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アーカイブ 2009/12/13
 
レシピその106
ローマのニョッキ
〜待つしくみ〜


待つということ。
忍耐を持って待つ。
希望を失いかけながらも待つ。
ルールと情のはざまで悩みながらも待つ。
感情的にならず、
しかも自分の主張しながらも待つ。
「待つ」ということは、
この国に来て修練したことのひとつです。

イタリアに来た当初、
銀行での支払いや、郵便局での発送などに
時間がかかることは、日常茶飯事でした。
列ができても、順番を守らない人も多いですし、
あまりに待ち時間がかかるものですから、
そのエネルギー消耗は想像を絶するものでした。
それが、公共施設から少しずつ
快適に待たせるシステムができてきて、
気を荒立てることも少なくなってきました。
そのシステムとは、
来た順に受付番号が書かれたカードをとり、
掲示板に自分の番号が出たら、
用を足すというシンプルなシステムです。
最近では、このシステムが
生活の身近なところにまで普及してきました。

人気のある精肉店や、
毎日行くパン屋さん、そして
青空市のローストチキン屋さんなど、
今までは、待つときに混乱が混乱を生み、
みんなのエネルギーが
炸裂する現場でもあった店先も
今ではこの通り。
お行儀よく、
順番を安心して待てるようになりました。


▲9月に撮影したローストチキン屋さんです。


▲店に来たら、まず受付番号入りのカードを取り、
 電光掲示板に自分の番号が出るのを待ちます。



▲笑顔でお買い物を済ませることができます。

そして、驚いたことに、
ついにホームドクターの診療所にまで
このシステムが出現しました。
今までは電話で予約を入れていたのに
急な変貌です。


▲待っている人を整理する必要がなくなったので、
 秘書がいなくなりました。
 薬の処方箋を渡すのも先生がしています。



▲急患は別対応ですが、待っている患者たちは、
 こんな和やかな雰囲気です。


感情移入しすぎの傾向があるイタリア人には
このシステムはとっても有効です。
でも、このシステムになっても、
老人・妊婦・身体障害者は優先という
精神は変わりません。

さて、今回ご紹介する料理は、
素朴なニョッキです。
クリスマスにいかがですか?
ローマのニョッキ

■材料(4〜6人分)

☆ニョッキの生地分
セモリナ粉:130g
ミルク:500cc
卵黄:1〜2個
パルミジャーノチーズ:30g
生ハム:50g
バター:15g

☆ニョッキの下にしくソテー用
ほうれん草:400g(生の状態で)
バター:60g
バター(耐熱皿に塗る用):適量
ナツメグ・塩・コショウ:適量

☆最後に焼くときに加えるもの
パルミジャーノチーズ:10g
バター:適量




■下準備
・材料を計っておく。
・パルミジャーノチーズはすっておく。
・ほうれん草はゆでて適当な大きさに切り、
 よく水気をしぼっておく。
・生ハムは細かに刻んでおく。
・ナツメグはすっておく。




■作り方

(1)鍋を水で濡らしてからミルクを入れ、
沸騰直前になったら火を弱め、
かき混ぜながら、
セモリナ粉を少しずつ入れていく。



(2)だまができないように気をつける。



(3)バターを入れる。



(4)10分ほど練る。



(5)(4)を火からおろし、
かたさを確かめながら、
卵黄をひとつずつ加えていく
(今回は1個半入れました)。



(6)パルミジャーノチーズを入れて
かき混ぜる。



(7)バターを塗った耐熱皿に生地を入れて
生ハムをのせ、
1cmくらいの厚さになるように
手や棒で押しながら延ばし冷ます。



(8)ほうれん草をバターでさっと炒め、
塩・コショウ・ナツメグで味を整える。



(9)バターを塗った耐熱皿に(8)をしく。



(10)(7)のニョッキの生地を型で抜く。
(型のかたちはどんなかたちでもよいです)。



(11)型抜きにしたものをほうれん草の上にのせる。



(12)バターをちぎってのせ、
パルミジャーノチーズをまんべんなくかけて
グリルで10分焼く。
(オーブンの場合は250度くらいで10分)。



出来上がりです。
熱々を召し上がってくださいね。

この料理はいつもはソースなしで
いただきますが、
今回はクリスマス用ということで
ソースで華やかさをプラスしてみました。
ソースは、ゆでたジャガイモと
トマトペーストを
ハンドミキサーでソース状にして、
オイル漬けのドライトマトを
細切りにして加えたものです。
お好みでいろいろなソースを
試してみてくださいね。

BUON APPETITO!



 
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