|
|||||||
前回に引き続き、 長男が誕生したときの話をしましょう。 白紙の状態で入った育児。 全く知らない全く解らない。比べる事すら出来ない。 それだからこそ、 柔軟にイタリア式育児を受け入れる事が 出来たのかも知れません。 バッバがへそのおが取れるまではベビー用の乳液で 良く身体をふいてくれ、 取れてからはベビーバスで、 ベビーバブル入りのお風呂に入れてくれました。 授乳は授乳前と後に 赤ちゃんを計りにのせ飲んだ量を記録し、 げっぷの後はうつぶせに寝かせたものです。 布おしめにはアイロンがけ、 足付き服の下にも靴下をはかせたり バッバがすることに時たま疑問は抱くものの、 彼女が赤ちゃんに触れる度に発する 赤ちゃんへのあやし言葉にすっかり魅了されました。 子供を「私の宝」「私の愛」「天使の笑顔」 「最高に可愛いおデブちゃん」‥‥ 直訳すれば甘過ぎる言葉。顔に降るキスの雨! 日本ではどんな風にどんな言葉で 赤ちゃんと接するのでしょう? 日本の育児書には言葉までは書いていませんでした。 でも、後にしてわかったのですが、 このイタリアのバッバの愛情の示し方って 実は赤ちゃんだけでなく、大人になってからもそうで 特に恋人同士の二人を見ていると 赤ちゃんの時と同じ擦れ合い方だったのです。 イタリア人のべたべたの愛情の示し方は 赤ちゃんの時から始まっていたのでした。 イタリア人は本当に子供を大切に可愛がります。 息子が「おぎゃー」と泣くと玄関のチャイム鳴り、 「どうしたの?」とバッバがやってきます。 新米ママが心配でしかたなかったのでしょう。 その繰り返しの日々で、 私は軽い育児ノイローゼにかかってしまいました。 でも、周囲の人々は、珍しさもあったのか、 毎日近所の子供が散歩に連れ出してくれたり、 バッバの娘達の毎日恒例の夜の車のお散歩にも 一緒に連れて行ってくれたり、 息子は皆から沢山の愛情をもらって育ちました。 ところで、赤ちゃんを移動させる時、 とても便利だったのがイタリアの ベビーベッド型の乳母車でした。 こちらの生活にはぴったりで、 退院する時も、外に行く時も、 車に乗せる時も、部屋から部屋に移動させる時も、 バッバのところに行くときも、 ベビーベッド型の箱の中で外の動きとは全く関係なく 息子はすやすやと寝ていられます。 3ヶ月までこの移動ベットは重宝しました。 さて、イタリアでも今の時期は寒さ厳しいです。 そんな寒いときにも、たくましく育つのが 深緑のほうれん草。 元気をたくさんもらえそうですね、 しっかりしたほうれん草には、 しっかりした赤い茎根がついていて それを丁寧に掃除して土をとり、 良く湯がいて細かく切って、 オイルと檸檬でいただいてみて下さい。 元気もりもり優しい大地の甘みがします。 さて、今日ご紹介するお料理は、 そのほうれん草を使った ほうれん草とリコッタのラビオリです。 今回は忙しい時にでも作れるように、 パスタはフードプロセッサーで練り、 機械を使って麺を延ばしました。 リコッタチーズはカテージチーズでも代用できます。
|
|||||||
|
©2005 HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN All rights reserved. |