レシピその35
アマトリチャーナ(ベーコンとタマネギのトマトソースのパスタ)
〜お箸のこと〜 |
|
|
イタリアに住んでいて、
日本人として日本の文化を誇らしく思うことは
多々ありますが、
とくに料理のことになると「箸」という文化の
恩恵を受けていることを肌身に感じます。
ミラノにある日本食のお店で器用に箸を使って
上手にお寿司を食べているイタリア人を見かけるのも
めずらしくなくなって来た昨今ですが、
料理を作るときまで箸を使うイタリア人は
まだみかけません。
イタリアの友達と一緒に料理を作るときに
箸の便利さの講釈をしながら
菜箸(さいばし)で料理をしてみせると、
羨望の眼差しでみられます。
最近では、箸の便利さを知ったのか、
細さや長さが菜箸のようなトングが登場し、
こぞって使われ始めましたが、
トングだと動きに融通がきかず、
大きく開いたり、小さくちぢめたりと、
力を入れなくても自由自在にできる
箸にはかないません。
また、プラスチックでできたトングと違い、
木で作られている菜箸を使っての料理は
やさしくきめ細かく材料と
向き合えるような感じさえいたします。
みなさんはどの様なものとの出会いがありますか?
便利な物がたくさん増えているなかで
私は箸との出会いがある日本に生まれてよかったと、
うれしく思っています。
また、箸の使い方をいつも厳しく言ってくれていた
母に感謝しています。
さて、今回ご紹介するお料理は
リエティの家庭料理です。
ウンブリア洲、ラッィオ洲の特産物である豚。
その塩漬け肉を使い、
羊乳のチーズ・ペコリーノ・ロマーノをたっぷりかけた
アマトリチャーナです。
「アマトリーチェ風の」という意味で、
アマトリーチェと言う街の名前が由来の
ベーコンとタマネギのトマトソースのパスタです。
日本でもポピュラーですね。
我が家は冬はタマネギをたくさん入れますし、
トマト味もしっかりつけますが、
暖かい時期はタマネギを減らし、
トマトソースの代わりに、
フレッシュトマトを使うなど、
時期によって具をかえます。
オリジナルはトマトを全く使わないそうです。
材料の量はお好みで調整して、
ご家庭の味を作ってくださいね。
|
アマトリチャーナ
(ベーコンとタマネギのトマトソースのパスタ)
■材料(6人分)
グワンチャーレ(ベーコンでも可):120g
タマネギ:小1個からお好みで
トマトソース:300ccくらい
ブカティーニ(スパゲッティなどの他のパスタでも可)
:650g
ペコリーノ・ロマーノ
(パルメジャーノや粉チーズでも可):好みの分量
鷹の爪:少々
オリーブオイル、塩、白ワイン:少々
・グアンチャーレは豚の頬・顎部分の塩漬けです。
ベーコンで代用できます。
・タマネギはお好みの分量で。
・ブカティーニは太めのパスタで中心に穴の空いたもの。
スパゲッティで代用できます。
・ペコリーノ・ロマーノはくせがありますので
苦手の方はパルメジャーノや粉チーズにしてください。
☆下準備
・グワンチャーレ(ベーコン)を角切りにする。
・タマネギはスライスにする。
・チーズはおろしておく。
■作り方
(1)深めのフライパンに少々のオリーブオイルを入れ、
グワンチャーレ(ベーコン)を弱火で炒め、
油分を出させる。
(2)(1)に白ワインを入れてアルコール分を飛ばす。
グワンチャーレ(ベーコン)は別の器に取っておく。
(3)グワンチャーレ(ベーコン)を取り出した
(1)にタマネギを入れ良く炒める。
(4)塩入りのお湯でブカティーニ(パスタ)を
茹で始める。
(5)(3)のフライパンにトマトソースを入れる。
(5)取り分けておいたグワンチャーレ(ベーコン)を
フライパンに戻す。
(7)ちょっと固めに湯であげた
ブカティーニ(パスタ)をフライパンに入れ、
茹汁を少々加えながら味をなじませる。
塩味を整える。
塩味はベーコンや茹汁の塩加減がありますので、
味見をしながら調整してください。
(8)フライパンを火からおろし、
ブカティーニ(パスタ)を器にもってから
チーズを加える。
出来上がりです。
チーズは少なめにしておいて、
食べるときに個々の好みで加えてもらいましょう。
家庭的な懐かしい味のするパスタです。
慣れてきたら、上記の材料の量にこだわらずに、
ご自分のお味を見つけてくださいね。
なお、トマトなしのオリジナルのアマトリチャーナは、
(3)の玉ねぎにグワンチャーレ(ベーコン)を戻し、
そこに固めに茹で上げてたブカティーニ(パスタ)と
茹で汁を入れます。
茹で汁はトマト入りよりもたっぷり入れるのがポイント。
ブカティーニ(パスタ)にしっかりなじませます。
火からおろして、ペコリーノ・ロマーノを
たっぷり入れます。
最後に、今晩の我が家の夕飯です。
1月に作った手作りサラミを主役にした
サラダリコッタと
水牛のモッツアレッラを添えました。 |
|
|
|