ジョージ スポーツウェアの定義なんだけど、
アメリカの東海岸とかヨーロッパは
狩猟とかの服装がルーツなのね。
ところが日本でスポーツウェアって言うと
ゴルフの格好になっちゃう。
だから海外のパーティで
スポーツウェアでいらしてください、
って、日本人が呼ばれると、
トンチンカンなことになっちゃうんだって。
そういうときはゴルフウェアはノンノンよ!

── ポロシャツはいいんでしょうか。

ジョージ 大丈夫よ。ポロは乗馬系だから。
英国の
ギーブス&ホークス(Gieves & Hawkes)なんて
完全に狩猟系ですもの。
もともとの英国のゴルフウェアだったら
狩猟ぽい感じなんだけどね。
ニッカポッカをはいてみたり。

── ほんとうにゴルフのコーナーが充実していますね。



ジョージ ああボクってゴルフをしなくて済む人生
選んでしまったのね!
車があって、同じ仲間と休みをともにする、
そんな人生は、もう手に入らないんだわ。
‥‥って、このフロアに来ると思ったりするの。

── ゴルフって、仕事上、
やらなきゃいけないという人もいますよね。
会社主催のコンペがあるだとか、
新人はゴルフ場に
お世話にかり出されもしたり、
そういうこともあると聞きます。
ジョージさんはそういうことは
なかったんですね。

ジョージ なかったのよー。
なんせ大学のとき
男子チアリーディング部だったんだもの。

── こちらはアウトドアウェアですね。
プロモーションコーナーには
サマーフェスなんかによさそうな
デザイン性の高いものが揃ってます。
寝袋なんかもちゃんとかわいいのがあって。



ジョージ 山登りっていうより新宿御苑って感じね。
こういう系がすきな女の子いるわよね。
マヤマヤみたいな感じのね!
髪の毛をねじりんぼうにしがちな。

── 林マヤを「マヤマヤ」って呼ぶの、
ひさしぶりに聞きました‥‥。

ジョージ あらっ。ヒョウ柄
ボクの野望、それは、
いつか、ヒョウ柄が着れるようになること!



── このコーナーは、
男性ものばかりではないんですね。

伊勢丹の人 はい、プロモーションによっては
女性ものがあるときもございます。
ゴルフグッズは紳士・婦人ともに
このフロアで取り扱っています。

── さて、こちら側は‥‥
「スーパーメンズフロア」。



ジョージ スーパーメンズフロア、
なつかしいわーっ!
一時期デブをやっていたこともあるので!

伊勢丹の人 昔やってらした(笑)。

ジョージ ぼくはここで育ったと言ってもいい!
「男の新館」の頃ですけど、このコンセプトで、
男がサイズから解き放たれたんですもの。
なにしろスーパーメンズですもの。

── 横にも縦にも大きなサイズが
いろんなブランドで揃っているんですね。
このフロアの店員さんだからといって
大きな人が接客しているわけではないんですね。





伊勢丹の人 そうですね(笑)。

ジョージ サイズを気にせずおしゃれ優先で選べるフロア!
でもね、いまでこそ、カラフルな洋服が増えたけど、
昔はいいブランドでもジミなものが多かったのよ。
もっと奇麗なお洋服が着たくて、
結局、ダイエットしたんだもん。
でも、今はすごくステキ!
ほら、アメリカに行くと、
ボクよりも大きいひとがうーんとオシャレをしてる。
そんな感じよね。
サイズ展開はもともと伊勢丹が得意としている分野。
と言いつつ、それは2丁目の人が
肥大化
しているからという
理由もあるのかもしれないわ。

それにしても、ほんとうにすごいわ。
このフロアに来さえすれば、
大きな殿方もここに来ればオシャレに装える。

今はさすがにどのブランドも
あるひとつの方向に向かっていくじゃない?
けれども昔はパンツひとつとっても
パンタロンみたいなラインがあったり
ストレートみたいな
ストーンとしたラインがあったりした。
あるラインが流行すれば、
その時代ってほんとぜーんぶ最初から揃えないと、
どうしようもない世界だったの。
けれども流行にのっちゃって、
自分に似合わないものにまで手を出してた。
似合わなかった! ってことに気づくのに、
2〜3ヶ月かかったりしたのよ。

そういうお勉強を重ねて、
ようやく「ここだ!」っていうものを見つけた。
それを経験すると、嗅覚じゃないけど、
ちらっとみただけでわかるようになるのね。
人の、似合う・似合わないが。
こうしてお買い物をしている殿方を見ていても、
今まさに失敗しつつある人もわかる!

── こわいです(笑)。

ジョージ ダメダメ、それって脚が
もう10センチ長くないと! とかね。
これだけたくさんブランドがあっても、
お客さんて、お気に入りのところに
何回も何回も行くのよね。
隣のブランドから呼ばれてフラッと寄ってみれば
もっと似合うものがあるかもしれないのに。



── 伊勢丹さんだと、その横目が効く感じがしますね。

ジョージ そう! まずは同じフロアで攻めることね。
それなら、どこで買ったものでも
合わせるとなんとかなると思うの。

伊勢丹の人 もちろんそのブランドがいいという方は
そのブランドで選んでいただきたいですし、
これに合うもの! とおっしゃっていただければ、
いろんなところから探してまいりますよ。

ジョージ いいわね! じゃ、まず、フロアを決めて、
ひとつ、いちばんほしいものを選ぶ。
そっから先の買い物は、
伊勢丹さんに相談すればなんとかなるってことね。
‥‥こちら、創業何年くらいでしたっけ。

伊勢丹の人 126年目でございます。

ジョージ 「伊勢屋丹治呉服店」よね。
最初は秋葉原だったのよ?
秋葉原の丸五ってトンカツ屋のところ。
ヤマギワのあたりが創業の地なのよ。
そのあたり通ると拝んじゃうもの。

── えっ。

伊勢丹の人 神田旅籠町に創業いたしましたのが
明治19年のことでございますね。
新宿店が完成し開店しましたのは昭和8年です。

ジョージ 当時にしてみたら冒険よ?
新宿といえど栄えている感じは
まだ今のようではなかったはずだし
インフラとかだって全然良く無かった。
それが結果的にこうなっているのは
ほんとうにすごいことよ。
副都心線までできてしまって!

── 副都心線はいずれ
東横線につながりますからね。
商圏がひろがりますね。

 




■ ゴルフウェア
ゴルフを生んだ英国で、狩りとゴルフはセット‥‥、なのよね。できればそれに「探検」っていう要素がくわわれば、もう完璧に英国紳士の道楽の3点セットのできあがり。だからオーセンティックなゴルフウェアって、どこか探検隊の装いみたいだったりするの。動きやすくて丈夫で、汚れがついてもそれがむしろ味わいをなす。ある意味、カジュアルウェアは探検隊のコスチュームから生まれたのかもしれないわネ。だとしたら、正統ゴルフウェアはボクたちのカジュアルウェアの御先祖様? そんなオシャレができるのならば、ゴルフをしてもいいかもネ。

■ ギーブス&ホークス
制服屋さんです。それもとびきりの。英国の陸軍、海軍は昔からずーっとココのお洋服を着ているのよね。今ではいろんなお洋服を作っている。でもどれも実用的なうつくしさに溢れてる。役割がはっきりとした殿方の、その立派さを強調させる「社会的」な服。だからボクには似合わないかも‥‥、ちょっと悔しい、着てみたい。

■ ゴルフをする人生、しない人生
主に仕事上の人間関係を円滑にするコトを目的に、夜、屋内で行われるのがクラブ活動。昼に屋外で繰り広げられるのがゴルフというコト。群れるコトが成功の秘訣と考えるか、そうでないかがクラブ活動やゴルフを選ぶか選ばぬかの基準と思う。ゴルフを振り回し、サウナに入ってビールを飲んでうわさ話や「ここだけの話」をたのしむそのコトと、フィットネスクラブに行って、ご飯を食べて、二丁目でオトコのコたちの話しをするコトのどこに違いがありましょうや。ワタシは後者を選んだワケ。





















■ アウトドア系女子
アウトドア系アパレルって、それそのものが男ぶりのいいモノじゃないかと思うの。だから、ひ弱な男性が着るとみすぼらしくて服に負けちゃう。中身の充実した男ぶりのいい人が着ると、オトコの色気を引き立てるのネ。それを女の人がまとって、女らしさがかき消されるか、服がもってる男らしさを打ち消すほどに女らしさが際だつか。アウトドア系装いでなお、色気を感じる女性ってステキ。お友達になりたいかもネ。

■ ヒョウ柄
ベルサーチが全盛の頃。ヒョウ柄ならぬ、ヒョウの顔がプリントされたキンキラキンのニットを試着したことがあって、ヒョウがどう見てもヒョウ柄の豚みたいになっちゃったのよ‥‥。横幅が大きな身体だったから(笑)。それでやめた。でも、それがもしかしたら人生で最初で最後のヒョウ柄を身にまとえるチャンスだったかもしれないのにね‥‥、って思うとちょっとさみしくなっちゃう。コム デ ギャルソンあたりがヒョウ柄のカットソー、出してくれないかしら。‥‥、無理よね、ごめんなさい。













































































■ ゲイの肥大化
髭と筋肉。オンナにとっての「髪と肌」。それをどれだけ磨き上げるコトができるか、オンナもオカマも命をかける。時代によって流行りの髪型が異なるように。日焼けの肌がブームだったり、美白命になったりするように。オカマの髭と筋肉の傾向だってかわるのネ。今のブームは無精髭に霜降りビーフの大きな体。最近、カウンターの椅子がすぐに壊れちゃうの‥‥、って二丁目のママの嘆くこと(笑)。


































































■ 秋葉原
海外から来た友人が、
「AKIHABARA」って言うところに行きたいっていうから、秋葉原に連れて行ったの。無駄なお肉で、ほがらか的にではなく肥大化してしまったおにぃさんたちがぞろぞろ歩いているのを見た彼。「これはAKIHABARAじゃない」って一言。コスプレガールもブレードランナーみたいな景色もどこにもないじゃん‥‥、って。往々にしてあるコトですわね。ちなみに彼。夕暮れ時の渋谷のスクランブル交差点の真ん中で「アーキーハーバーラー!」って大声で叫んで涙を流してました。つまり、秋葉原っていうのは地名じゃなくて形容詞。












いまも恰幅のよいジョージさんですが
スーパーメンズで買われることは
もう、なくなったようですね。
次回はファッションの世界へゴー!
2012-07-25-WED