レシピその118
ほうれん草のスフレ 〜鼻をかむ音〜 |
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花粉の季節です。
今年のミラノは雨が多いせいか、
例年に比べれば少ないですが、
ポプラの花粉が飛び始めました。
初めてポプラの花粉を見たときは、
まるであられか雪かと思いましたし、
地面も雪がうっすら積もったようになります。
飛散が激しいときは、
外で大口を開けて笑うと
口の中に飛び込んできそうになりますし、
もちろん、家の中にまで入りこんできます。
この時期によく耳にする
イタリア人の鼻をかむ音は、
今でもその場面に出会うたびに
その「轟き音」に驚きをかくせません。
大勢がいるなかで、唐突に、
そして遠慮なく轟かせる人々。
だれが鼻をかんだか明解に
周囲の人たちにもわかるのです。
私たち日本人は、
なるべく周囲にさとられないように
静かに「チーン」「ずるー」
といった感じでかみますし、
時には、別部屋にわざわざ行って
かんだりします。
イタリア人の激しいかみ方をする
男性や中年層の女性は、
ハンカチや日本のティッシュより
たいそう厚い「紙ハンカチ」を持っており、
器用にも片手で鼻をつまみ、
片方ずつ短く激しい音で
「ちいいいんー!」
「チクワァーン!」
「チクイーン!」
‥‥と、管楽器のような音で、
センセーショナルな大音響で鼻をかみます。
「よーい、ドン!」という声とともに、
青空たかく響く
運動会のピストルの音にも負けません。
その上、使った「紙ハンカチ」を捨てずに、
何回も使用する人もいます。
鼻をかむときの音の出し方の違いは
マナーの違いもあると思いますが、
鼻腔の空洞の広さの違いも
あるかもしれないと思うのです。
私たちが同じような鼻のかみ方をしたら
耳まで壊れそうです。
「一度に全てを出しきり、
勢いで詰まっている鼻を通すのだ」
と聞いたこともありますが、
調べてはいませんが、
きっと鼻汁の質の違いも
あるのではないかと思います。
お料理のメニューを
ご紹介するのに尾籠な話になってすみません。
鼻をかむ音を、雑音ではなく、
音色に感じさせてしまうおおらかさは
さすがイタリアですね。
さて、今回のメニューは
綿毛のようにふわふわとした口当たりの
ほうれん草のスフレです。
どうぞお試しになってくださいね。
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ほうれん草のスフレ
■材料
●スフレ(カップ大の型6個分)
ほうれん草(※):300g
※ゆでると200gに。
スフレ用150gとソース用50gに分ける。
卵:3個
パルミジャーノチーズ:大さじ1
塩・コショウ:適量
型に塗るバター:少々
パン粉:少々
ベシャメルソース:250cc
●ベシャメルソース(ホワイトソース)の材料
ミルク:250cc
バター:25g
小麦粉:30g
塩:適量
●お好みで
飾り用のほうれん草入りチーズソースの材料
クリームチーズ:70g
ゆでたほうれん草:50g
ミルク:大さじ2
塩・コショウ:少々
●お好みで飾り用のベーコン
ベーコンを好みの大きさに切り、
カリカリに焼いておく。
■下準備
・ベシャメルソースを作ります。
(1)小鍋にバターと小麦粉を入れる。
(2)こげないように弱火でゆっくりと炒める。
(3)あたためておいたミルクを
少し入れてかき混ぜ、
全体がなじんだら
残りのミルクを数回に分けて入れる。
固めのベシャメルソースの出来上がり。
・カップ大の型にバターを塗る。
・バターを塗った型に
細かくしたパン粉をつけて、
軽くたたいて余分なパン粉を取り除く。
・ほうれん草は塩少々を入れたお湯でゆで
よく水を切る。
・卵は白身と黄身に分る。
・パルミジャーノチーズはすっておく。
・オーブンを180度にあたためておく。
■作り方
(1)ゆでたほうれん草に黄身を入れて
ハンドミキサーで撹拌する。
(2)パルミジャーノチーズを入れる。
(3)ベシャメルソースを入れて
塩・コショウで味付けする。
(4)白身をしっかりあわ立てる。
(5)(4)を(3)に何回かに分けて入れて、
その都度、よくかき混ぜる。
最初は(4)の3分の1くらいがよい。
(6)(5)をカップ大の型に入れ、
台となる焼き型に並べる。
台の高さの半分くらいまでお湯を入れて、
180度のオーブンで30〜40分焼く。
(7)ふっくらとして
表面に軽くこげ色がついたら出来上がり。
※オーブンによって焼き時間が異なるので、
こげ色がつくのを目安に調整してください。
飾り用のほうれん草入りチーズソースは、
クリームチーズにゆでたほうれん草と
ミルク、塩・コショウを入れて、
ハンドミキサーで撹拌すれば出来上がり。
さらに焼いたベーコンを添えてみました。
ふわふわのあたたかいうちにどうぞ。
BUON APPETITO!
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