ほぼ日刊イトイ新聞 - イタリアンマンマの直伝レシピ


	2010/08/22

レシピその124
ヨーグルトを使うフルーツティラミス
～エレベーター事件～

ミラノはまだまだ夏です。
この暑い中、熱い出来事がありました。

先日、買い物帰りに
ご近所のベアトリーチェからお声がかかり、
彼女の菜園の野菜をたくさんいただきました。

大好きな新鮮な野菜、
大好物のよく熟れた桃、
さらには肉などで私の両手はふさがり、
喜びのパニック状態になりました。

急いで家に帰ろうと
アパートの１階でエレベーターをよぶと、
停まる前に異常な音がしました。
このエレベーターには
閉じ込められた嫌な経験が数回あるので、
荷物だけエレベーターの中に入れ、
自分は４階の我が家まで階段で上がり、
４階でエレベーターを呼びました。
なんと予想があたり、
エレベーターは２階で停まってしまいました。
２階まで行き、
外からドアを開けようとしても開きません。
喜びのパニックが宙に浮き、
ただの「パニック」になってしまいました。

あわてて、エレベーターの管理会社に電話して、
状況を説明したところ、
金曜日の夜なので、修理は月曜日になるとのこと。
エレベーターの中には生鮮食料品が入っています。
月曜日まで待つわけにはいきません。
私は、いますぐに来て欲しいと訴えました。

数十分後に来てくれた彼は、
怒りで燃えています。
「シニョーラ、荷物と人間は
　いつも一緒に乗ってくれ！」
「？」
「人がいたら、
　エレベーターの中から開けられる！」
私は、閉じこめられた経験から、
「そんなことはない」と反論しましたが、馬耳東風。
彼はさらにエスカレートして、
「こんなことになったのはあなたのせいだ！
　月曜日の修理が終わったら
　請求書をあなたに送るから！」と言われ、
「なんですって？　共同費の方に送ってください」と私。
お互いに怒りの火は強く燃え続けています。
「検査や管理がしっかりとできていたか、
　そこに問題があったかもしれませんね」と、
彼の神経を逆なでるようなことを
言ってしまったからでしょうか？
約束の月曜日には
「修理中につき使用禁止」の札を下げに来ただけで、
修理されたのは、１週間後のことでした。

自分の非を認めたくないとき、
相手を排するために発する
エネルギーの強い表現にいささか負けてしまいます。
お互いの言葉が引き金になり、
燃え上がったしまった暑い夏の出来事でした。

今、よく考えてみると、
彼は夕飯中だったかもしれませんし、
私は夕飯を早く作る気持ちでいっぱいでしたし、
ふたりともお腹が空いていたことが
火に油をそそぐ原因だったかもしれませんね。

このようなことがあった後は気落ちします。
こんなときは元気をくれる
「ティラミス」が一番です。
季節の果物を使って
爽やかな甘さにしました。
どうぞお試しください。

ヨーグルトを使うフルーツティラミス

■材料（４人分）

季節のフルーツ：お好みで
今回は、白桃１個、アプリコット２個、
プルーン２個、ブルーベリー少々を使いました。
サボイアルディ（フィンガービスケット）：大４本
生クリーム：100cc
プレーンヨーグルトギリシャタイプ：170g
蜂蜜：30g
砂糖：大さじ１
レモンの皮：半分

・キャラメルソースの材料
　砂糖：200g
　水：50cc
　熱湯：140cc

■作り方

（１）キャラメルソースを作ります。
深いフライパンに砂糖と水を入れて
中火にかける。

（２）色がつき始めたら
一度フライパンを大きく回し、
全体的に混ぜる。

（３）焦げ色になったら火を止めて熱湯を入れる。
（飛びはねに注意してくださいね）

（４）木ベラで混ぜ合わせて
あたたかいうちに煮沸消毒した瓶に入れて
フタをします。
※この分量は多めに出来上がります。
　保管して、他のお菓子に使ってくださいね。

（５）果物は飾り用と中身用に分け、
飾り用はスライスし、
中身用はさいの目切りにする。

（６）中身用に砂糖を加えて混ぜ合わせ、
砂糖がとけてシロップ状になるように
10分くらい置く。

（７）ヨーグルトにレモンの皮を
すって入れる。

（８）（６）のシロップを大さじ１ぱい入れて
かき混ぜる。

（９）蜂蜜を入れて、かき混ぜる。

（10）クリーム状に泡立てた生クリームを入れて
かき混ぜる。

（11）入れ物に（10）のクリームをしいて、
フルーツを入れる。

(12）その上に、サボイアルディを割って入れる。

（13）フルーツとシロップを入れる。

（14）その上からクリームを重ねる。

（15）フルーツを飾り、ラップをして、
冷蔵庫で２時間以上冷やす。
（サボイアルディがしっとりします）

（16）食べる前にキャラメルソースをかける。

はい、出来上がりです。

BUON APPETITO！