レシピその94
ソラマメのオイル漬け(保存食)
〜ミラノに夏到来〜 |
|
|
ミラノに夏が到来しました。
日が長くなり、夜を楽しめる季節です。
日没は夜9時くらいですので、
遅い夕飯をすませると、
夫婦のどちらからともなく、
「涼みに行こうか」と食後のデートをよくします。
たいてい、私の大好物のアイスクリームか、
夫の大好きなスイカを食べに行きます。
ある日、私の大好きなアイスクリーム屋さん、
「GROM」の支店がオープンしました。
私たち夫婦の食後デートをよく知っている
親しい友人から電話があり、
今日はオープン記念のイベントで、
アイスクリームをタダで好きなだけ食べられると
教えてくれました。
オープンした支店は、
車で30分かかるところでしたが、
羽根がはえたごとく、飛んで行きました。
老若男女が楽しめるアイスクリーム。
みんな、食べてます、食べてます。
中には、いくつものアイスクリームを
パッケージに入れてもらって
お持ち帰りする人もいて、
その姿を見たら私も勇気がわいてきました。
私が何個アイスクリームを食べたか?
それは内緒です。
楽しいミラノの夜デートでした。
ところで、先日、
読者の方から質問をいただきました。
木戸さんのレシピ、いつも楽しみに拝見しています。
ひとつ、レシピのリクエストがあります。
以前、小耳にはさんだのですが、
イタリアにはソラマメのオイル漬けのような
保存食があるとのこと。
そこで、去年は固めにゆでたソラマメを
オリーブオイルとバルサミコ、ローリエ、
粒こしょうなどで漬け込みました。
いただくときはチーズをふって
おいしくいただいたのですが、
本場イタリアではどのように作るのか、
どんなお味なのか気になっています。
ぜひぜひ木戸さんに教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
(k) |
メールをいただいて、とてもうれしかったです。
そして、この質問はとても興味深かったです。
といいますのも、
私は「ソラマメのオイル漬け」を
見たことも聞いたこともなかったからです。
さっそく、イタリア人の料理の先生に聞くと、
ミラネーゼの彼女も、
食べたことも、見たこともないとのこと。
「きっと南の方か、サルデーニャの
食べ物ではないか? 」とアドバイスをもらい、
今度は知り合いのサルデーニャ料理の
レストランに聞いてみましたが
それでもわからず、
サルデーニャ出身の
青果物店のご主人に聞いたところ、
やっと、どんな料理で、どうやって作るかを
知ることができました。
「ソラマメのオイル漬け」は、
南イタリアやサルデーニャの地方に伝わる
独特な保存食でした。
北イタリアではソラマメは料理によく使いますし、
最近では南イタリアのように
生でチーズといっしょにいただいたりもしますが、
保存食といえば、乾燥ソラマメが一般的です。
ミラネーゼの友人たちからも期待されて、
青果物店のご主人に教えていただいたレシピで、
「ソラマメのオイル漬け」を作りました。
そろそろ日本ではソラマメの季節が
終わるころだと思いますが、
手に入ったら、ぜひお試しになってくださいね。
|
ソラマメのオイル漬け(保存食)
■材料(2〜4人分)
ソラマメ:550g(さや入り状態で2kgでした)
水:300cc
ワインビネガー(白):300cc
オリーブオイル:必要量
塩:少々
ニンニク:少々
鷹の爪:お好みで少々
空きビン(煮沸消毒したもの)をいくつか
■作り方
(1)さやから出したソラマメを洗い、
後で皮をむきやすくするため、
ナイフなどで少し切れ目を入れる。
(2)ワインビネガーと水を鍋に入れ、
煮立ったところにソラマメを入れる。
(3)再び煮立ってから約3〜4分煮る。
ゆで時間は豆の大きさで調節してください。
固めに仕上げます。
(4)ざるにあげて、よく水分を取ってから、
フキンの上に広げます。
ソラマメの半分は皮をむきます。
(5)全体にまんべんなく塩をふります。
(6)水分が出てきたら
上からフキンでふきます。
(7)ビンに詰めていきます。
ニンニクや、お好みで鷹の爪を入れて、
オリーブオイルを入れながら詰めます。
最後はオリーブオイルでしっかりと
ソラマメの表面を覆います。
(8)2週間後から食べられます。
ソラマメはゆでたてもおいしいですから
作っている間に食べてしまって
どんどん量が減ってしまいがちですが、
保存食はまた違う味わいですので
全部食べてしまわないでくださいね。
2週間後は、前菜として
サラミやチーズといっしょに召し上がってください。
なお、「ソラマメのオイル漬け」の賞味期間ですが、
今回、私も初めて作りましたので、
どのくらい長期で保存できるかを
自分の目と舌で確かめられないのですが、
1、2年はだいじょうぶだと思います。
BUON APPETITO!
|
|
|
|