)」さんは、
銀行で、
「われありさ〜ん」と呼ばれて、
「あ、はい」と当然のように対応してました。
いつも、読みまつがわれているんだろうな‥‥。
我有さんとは同じ会社の同期だったのですが、
新入社員歓迎会で酔っ払った社長から、
「ガウー!」とか言われて、
ちょっとかわいそうでした。
その会社は2年後に潰れましたけど。
(がうりん) |
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以前、啓子さんという方が
名前を説明する時、最後の手段で 「谷啓の『啓』」と説明したら
わかってもらえるとありましたが、
我が家もそうです。
ウチの父は「肇」という難しい漢字で、
説明する時非常に苦労します。
しかし「ハナ肇の『肇』です」と言うと、
ほぼ9割の確率でわかってもらえます。
そしてやっぱりウチもこれは最後の手段です。
(クレイジーキャッツ) |
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姉が結婚して間もない頃の話。
結婚して変わった姓は「吉川(きっかわ)」。
ある時、電話で相手の方に
姓の漢字を伝えようとしていました。
相手「お名前を教えていただけますか?」
姉 「きっかわ○○です」
相手「きっかわは菊川でよろしいですか?」
姉 「いえ、大吉の吉に3本線の川です」
相手「大吉の大に川ですか?」
姉 「え? いえ、大吉の吉のほうです」
相手「ああ! よしかわ(吉川)様ですね!」
姉 「いいえ、『きっかわ』! です」
どんだけ間違えるんですか‥‥。
(今は「吉川晃司の吉川」) |
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アメリカからの留学生が我が家に
ホームステイしていたころの話です。
当時高校生の私と彼女(留学生)が
駅で電車を待っていたとき、
私の中学の同級生二人とばったり会いました。
二人は彼女に英語で自己紹介。
それを聞いた彼女は戸惑っています。
私はそれを見て
「何で?」と思いましたが、気がつきました。
同級生二人の名前は「愛」と「優」。
英語での自己紹介が
「My name is I.(アイ)」
「My name is you.(ユウ)」
に聞こえてしまったんですね。
「私の名前は私です」
「私の名前はあなたです」
って言われても、それは戸惑います。
(味噌はドイツ語でも「miso」) |
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自分の名前を 「Eウスケ」
と書いてしまったことがあります。
「あれ、なんか違うなぁ」とは思ったんですが、
しばらく気づかなかったおバカな僕です。
(ヨウスケ) |
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名前にかぎらずいろんな「言いまつがい」、
募集していますとも。
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それでは、また明日、お会いしましょう。 イラスト:しりあがり寿 |