「あっ! 夜風が変わった!」
草のしずくも、
昼間の太陽の恵みを充分に受けた、
快い草の蒸す香りになり、
すっかりと角の取れた夜風が、
快く感じられる時です。
そういえば
朝、元気に響き渡る鳥のさえずりが、
日の出が早くなったことを知らせてくれます。
もうすっかり冬ともお別れの時です。
3月最終日曜日から10月最終日曜日までの間は
「夏時間」です。
長い一日を楽しめ、
夜は夜で日の沈んだ過ごしやすい時間を謳歌できます。
省エネのために始められた「夏時間」。
夜10時まで日が沈まない真夏には、
子供が小さかった頃は、
家中の雨戸を閉め切って夜を演出して、
ベッドに連れて行ったものでした。
夏時間は時間を1時間進ませるので要注意!です。
26年前、私がペルージャで初めて、
この「時間を変えること」を体験した日の話です。
クラスの友達が
「今晩12時にドーモ(聖堂)の前に、
家で一番大切な時計を持って行って、
市長の合図とともに時間を変えるんだよ」
と教えてくれました。
大きい時計を持っていなかった私は、
目覚まし時計にするか、腕時計にするか、
思案にくれながらも
このイベントのイメージで頭の中が一杯になりました。
ところが、これはまったくの嘘で
まんまとひっかかったというわけでした。
こんな事をも信じてしまうほど、
時間を変えるなんてことは、
私にとって新鮮だったのです。
もうひとつはリエティに居た頃のこと。
日本から来ていた友人を
ローマの空港まで車で送って行き、
帰りの車の中で、
その日から夏時間になっていたことに気がつきました。
真っ青状態でした。
後に日本に帰りついた友人から、
「イタリアでも飛行機が1時間も
早く発つことがあるんですねぇ」
と、無事到着の電話があったときの安堵感ときたら!
毎年、時計の針を動かすとき、
こんなことを想い出しては苦笑いいたします。
「全く要注意の夏時間」です。
さて、今回のお料理は春一番のパスタです。
野菜の香りを楽しまれて下さいね。
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春のスパゲッティ
■材料(4〜6人分)
スパゲッティ:500g
パプリカ(黄):半分
パプリカ(赤):半分
ズッキーネ:1本
アスパラ:10本くらい
なす:1本
トマト:3個
セロリ:半分
たまねぎ:半分
ニンニク:1かけ
オイル・塩・胡椒:少々
■作り方
☆下ごしらえ
・パプリカは天火の上火で真っ黒になるまで焼き
(10〜15分くらい)、
直にアルミホイルをかぶせてしばらく置く。
冷めたら皮がむきやすい状態になりますので
皮と種をとって、お好みの大きさに切る。
・なすも四角に切って塩を少々まぶす。
あくだしをして水気を良くしぼる。
・ズッキーネも四角に切ります。
・ アスパラは新鮮で柔らかいものでしたら
そのまま斜め切りする。
飾り用の数本は、スパゲッティを茹でるお湯で、
先に茹でておく。
・トマトは湯むきして種を取り出して四角切り。
・たまねぎは薄くスライス。
・セロリは小口切り。
・ニンニクはつぶして中の芯を取る。
☆補足
・時間がないときは、パプリカは下ごしらえを
しなくてもてもよいですが、
その時はたまねぎの後に直ぐ入れて下さい。
でも、下ごしらえすると甘さが格別ですし、
消化もよいので、ぜひお試しください。
・好みで黒オリーブを入れてもおいしいです。
・今回は柔らかそうななすがあったので
入れてみましたが、あくまでも主役はアスパラです。
他の野菜がない時は、
アスパラを沢山入れてみて下さい。
(1)大きめで厚さのあるフライパンか、
薄手鍋にオリーブオイルを入れ、
ニンニクを入れ香りを出す。
(2)ニンニクを取り出し、たまねぎを炒め、
次に、セロリ・なす・ズッキーネを炒め、
今回の主役のアスパラを入れ、
トマト、パプリカを加えてしばらく炒める。
塩胡椒で味付けをする。
焦げ付きそうになったら、
野菜スープや水を少々加える。
(3)鍋にたっぷりのお湯を沸かし、
大さじ1の粗塩を入れ、
スパゲッティをかために茹でる。
我が家で使っているスパゲッティです。
8分〜11分で茹で上がるものです。
(4)まだかなりかためと思うところで、
思い切ってスパゲッティをあげて、
炒めた野菜の方に入れます。
その時、必ず、ゆで汁は捨てずに取っておいて下さい。
スパゲッティはかなりかたい状態ですので、
ゆで汁を加え、塩胡椒で味を整え、
アルデンテ(※)になるまで味をなじませます。
少し水分が残っている感じです。
※ゆで上げたパスタの真ん中に
少し芯が残る状態のこと。
はい!
春スパゲッティの出来上がりです。
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デリケートな味の春の香りのスパゲッティです。
どうぞ試されてくださいね。
BUONAPPETITO! |
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