伊勢丹大好き、ほとんどのフロアを知っているわ! というジョージさんですが、 唯一、プライベートで 足を踏み入れたことがなかったのが 婦人肌着の売り場だそうです。 じっさいに取材にうかがう前に、 ボディコンシェルジュの松原さんにお目にかかり、 予習をさせていただくことになりました。 |
ジョージ | はじめまして、松原さん。 魔女と噂されるかたにお目にかかれて、 たいへん光栄です。 |
松原 | ふふふ、よろしくお願いします。 肌着に長い間籍を置いているので、 あの人240歳くらいじゃないかしらって 言われているんです。 10年前に240歳だから今250歳かしら。 |
ジョージ | 大先輩でございます! なんでも日本一、オッパイを見た女、 と言われていらっしゃるとか‥‥。 やっぱりオッパイの形も変わりました? |
松原 | ええ。この頃はとてもきれいです、皆さま。 |
ジョージ | 西洋人化してるってことですか? |
松原 | そうですね。もう足は長いし、真っ直ぐしてますね。 今の若い人──って、どの辺くらいから 「若い」って言うのかどうかわからないんですけれども、 皆さまきれいです。 たとえば水泳選手を見ていても海外のかたと 体格が遜色ございませんでしょう? ああいう印象に近いですよ。 |
ジョージ | じゃあ、日本のメーカーさんがお作りになる下着も、 だいぶ変り始めてるっていうことなんですか? |
松原 | そうですね。前は本当に機能重視だったんですよ。 日本のブラジャーって、 「寄せて上げて」っていう感じで。 それは体が扁平だったから。 「寄せて上げて、 丸みをもった体を作りましょうよ」 っていう、ひとつの理想像を元にしていましたね。 そう、日本のブラジャーは、 洋服を着た時にきれいに見えるんです。 |
ジョージ | 海外のものは? |
松原 | 海外のものは、洋服を脱いだ時にエレガントです。 |
ジョージ | !!! |
松原 | ですから、日本の女性たちが きれいになってきた今となっては、 裸になって 「わぁ、エレガントだわ」、 「あなたもきれいだけれども、 この下着を着たらもっと素敵」 っていう感じになってきていますね。 昔は「寄せたり上げたり」してると、 暗闇じゃないと服が脱げないっていう感じでしたが、 ──そうは言っても、日本はまだまだ 機能重視なんですけれども、 ただ、谷間もきれいに見え、 デコルテもきれい、肩からウエストまで トータルで美しい、になってきました。 それと、インポート的な エレンガントな商品も増えてきました。 いっぽう、輸入品っていうのは、 もともと、本当にすごくエレガントで、 見るからに素敵なんですよ。 |
ジョージ | もう下着っていう感じじゃ全然ないですもん。 工芸品のような‥‥。 |
松原 | そうですよね。レース使いなんて特に。 |
ジョージ | 当てると、お肌も気持ちいいんでしょうね。 |
松原 | そうです。同じレースでも、 肌触り、肌映りがいいものになっています。 肌映りっていうのは、色もそうですし、 レースの使い方も大事なんですよ。 |
ジョージ | (手をすかして)こういうふうに肌が入って、 はじめてきれいに見える! |
松原 | はい、向こうのものっていうのは、やはり、 少し進んでるエレガントさが あるような気がするんですね。 白い肌でも、黒い肌でも、少し黄色めの肌でも、 きれいに映ると思いますね。 |
ジョージ | やっぱりそういう文化が長かったから できるんでしょうか。 |
松原 | 絶対そうだと思います。 日本の女性たちの体も、脱いだ時、 「このままできれいでしょ?」 っていうように変化してきていますので、 寄せたり上げたりしなくても、 こういうものを、これからはどんどん着けてほしい。 |
ジョージ | もったいないですもんね。 今までしたくてもできなかったのに! 逆に言うと、若い人たちに こういうものを教えてあげないと、もったいない。 |
松原 | そうですね。若い人たちは、 インターネットもそうだし、 あらゆる情報がすごくありますので、 意識は上がっていると思うんです。 けれども「つけてみようかな」というところに ジャンプするには、勇気が要ると思うんですね。 こういうものって、一度、着て、 自分の気持ちがなんとなく高揚してくるとか、 「あ、これを着たら、じゃあ、 今日はこのドレスを着て行こう」とか、 そういう気持ちを味わっていただくといいんですけれど。 お着替えのとき一番最初に ブラジャーをつけることによって、 自分の中で夢がたくさん描けるような下着、 それが、いい下着だと思うんです。 |
ジョージ | 逆に、男の人はこういうものを もっと理解しないといけないですね。 あの‥‥ブラジャーのサイズって、 どういう分類になってるんですか? そういうことすら知らずにいて、すみません。 ABCD‥‥? |
松原 | そうですね。それは高さですね。 その高さと、アンダーバストのサイズで決まるんです。 |
ジョージ | その2つを知ってれば、だいたい間違いなく買えますか? |
松原 | そうですね、女性の方は、 だいたい自分のサイズっていうのを 心得ていらっしゃると思うんです。 「自分はCの70」とか。 つまりアンダーバストが70で、トップバストが85。 けれどもたとえば輸入品でイタリア製の場合は、 1、2,3、4っていうサイズなんですね。 そこに、BとかCっていうのがつきます。 1がだいたい65から70くらい。2が70から75とか、 だいたいそういうふうになってる。 そうすると、イタリア製のものは、 1、2、3、4、 日本のブラジャーは、 65、70、75、80、85、90、95、 100、105、110、115‥‥、 こんなにあるんです。 イタリアサイズで、日本に入っているものは、 たくさんはないんですよ。 これ、どういう意味かと申しますと、 それだけ日本の人たちっていうのは、 きっちりしてるってことなんです。 |
ジョージ | 日本製はキューッとやらなきゃいけないから、 サイズが細分化されていて、 輸入品は、乗っけるだけだから、 そんなにサイズが厳しくないって いうことなのかしら? |
松原 | そうですね。少し乱暴ですが、 きっちりと収まらなくても、 多少アバウトで。 そのアバウトさっていうのは、 セクシーさとかエレガントにつながり、また、 「それをこれからあなたが作りなさい」 っていうことなんですよ。 |
ジョージ | あぁ、その通り! その通り! これは、ただ、ドーピングであって、ネ(笑)。 |
松原 | 本当にそうなんですよ。 エレガントな商品はどんな女性でも エレガントになりますが、 それ以上を求めるのであれば、 エステに行き、 「ああ、今度これを着るぞ」と。 |
ジョージ | たぶんオッパイも変わってくると思う! 位置が。 |
松原 | 気持ちで変わりますよ。 |
ジョージ | そういう部分でね、日本のように、 「ピッチも細かく分かれてますよ」っていうのは、 もう日本の社会そのものみたいですね。 |
松原 | 「日本の女性たち、そろそろ自分で考えましょう」 って、ブラジャーも言っているんですよ。 今の女性たちは、どんどん、どんどん、足が長くなり、 足のかたちも真っ直ぐしてきました。 バストもCカップの70っていうのが一番売れるんです。 前は、Aの70くらいでしたから。 どんどん変わってるです。だから、 「あとは、自分で考えましょう!」。 |
ジョージ | そうだと思う、絶対そうだと思う! だって、あの『007』に出てくるボンドガールって、 こういうのをつけてるけど、 取っても同じ形ですもの。 |
松原 | そうなんです。そうです。 |
ジョージ | で、「どっちがきれい?」って言うと、 やっぱり着けているほうがセクシーに見える。 |
松原 | セクシーですよね。 それは本当に体をセクシーに、 “プラスで”作るものだと思うんですね。 やはり所詮は脱がなきゃならないから。 |
「松原さんの印象」
小さな方でした。
愛らしくて、背筋がしゃんと伸びてらっしゃって。思わず抱きしめたくなるほどかわいらしくて。でも下着の話をはじめると、キリッと表情が凛々しくなって、
けれど終始笑顔をたやさぬうつくしさ。
お話を伺うにつれて、どんどん大きな存在感を発揮なさった。プロでした。
「レースなるもの」
レースが似合う‥‥、ってステキな女性の特権のように思えるわよね。
レースが似合う紳士って、果たして信頼していいのかしらってかなり心配になっちゃうし。ほつれてしまいそうにデリケートでいて、決してへこたれることのない頑丈さ。はかなそうに見えて、大切に扱えば扱うほど丈夫になっていって長持ちしていく。あら、そう考えると、女性そのものの象徴なのかしらって思いもしちゃう。
レースが似合う紳士って、果たして信頼していいのかしらってかなり心配になっちゃうし。ほつれてしまいそうにデリケートでいて、決してへこたれることのない頑丈さ。はかなそうに見えて、大切に扱えば扱うほど丈夫になっていって長持ちしていく。あら、そう考えると、女性そのものの象徴なのかしらって思いもしちゃう。
「日本の女性は変化している!」
女性にかぎらず、今の日本の若い人たちの体つきって、昔の日本の人とはまるで違ってみえる。お洋服というモノを、はじめて着こなせるようになったのかもしれないわ‥‥、って凄くうらやましく思っちゃう。なのに姿勢がシャンとしてない人が多くて、勿体無いなぁ‥‥。姿勢をシャンとさせるきっかけのひとつとしての下着のコト。せっかくなんだからオッパイもしゃんとさせてあげなくちゃ!
「ブラジャーのサイズって!」
オトコにとって‥‥。知っていなくても別に困るコトじゃない。けれど、知っていれば人生が彩り豊かでたのしいモノになる知識。その最大のものが、ブラジャーのサイズに関する基礎知識だと今回思った。だって、奥深いもの。しかも男性と女性の買い物において、「サイズに対するこだわり」ってこれほどまで違うんだって思ってすごくたのしくなった。
「セクシーって何?」
人間である以上、すべての人に備わっている、この世の中でもっともうつくしいモノ。それが「セクシー」という感覚だと思うの。自分らしさを意識し、それを磨き上げるコトでどんどんセクシーは増していく。でも「セクシー」はただ放っておくだけでは他の人に伝わらないの。
溢れるばかりのセクシーを、誰かに伝えるための手段が「おしゃれ」なのネ。
そしてその一番親密で、濃密なヒントのひとつが下着だったりするわけよ!
溢れるばかりのセクシーを、誰かに伝えるための手段が「おしゃれ」なのネ。
そしてその一番親密で、濃密なヒントのひとつが下着だったりするわけよ!