(※以下のテキストはマツザキが卒業直前の
3月下旬ごろに書いたものです。)
こんにちは。
ほぼ日でインターンをしているマツザキです。
ぼくはこの春に大学を卒業し、社会人になります。
それにともない「ほぼ日」も卒業です。
ぼくはこの1年、大学に通いながらも、
毎日のように「ほぼ日」に来ていました。
また、この1年の間には就職活動もあり、
「就職」とか、「社会人になること」について
考えることが多くなったように思います。
そして今年の2月ごろ、
ぼくは「ほぼ日」に通いながら、
毎日が「繰り返し」のように感じて、
漠然と「社会人ってこんな感じなのだろうか」と
思うようになりました。
「ほぼ日」での日々が、本当に
繰り返しだったわけではありません。
ただ、ぼくは自分の責任で
大きな企画を担当することはなく、
ミーティングに参加したりすることも少なかったので、
朝同じ時間に起きて、会社へ行って、
原稿を書いて、という日々が多く、
結果として「繰り返し」という実感が
生まれたのだと思います。
そのときぼくは、
「青春が終わるのかな?」と
ハッとしたのです。
就職活動で感じた窮屈さ、
社会人の先輩たちの
「社会人は大変だ」という声、
直前に迫った社会人生活への不安。
ぼくのなかに少しずつ
積み重なっていたそういった要素と、
「繰り返し」という実感とが合わさって、
「青春が終わるのかな?」という疑問が
自然と出てきたのでした。
ただ、ぼくは、社会人になることを、
絶望的に感じているわけではありません。
「どうしても、はたらきたくない」などとは
思っていません。
ただ、「青春が終わるのかな?」と
ハッと気づいたとき、
喪失感のようなものを感じたのです。
そのうち「本当に終わってしまうのかな?」とか
「社会人になってからは青春のようなものを
実感することがないのかな?」とか、
そういう疑問が、自分の心のなかで
大きくなっていきました。
そんなとき「卒業前に何かコンテンツを作ったら?」と
永田さんから提案があったので、
コンテンツになるかならないかは見えないまま、
ぼくはこの「青春が終わるのかな?」という
疑問について話しました。
すると、永田さんから、
「そういう気恥ずかしいことも話せる人と、
お互いが思っていることを
話してみたらいいんじゃない?
そして、そこで話したことを持って、
糸井さんのところに行こうよ。」
との返答があり、
ぼくは「ほぼ日の塾」1期生の
かつなりくんにお願いをして、
話をすることにしました。
かつなりくんは、歳はぼくの1つ下ですが、
この春大学を卒業し、社会人になります。
物静かで、深く考えずに
何かを話すことはあまりない人で、
「『青春』のことを話すなら、この人」
とすぐに決めました。
過去には「ほぼ日」で
『ぼくは恋愛が上手になりたい』
というコンテンツを作ってくれたこともあります。
ぼくとかつなりくんは「ほぼ日の塾」の同期で、
塾のプログラムが終わった後も、
たまにご飯を食べに行っては、近況を報告しあったり、
そのときに考えていることを話したりしていました。
そのなかには、自然な流れで、
「大学を卒業して社会人になること」
についての話をしたことがあったと思います。
今回ぼくたちが話した場所は
「ほぼ日」オフィスの会議室。
ぼくらは公園のベンチに座るように、
長イスに横並びに座って、話し始めました。
「不安も期待も両方です」
かつなりくんが話したその言葉は、
たぶん、ぼくたちにとって、
この話のまとめとして
それ以外に言いようがない、というものでした。
はっきりとしない言葉ではありますが、
だからこそ、ぼくとかつなりくんは、
いま、それについて
考えていたのだと思います。
この話を、糸井さんと
話した後に思い出したとき、
あるいは、もっともっと時間が経って、
数年、数十年経ったあとに思い出したとき、
もしかしたら、ぼくは、
「何を話してたんだか」と
恥ずかしく思うかもしれません。
それでも、かつなりくんと話した直後、
「いま、話せてよかった」と思ったことを、
忘れないようにしたいと思います。