「日本製」と「輸入品」そのちがいって? もう根本的な発想と、理想とするものがちがう? そんなお話を、松原さんにうかがいます。 |
松原 | ダナ・キャランにしても誰にしても、 向こうのドレスは、 ノーブラで着用前提のものがすごく多いんですよ。 |
ジョージ | たしかに、本当、そう。 ダナ・キャランのああいうイブニングドレスって、 古代ローマ時代の女神像のドレープのようですよね。 テフロン加工したジョーゼット的な生地で タポンタポンってしたデザイン。 |
松原 | ええ、そうなんです。 そういうドレスは、 日本のブラジャーで体を整えて着よう、 っていうんじゃなく、 自分で体を作って、ノーブラに近いようなスタイルで お召しいただきたいんです。 ノーブラでは恥ずかしいようでしたら、 ドレスの邪魔をしないようなものを着けて。 なにしろ、後ろは、ウェストまで開いてるとか、 そういうのがすごく多いものですから。 下着売り場でこんなことを言うのも変ですけれども、 下着は本当により身体をきれいに見せるための お手伝いをするくらいで良いと思うんです。 脱いだ時に、よりまたドレスと同じくらいな きれいさを保つっていうのが、 下着のこれからの意味でも あるような気がしているんですね。 |
ジョージ | たしかに。若い人たちは、 そうしようと思えばできる体型を 手に入れているんですものね。 日本人の歴史の中で、 やっとそういうのが来たんですもんね。 |
松原 | そうです。 輸入品は 「寄せたり上げたり」する機能がありませんが、 「寄せたり上げたり」っていうのは、 サイドの部分を包むように、 誰かの手が支えてくれているような状態ですよね。 それで丸い肉体を作るんです。 そうすると、洋服を着た時に、きれいに見える。 それに比べると、輸入品というのは、 「寄せたり上げたり」がない分、 お洋服を着た時に、多少、立体感がなくなります。 でも、その、ない分を補うほどの、 自分自身の満足感っていうものが、 また別にあると思うんです。 洋服を着たきれいさの満足感ももちろんあります。 たとえばブライダルの時とかには、 そういうのを出したほうがいい。 でも、こういうふうに「寄せたり上げたり」がなくて、 1枚物を着た時は、 「あぁ、なんてきれいなんだろう」っていう、 自分の満足感が根本にあることで、 1日が楽しくなると思うんですね。 |
ジョージ | そうすると、それこそ、今の女性が大好きな、 自分に対するご褒美っていうのは、 こういうふうな下着のほうにあるってことですよね。 |
松原 | 私はそう思います。 |
ジョージ | 誰のためでもない、もう自分の幸せのために! |
松原 | 「寄せたり上げたり」っていうのは、 「どこから見られてもいいですよ」という表現ですね。 ただ、それは洋服を着た姿。 |
ジョージ | 最近ですと、若い女子のあいだでは ピーチ・ジョン(PEACH JOHN)的なものを 着ける子も増えていますよね。 ちょっとお色気のある。 |
松原 | ピーチ・ジョンって、ちょっとかわいく、 セクシーなところがありますよね。 そして、それがお手ごろな価格で楽しめる。 10代の人たちが手軽に買えるよさがありますよね。 いっぽう百貨店のこういった輸入品は、 エレガント、セクシー、その2つが 混ざり合ったようなものだと思うんです。 |
ジョージ | こちらは大人の楽しみですよね。 「1つの、とびきりのものを、自分のために」。 |
松原 | はい。こういうものがどこか、目標として、 女性たちが持っていてほしい。 ピーチ・ジョンがいいなと思う女の子たちにも、 「いつかはこれを着る大人になりたい」と。 |
ジョージ | これを体が覚えてしまって、 後戻りできない自分って、素敵ですもの。 |
松原 | 素敵ですよね。 |
ジョージ | もう本当に上等な女になったっていうことですもん。 すごぉい。うん。そうやって思うと、 ブラジャーっていうのは女性の特権だから! |
松原 | そうです。絶対そうなの。 男性の視点からも、きれいだと思ってくださる方は 沢山いると思うんです。 私、長いことずっと肌着をやってますけれども、 バイヤーにも男性の方がたくさんいましたでしょう? そういう方たちは、すごく好きでしたよ、 ブラジャーが。 なぜかっていうと、きれいだから。 本当にそうだと思うんですよ。 きれいなレースがあったり、 こういう本当にきれいな形で。 |
ジョージ | しかも、この小っちゃーい面積の中にね。 |
松原 | ですから、そういうきれいなものを、 自分の一番最初に身につけられるっていうのは、 女性はすごく喜ぶべき。 |
ジョージ | だって、“今日のおしゃれ”の最初ですものね。 洋服着てから、これ付けるわけじゃないんだから。 |
松原 | そうですよね。 |
ジョージ | 女性たちって、裸から、 こういうものを着け、出来上がっていく自分を ずっと見ます? 着替えてる時に。 |
伊勢丹の人 | そんな時間はなかなか‥‥(笑)。 |
ジョージ | あぁー、そんな時間が無い時は、 機能性の下着でいいのよね、たぶんね。 でも、こんな綺麗な肌着だったら、 姿見の前で出来上がってる自分を 見たいんじゃないかしら。 |
松原 | 見たいですよね。 そして「あ、きれいだな」と思うと、 「見せてもいいな」っていう気持ちに なってくると思うんですよ。 |
ジョージ | うんうんうん。 |
松原 | これは見られても恥ずかしくない。 「誰から見てもいいよ」 っていう感じになってくると思います。 いやらしいっていうんじゃなくて、セクシー。 男の人も、女性のそういった肌着を 絶対褒めるべきだと思うんです。 |
ジョージ | 「きれいだね」でいいんですもんね。 |
松原 | そう! 「きれいだね」って言うだけで。 |
ジョージ | 純粋に「きれい」と、下着姿の奥さんを見れる? 既婚男子は? |
── | いや、なかなか難しいです‥‥。 やっぱり先程のお話の通り、 まず身体を磨いてほしいです。 それが似合う身体に。 |
ジョージ | じゃあ、その体を磨けるだけのお金と時間を 妻に与えないとダメよ。 |
── | そ、そうですよね‥‥。 |
「ノーブラってね」
地中海のヌーディストビーチにいくと、
もうそれはそれは無防備にオッパイが転がっているわけよ。オカマのボクも、さすがに最初はドギマギするの。あっ、オッパイだって。でもそれもしばらくするとまるでなんでもなくなるのネ。ときおり揺れたり弾んだりする、女性の体の胸部の一部って、そんなふうにしか見えなくなるの。それってね、裸体の一部であってノーブラじゃないってコトなのよね。夜になってゴージャスなバーなんかにいくじゃない。するとそこには昼間タップリ地中海の太陽を浴びた肌を、やわらかな素材のドレスで包んだマダムがゾロゾロ。その薄布の向こう側にたしかにオッパイの気配がある。そりゃ、セクシーよ。つまりノーブラ。ノーブラってただのスッポンポンじゃないってコト‥‥、
これ重要!
「ピーチ・ジョン的なるもの」
新橋のガード下の「大人のお店」にぶら下がっているセクシー下着から下品を引くの。マカロン色やショートケーキのデコレーションみたいな、ドリーミーなキラキラをふりかけて、健康的を装うの。セクシーでキュートで、でもそのセクシーとかキュートとかって決して男性に向けてじゃなくて女の子同士が愛でる、ちょっと甘めでやわらかなモノ。だからエレガンスにまでは高まっていかないのネ。エレガンスっていうのは、異性を意識した瞬間に生まれるモノなの‥‥、絶対にそう。
「ゲイにとっての『鏡を見る』とい うこと」
ゲイは自分の中にもう一人の自分がいるの。男性としての自分と女性としての自分。社会的な自分と、自分自身としての自分。その2つの自分が対話する場所‥‥、そこが鏡の向うとこちら。だからゲイは鏡が好き。鏡をみながら、二人の自分で反省会をしたり、勇気づけ合ったり。時にガールズトークを自分一人で繰り広げたりするのネ‥‥、だからゲイのおしゃれはみんなどこか客観的で、それがステキといわれるの。
「既婚男子ってやつは!」
恋愛双六の上がりにたどり着いたとあぐらをかいてやがる奴ら!結婚っていうのはネ、新しい恋愛関係のスタート地点に
立ったということだって思わなくちゃ、
それからの一生を捧げてくれる奥様に対して、申し訳なくってしょうがない。
もう、本当に、お尻を叩いて
叱咤激励してやりたいわ!
立ったということだって思わなくちゃ、
それからの一生を捧げてくれる奥様に対して、申し訳なくってしょうがない。
もう、本当に、お尻を叩いて
叱咤激励してやりたいわ!