レシピその82
野菜のグラタン〜1月6日エピファニアの日〜 |
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新年おめでとうございます。
日本のお正月はいかがでしょうか。
私の子供の頃は、
大晦日から一夜明けて元旦を迎えると、
年末の気ぜわしいリズムと全く変わって
羽子板遊びの独特な響きや、
子供達の歓声などが聞こえてくる正月でした。
のどかなゆっくりとした流れの中で、
気持ちは凛として、新しい年を迎えたものです。
日本の正月といえば、
子供の楽しみのひとつにお年玉がありました。
ここイタリアの子供の楽しみといえば、
1月6日のエピファニア(EPIFANIA)という祝日です。
ベファーナというおばあさんが
子供達が寝ている間に、
靴下の中にプレゼントを配る日です。
1月6日は東方の三博士が
キリストの誕生を星の導きにより知って、
イエスの誕生を祝いに来た日。
旅の途中、彼らは道を老婆ベファーナにたずね、
一緒に同行を促したにも関わらず、
ベファーナは忙しさのあまり断りました。
後悔したベファーナは、急ぐため、箒にまたがり
東方の三博士を追いかけ、
イエスを探して家々に煙突から入り、
どこの家にもプレゼントを置いていった‥‥
という伝説がエピファニアのもとになっています。
子供達は1月5日の夜に靴下を置いておき、
6日の朝にプレゼントを靴下から取り出します。
おりこうさんには甘いお菓子が入っていて、
おばかさんにはなんと炭や灰が入っています。
子供達はこのおばあさんのすることにドキドキです。
でもそこはイタリア。
炭といっても真黒な色で炭のかたちをした、
あま〜いお菓子がありますので、
大人たちは、それと他のお菓子などを
靴下に一緒に入れたりします。
友人のアントニアは孫と一緒に、
クリスマスの日から1月6日まで毎朝、
プレセーペ(キリストの生誕の様子を
ミニチュア人形で作り上げたもの)の三博士の位置を
少しずつ移動させます。
クリスマスの日には、キリストから
遠くに置かれていた三博士を
毎朝少しずつ移動させて
1月6日にイエスの前に置くのです。
そして大きな靴下の中にキャンディーと
小さい炭の端切れを入れてつるしておきます。
宗教観や教訓とまではいかなくとも、
孫に伝えるべき事柄を話している彼女の姿を見て
「伝承」というものは、
日常のささいなことをきちんと行い続けること、
そして、それをていねいに伝えようとする気持ちから
生まれていくものだと、つくづく思います。
さて、私たち大人にとっての1月6日は、
ベファーナがフェスタの終わりを告げ、
全てを掃き去って行く日でもありますので、
長い間飾っていたクリスマス飾りを片付けます。
急がないと2月には
すぐにカーニバルがやってきます。
さて、今回のメニューはお野菜を使ったものです。
お正月料理の材料であまったものがあったら
冷蔵庫の整理もかねて、
お使いになってくださいね。
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野菜のグラタン
■材料
ポロネギ:1本
セロリ:1本
ニンジン:1本
ジャガイモ:2個
カブ:半分
ウイキョウ:半分
パプリカ:4分の1個
マッシュルーム:大6個
バター:40g
(容器に塗るバターと
上にのせるバターは40gとは別に少々用意する)
小麦粉:40g
パルミジャーノチーズ:30g
ブロード(スープ)※:400cc
塩・ナツメグ:少々
※ブロードがない場合は、コンソメの素を使った
スープで代用してください。
その時はタマネギ、セロリ、ニンジン、
パセリの茎などの野菜でブロードを作り、
そこにコンソメの素を入れたほうがおいしいです。
☆下準備
・野菜は適当な大きさにカットする。
・オーブンを200度の温度であたためておく。
・グラタンをつくる耐熱性の皿を用意して、
皿の中にバターを薄く塗っておく。
■作り方
(1)それぞれに切った野菜を10〜15分蒸す。
(我が家の鍋は小さいので、
野菜を2回に分けて蒸しました。ご了承くださいね。)
(2)野菜を蒸している間に、
ベシャメルソース(ホワイトソース)を作る。
まず、鍋にバターを溶かす。
(ベシャメルソースは今回の料理に使う
倍の量を作るレシピになっています。
半分は冷凍して活用してください。
今後ロールキャベツや
野菜スープなどを作るときに重宝します。)
(3)(2)に小麦粉を入れて、
弱火で粉っぽさがなくなるまで炒める。
(5)泡立て器を使って、
ブロード(スープ)を少しずつ入れて
だまにならないように混ぜる。
(5)かき混ぜながら10分間、弱火で煮る。
(6)他の野菜も同じように蒸す。
(7)出来上がったベシャメルソースに
塩とナツメグを加えて味を整える。
(お好みでコショウを入れるとアクセントがつきます。)
(8)全ての野菜が蒸せました。
(9)バターをぬったグラタン皿の底に
ベシャメルソースを少しひき、野菜を並べる。
(10)ベシャメルソースを上にのせ、
パルメジャーノチーズとバターを所々に置き
200度で10〜15分焼く。
出来上がりです。
野菜が持つ優しい味わいが際立ちます。
熱々をどうぞ。
BUON APPETITO!
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