レシピその27
鶏肉お酢煮込みナディア風〜秋の思い出をとりとめなく〜 |
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皆様からの励ましで、今回、
1周年を迎えることができました。
本当にありがとうございます。
今回は、昔の話に戻って恐縮ですが、
この季節になると思い出すのは、田舎の生活です。
田舎の生活が、記憶に鮮やかに残っているのは、
まだ慣れていなかったイタリアでの毎日の出来事が、
新鮮だったからでしょうか。
それとも人と自然のふれあいが、
密だったからでしょうか。
いつもお隣さんに恵まれる我が家ですが、
結婚後、最初の引っ越しで
お隣になった方もいい方たちで、
お母さんのナディア、お父さんのエンツォー、
我が子より7歳年上の男の子ティツィアーノと、
5歳年上の女の子のサマンタという4人家族でした。
お父さんのエンツォーは、
青緑の瞳で背が高くスマートで、
「彼に見つめられると、もう、どっきりよね〜」なんて、
近所で噂されるほどで、優しく無口で働き者でした。
また、ティツィアーノとサマンタは、
お母さんのナディアが週3回、透析をしていたため、
その日は「お母さんを少しでも休ませてあげたい」と、
我が家にやってきて1日過ごす、優しい子たちでした。
我が子たちも、お兄ちゃんやお姉ちゃんが
家にいてくれるので、喜んで遊んでいました。
私はナディアの洗髪を、週1度手伝っていました。
彼女の髪にロールを巻いていましたが、
とても柔らかく、少なめの髪に
どれだけボリュームをつけられるかが腕の見せ所で、
その結果を見ることが毎回楽しみでした。
ところで、ナディア家は3匹の雑種犬を飼っていました。
トリフ探しの教育をしていたため、
穴掘りの得意な犬がいて、
犬小屋のそばから我が家の庭まで続く穴を掘っては、
我が家に入り込んでいました。
トリフの時期にはその恩恵にあずかり、
よくナディア家でトリフパスタをいただいたものです。
それから忘れられない楽しい年間行事にひとつに
「カエルパーティ」があります。
この日なら、という日に、男性達は、
懐中電灯でカエルに光をあてる係、
驚いて飛びあがったカエルをつかまえる係、
つかまえたカエルをカゴに入れる係、
と3人が一組になり、夜、暗くなってから出かけます。
女性軍は4、5家族分の長い仮設テーブルを庭に作り、
収穫したカエルたちを料理します。
料理はいたって素朴で、よく下ごしらえしたものを
揚げていただくのですが、
その姿から「バレリーナ揚げ」とも呼んでいました。
ミラノに来てから、
鮮魚屋さんでカエルを売っているのを見かけて、
ミラノでは買ってまでして食べるのか
‥‥と不思議な気持ちになりました。
今回ご紹介するのは、ナディア風鶏のトマト煮です。
「食事の支度をする時間がないわ」と
ナディアにむかって嘆くと、
彼女は必ずこのメニューを勧めました。
短時間でできるにも関わらず、
味はしっかりしていますので、
ワインとパンさえあれば、夕飯の主役になります。
お忙しい時に試してみてくださいね。
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鶏肉お酢煮込みナディア風
■材料(4人分)
鶏肉:骨付きのモモ4本
玉ねぎ:中2個(スライスする)
ニンジン:2本(スライスする)
セロリ:1本(スライスする)
ニンニク:1かけら
季節の野菜(今回はキノコ。分量は好みで)
ワイン:200cc
ワインビネガー:150cc(私はリンゴ酢を使用)
トマト水煮:1缶
オリーブオイル、塩コショウ:適量
ローズマリ・サルビア・月桂樹の葉:お好みで少量
■作り方
(1)オリーブオイルに潰したニンニクを入れ、
香りが出てきたら外に出し、鶏肉を入れる。
鶏肉は、まず、表面をこんがりよく焼き、
軽く焦げ目がついたら、裏返してよく焼く。
塩・こしょうをして、
スライスした玉ねぎ、ニンジン、セロリ、
ローズマリ・サルビア・月桂樹の葉を加える。
(2)ワインとお酢を入れる。
(3)季節の野菜(ここではキノコ)を入れる。
(4)蓋をして少し煮てから、トマトの水煮を入れる
(私は自家製のトマトピューレー使用)。
(5)蓋をして弱火で30分煮詰める。
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はい、できあがりです!
柔らかくなった鶏肉にびっくりです。
深めのフライパンひとつで作りました。
お忙しい時にはぴったりの料理です。 |