レシピその12
PRIMAVERA〜イタリアの春〜 |
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今住んでいるミラノは、
街中、レンギョウの黄色であふれています。
モクレンも蕾みをふくらませ、
まわりの木も可愛い色の蕾みが目立ち始めました。
枯れ草色だった野原は、若草色になり、
イヌノフグリもナズナも背をのばして、満開です。
リエティにいた頃の3月は、ミラノの春とは異なります。
山からの吹き下ろしの風はまだまだ冷たいのですが、
太陽光線は夏ではないかと思われるほど強くなり、
気温は緩みます。
この時期は「太陽さんWELCOME!」で、
子供たちにも動きやすい薄着をさせて、
太陽の恵みをいち早く満喫したいと思いましたが、
バッバから「まだまだ薄着にしてはいけない」と、
よく注意されました。
特に「3月の太陽は気まぐれ」と言われ、
太陽の光を直接頭に当てるとよくないそうで、
いつも帽子をかぶるように言われました。
そんなわけで、
子供達が元気に外で遊ぶ時は、コートは脱いでも、
帽子はかぶったままでした。
なぜ、コートは脱いでも、帽子はかぶるのか?
冷たい空気の中での強い太陽だから?
太陽が出たかと思うと雨になり‥‥と、
気候の変化が激しいから?
どんな理由だったかはよくわかりませんでしたが
もしかしたら、
春の太陽に身体がなじんでいないうちから、
急に強い光を頭に浴びさせてはいけない
と言うことだったのかもしれません。
この季節の子供たちは、
手袋、ハイソックス、マフラーかスカーフ、
そして頭には帽子を身につけます。
帽子は額を隠すように深くかぶります。
「5月まではタマネギの皮を剥くが如く
1枚ずつ取って行きなさい」と、バッバに言われ、
少しずつ手袋やマフラーをはずしていくのです。
そんなところでも、バッバから
自然とのお付き合いのしかたを教わりました。
風の空気の冷たさが、
身体の中まで入り込んで来る3月は、
まだまだ薄着は禁物のリエティ。
窓から見えるテルミニッロ山はまだ雪化粧。
それでも山の裾野は雪解けです。
今回ご紹介するのはその名もずばり
“PRIMAVERA(プリマベーラ)”
‥‥イタリア語で「春」という意味です。
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プリマベーラ
■材料(2人前)
ほうれん草:150g(ゆでておきます)
鶏の胸肉(皮なし):2枚
モッツアレッラ(とろけるチーズ):100g
ニンニク:1かけら
白ワイン:少々
野菜か肉のブロード:少々
(固形スープで代用も可)
小麦粉:少々
塩、こしょう、オイル:少々
■作り方
(1)オリーブオイルに、
つぶしたニンニクを入れて香りを出し、
軽く塩ゆでして刻んだほうれん草を炒め、
塩こしょうで味付けをする。
(2)鶏の胸肉に火の通りがよくなるように
切れ目を入れ、塩こしょうをして小麦粉をつけ、
オリーブオイルで両面を軽く焼く。
(3)片面にほうれん草とモッツアレッラを
薄く切ったものをのせる。
弱火で5分位、ゆっくりと肉に火が通り
チーズがとけるまで焼く。
(4)そこに白ワイン少々と
野菜か肉のブロードを入れ(ない時は固形コンソメ)
ふたをする。
(5)肉を取り出し、
スープを少し煮詰めて、塩こしょうで味を整える。
(6)肉と煮詰めたスープを皿に盛りつけて
出来上がりです。
肉の部分が土、ほうれん草の緑が草で、
チーズがとけて雪どけです。
トマトを花に見立ててつけあわせてみました。
これでテーブルは「春」です。
BUONAPPETITO! |
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