世界一オッパイを見た魔女。ジョージさん&おおたうにさんと行く、 伊勢丹新宿店婦人肌着売り場!
伊勢丹新宿店の婦人肌着コーナー「マ・ランジェリー」に “魔女”と噂される女性がいます。 松原満恵(まつばら・みつえ)さん。 彼女のフィッティングを受けた女性たちは、 みんな背筋をのばして、元気になって帰っていく。 スタイルに自信がもてるだけじゃなく、 いち女性としての誇りがうまれるような、 そんな魔法のような接客を受けることができるんだそうです。 これまで、ほんとうにおおぜいの女性たちを元気にし、 背中を押し、送り出してきた松原さんを、 こんなメンバーで訪ねました。 まず、伊勢丹新宿店を熟知しているのに 「このコーナーだけはアンタッチャブルだったの」 という(そりゃそうだ)ジョージさん。 生まれて初めて女性の肌着の試着室に入ります! そして、試着&お買い物は、ジョージさんの友人でもある、 イラストレーターのおおたうにさんです。 松原さんの魔法、いっしょに、目撃いたしましょう!
ジョージさんのお勉強篇 その1 はじめまして、松原さん。
ジョージさんのお勉強篇 その2 とびきりのものを、自分のために。
ジョージさんのお勉強篇 その3 下着のプレゼントって、アリかしら?!
うにさん試着篇 その1 日本製にもいろいろあるの。
うにさん試着篇 その2 試着室へGO!
うにさん試着篇 その3 ラ・ペルラってすごい!
うにさん試着篇 その4 日本製は進化している。
うにさん試着篇 その5 さあ、いよいよお買い物!
お買い物のあとのおしゃべり篇 お仕事、がんばりましょっ!

ジョージさんのお勉強篇 その1 はじめまして、松原さん。

伊勢丹大好き、ほとんどのフロアを知っているわ!
というジョージさんですが、
唯一、プライベートで
足を踏み入れたことがなかったのが
婦人肌着の売り場だそうです。
じっさいに取材にうかがう前に、
ボディコンシェルジュの松原さんにお目にかかり、
予習をさせていただくことになりました。

ジョージ はじめまして、松原さん。
魔女と噂されるかたにお目にかかれて、
たいへん光栄です。
松原 ふふふ、よろしくお願いします。
肌着に長い間籍を置いているので、
あの人240歳くらいじゃないかしらって
言われているんです。
10年前に240歳だから今250歳かしら。
ジョージ 大先輩でございます!
なんでも日本一、オッパイを見た女、
と言われていらっしゃるとか‥‥。
やっぱりオッパイの形も変わりました?
松原 ええ。この頃はとてもきれいです、皆さま。
ジョージ 西洋人化してるってことですか?
松原 そうですね。もう足は長いし、真っ直ぐしてますね。
今の若い人──って、どの辺くらいから
「若い」って言うのかどうかわからないんですけれども、
皆さまきれいです。
たとえば水泳選手を見ていても海外のかたと
体格が遜色ございませんでしょう?
ああいう印象に近いですよ。
ジョージ じゃあ、日本のメーカーさんがお作りになる下着も、
だいぶ変り始めてるっていうことなんですか?
松原 そうですね。前は本当に機能重視だったんですよ。
日本のブラジャーって、
「寄せて上げて」っていう感じで。
それは体が扁平だったから。
「寄せて上げて、
 丸みをもった体を作りましょうよ」
っていう、ひとつの理想像を元にしていましたね。
そう、日本のブラジャーは、
洋服を着た時にきれいに見えるんです。
ジョージ 海外のものは?
松原 海外のものは、洋服を脱いだ時にエレガントです。
ジョージ !!!
松原 ですから、日本の女性たちが
きれいになってきた今となっては、
裸になって
「わぁ、エレガントだわ」、
「あなたもきれいだけれども、
 この下着を着たらもっと素敵」
っていう感じになってきていますね。
昔は「寄せたり上げたり」してると、
暗闇じゃないと服が脱げないっていう感じでしたが、
──そうは言っても、日本はまだまだ
機能重視なんですけれども、
ただ、谷間もきれいに見え、
デコルテもきれい、肩からウエストまで
トータルで美しい、になってきました。
それと、インポート的な
エレンガントな商品も増えてきました。
いっぽう、輸入品っていうのは、
もともと、本当にすごくエレガントで、
見るからに素敵なんですよ。
ジョージ もう下着っていう感じじゃ全然ないですもん。
工芸品のような‥‥。
松原 そうですよね。レース使いなんて特に。
ジョージ 当てると、お肌も気持ちいいんでしょうね。
松原 そうです。同じレースでも、
肌触り、肌映りがいいものになっています。
肌映りっていうのは、色もそうですし、
レースの使い方も大事なんですよ。
ジョージ (手をすかして)こういうふうに肌が入って、
はじめてきれいに見える!
松原 はい、向こうのものっていうのは、やはり、
少し進んでるエレガントさが
あるような気がするんですね。
白い肌でも、黒い肌でも、少し黄色めの肌でも、
きれいに映ると思いますね。
ジョージ やっぱりそういう文化が長かったから
できるんでしょうか。
松原 絶対そうだと思います。
日本の女性たちの体も、脱いだ時、
「このままできれいでしょ?」
っていうように変化してきていますので、
寄せたり上げたりしなくても、
こういうものを、これからはどんどん着けてほしい。
ジョージ もったいないですもんね。
今までしたくてもできなかったのに!
逆に言うと、若い人たちに
こういうものを教えてあげないと、もったいない。
松原 そうですね。若い人たちは、
インターネットもそうだし、
あらゆる情報がすごくありますので、
意識は上がっていると思うんです。
けれども「つけてみようかな」というところに
ジャンプするには、勇気が要ると思うんですね。
こういうものって、一度、着て、
自分の気持ちがなんとなく高揚してくるとか、
「あ、これを着たら、じゃあ、
 今日はこのドレスを着て行こう」とか、
そういう気持ちを味わっていただくといいんですけれど。
お着替えのとき一番最初に
ブラジャーをつけることによって、
自分の中で夢がたくさん描けるような下着、
それが、いい下着だと思うんです。
ジョージ 逆に、男の人はこういうものを
もっと理解しないといけないですね。
あの‥‥ブラジャーのサイズって、
どういう分類になってるんですか?
そういうことすら知らずにいて、すみません。
ABCD‥‥?
松原 そうですね。それは高さですね。
その高さと、アンダーバストのサイズで決まるんです。
ジョージ その2つを知ってれば、だいたい間違いなく買えますか?
松原 そうですね、女性の方は、
だいたい自分のサイズっていうのを
心得ていらっしゃると思うんです。
「自分はCの70」とか。
つまりアンダーバストが70で、トップバストが85。
けれどもたとえば輸入品でイタリア製の場合は、
1、2,3、4っていうサイズなんですね。
そこに、BとかCっていうのがつきます。
1がだいたい65から70くらい。2が70から75とか、
だいたいそういうふうになってる。
そうすると、イタリア製のものは、
1、2、3、4、
日本のブラジャーは、
65、70、75、80、85、90、95、
100、105、110、115‥‥、
こんなにあるんです。
イタリアサイズで、日本に入っているものは、
たくさんはないんですよ。
これ、どういう意味かと申しますと、
それだけ日本の人たちっていうのは、
きっちりしてるってことなんです。
ジョージ 日本製はキューッとやらなきゃいけないから、
サイズが細分化されていて、
輸入品は、乗っけるだけだから、
そんなにサイズが厳しくないって
いうことなのかしら?
松原 そうですね。少し乱暴ですが、
きっちりと収まらなくても、
多少アバウトで。
そのアバウトさっていうのは、
セクシーさとかエレガントにつながり、また、
「それをこれからあなたが作りなさい」
っていうことなんですよ。
ジョージ あぁ、その通り! その通り!
これは、ただ、ドーピングであって、ネ(笑)。
松原 本当にそうなんですよ。
エレガントな商品はどんな女性でも
エレガントになりますが、
それ以上を求めるのであれば、
エステに行き、
「ああ、今度これを着るぞ」と。
ジョージ たぶんオッパイも変わってくると思う! 位置が。
松原 気持ちで変わりますよ。
ジョージ そういう部分でね、日本のように、
「ピッチも細かく分かれてますよ」っていうのは、
もう日本の社会そのものみたいですね。
松原 「日本の女性たち、そろそろ自分で考えましょう」
って、ブラジャーも言っているんですよ。
今の女性たちは、どんどん、どんどん、足が長くなり、
足のかたちも真っ直ぐしてきました。
バストもCカップの70っていうのが一番売れるんです。
前は、Aの70くらいでしたから。
どんどん変わってるです。だから、
「あとは、自分で考えましょう!」。
ジョージ そうだと思う、絶対そうだと思う!
だって、あの『007』に出てくるボンドガールって、
こういうのをつけてるけど、
取っても同じ形ですもの。
松原 そうなんです。そうです。
ジョージ で、「どっちがきれい?」って言うと、
やっぱり着けているほうがセクシーに見える。
松原 セクシーですよね。
それは本当に体をセクシーに、
“プラスで”作るものだと思うんですね。
やはり所詮は脱がなきゃならないから。












ジョージさんのメモ
「松原さんの印象」

小さな方でした。
愛らしくて、背筋がしゃんと伸びてらっしゃって。思わず抱きしめたくなるほどかわいらしくて。でも下着の話をはじめると、キリッと表情が凛々しくなって、
けれど終始笑顔をたやさぬうつくしさ。
お話を伺うにつれて、どんどん大きな存在感を発揮なさった。プロでした。



































ジョージさんのメモ
「レースなるもの」
レースが似合う‥‥、ってステキな女性の特権のように思えるわよね。
レースが似合う紳士って、果たして信頼していいのかしらってかなり心配になっちゃうし。ほつれてしまいそうにデリケートでいて、決してへこたれることのない頑丈さ。はかなそうに見えて、大切に扱えば扱うほど丈夫になっていって長持ちしていく。あら、そう考えると、女性そのものの象徴なのかしらって思いもしちゃう。



「日本の女性は変化している!」
女性にかぎらず、今の日本の若い人たちの体つきって、昔の日本の人とはまるで違ってみえる。お洋服というモノを、はじめて着こなせるようになったのかもしれないわ‥‥、って凄くうらやましく思っちゃう。なのに姿勢がシャンとしてない人が多くて、勿体無いなぁ‥‥。姿勢をシャンとさせるきっかけのひとつとしての下着のコト。せっかくなんだからオッパイもしゃんとさせてあげなくちゃ!












ジョージさんのメモ
「ブラジャーのサイズって!」
オトコにとって‥‥。知っていなくても別に困るコトじゃない。けれど、知っていれば人生が彩り豊かでたのしいモノになる知識。その最大のものが、ブラジャーのサイズに関する基礎知識だと今回思った。だって、奥深いもの。しかも男性と女性の買い物において、「サイズに対するこだわり」ってこれほどまで違うんだって思ってすごくたのしくなった。































「セクシーって何?」
人間である以上、すべての人に備わっている、この世の中でもっともうつくしいモノ。それが「セクシー」という感覚だと思うの。自分らしさを意識し、それを磨き上げるコトでどんどんセクシーは増していく。でも「セクシー」はただ放っておくだけでは他の人に伝わらないの。
溢れるばかりのセクシーを、誰かに伝えるための手段が「おしゃれ」なのネ。
そしてその一番親密で、濃密なヒントのひとつが下着だったりするわけよ!




次回、ジョージさんのお勉強篇その2、
「とびきりのものを、自分のために。」
につづきます!

2013-02-04-MON