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アーカイブ 2010/11/28
 
レシピその131
秋のラザーニャ〜チーズ工場見学〜


友人からの紹介でフィデンツァにある
パルミジャーノレジャーノチーズの
製造所に行って来ました。

ここでは肝っ玉マンマのオルネッラと
息子のファッビオが、
毎日、早朝からチーズを作っています。


▲オルネッラとファッビオと一緒に。

オルネッラは結婚後、夫の仕事のチーズ作りを
毎日手伝いながら製造法を学んだそうです。
その後、夫が長い闘病生活に入り、
夫の治療にたずさわりながらも、
このチーズ製造所の采配をふるってきました。
ある時、ついに自分ひとりの力の限界を感じて
息子に相談したところ、
「ふたりでしよう」と決断してくれたそうです。
その代わり
「いつもそばにいてほしい」と要望され、
今まで二人三脚のようにして、
夫の亡き後も製造所を継続してきました。
この親子ふたりが作り出す
この地区伝統のチーズ作りをご紹介しますね。

イタリアのテーブルには欠かせないこのチーズは、
日本でも、もうおなじみです。
グラーノとも呼ばれる独特な口当たりの
白いつぶつぶは、
熟成過程でできるアミノ酸の結晶です。
このつぶつぶはどのようにできるのでしょう?
興味深い製造工程をごらんくださいね。

ミルクはこの地区の牛のものを使用します。
ミルクを一晩置いて、乳脂肪分を抜いたものと、
当日の朝に絞り乳脂肪分があるものを
混ぜ合わせて使います。


▲一晩置いたミルクです。
 乳脂肪分を除いた部分がチーズの原料になります。
 残った乳脂肪分は
 バターや生クリーム作りに使います。



▲今朝しぼったばかりのミルクをあたため、
 乳脂肪分を除いたミルクと
 酵素を入れて固まらせます。
 表面に層ができてくるので、
 写真のように、道具でかき混ぜていきます。



▲ざらざらな感じになっていきます。


▲温度を上げて煮詰めながら、
 粒の状態を確かめます。



▲手で何度も粒の大きさや
 水分状態を確かめます。



▲きめ細やかなコミュニケーションを
 大切にしているからこそ、
 伝統を伝えることができるのでしょう。



▲温度をさらに上げて、
 底に出来上がったチーズをすくい上げ、
 麻の布に入れてかたちを整えます。
 これは100kgにも達します。
 後でふたつに分けて、型に入れます。



▲丸い型に入れて
 7、8時間かけて水分を抜きながら、
 かたちを整えます。
 チーズ名と製造日が記されている
 プラスチックを型の内側に入れます。
 出来上がりの大きな塊を見ると、
 名前と製造月日がわかります。



▲金属の枠に数日入れます。
 「抱かれて育つチーズなの」と
 オルネッラの説得力ある言葉です。



▲塩水の大型桶に23日間入れます。
 毎日このように裏表を返します。
 塩分の濃度を飽和状態に保つために、
 桶の隅には塩が入っていました。



▲塩水から上がったチーズは
 表面を掃除されて、熟成庫に並べられます。
 2週間ごとに表面を磨かれ、
 1年後に協会の厳しい品質検査を受けて
 合格した物に、
 やっと「パルミジャーノレジャーノ」の
 焼き印が押されます。



▲24ヵ月後には50kgのチーズが
 35kg前後になるそうです。
 ここの親子のように、なんとも優しく、
 また芯の力強さを感じるお味でした。


さて、今回のお料理は、
このチーズをたっぷりと使ったラザーニャです。
ソースは少なめにして季節のキノコを入れました。
軽い味のラザーニャです。どうぞお試しくださいね。

秋のラザーニャ

■材料(4〜6人分)

生パスタ(長方形のもの):320g
キノコ:350g(掃除前)
ホワイトソース:350〜400cc
ミートソース:350〜400cc
パルミジャーノ:70g
バター:10g(キノコ用)と適量
イタリアンパセリ:少々
塩・オリーブオイル:適量



■作り方

(1)掃除したキノコをスライスにして
バターで炒める。



(2)軽く塩をして、水分がなくなるまで
しっかりと炒めて、
微塵切りしたイタリアンパセリを入れる。



(3)水に塩とオリーブオイルを少々入れて
パスタを数分ゆでる。切らないようにすくう。



(4)(3)のゆでたパスタを水に入れる。



(5)水からすぐに引き上げて、
布巾に広げる。



(6)上からも軽く押さえて、水分をよく取る。



(7)バターを塗った耐熱容器に
しわを少し寄せながらパスタを敷く。



(8)ホワイトソースを敷く。



(9)ミートソースを敷く。



(10)(2)のキノコを並べる。



(11)パルミジャーノをかける。
(8)〜(11)をあと3回繰り返して、
4段つくる。



(12)4段目ができたら、
バターを少々ちぎってのせる。



(13)ところどころにフォークで穴を開け、
180〜200度のオーブンで30〜40分焼く。



はい、出来上がりです。
アツアツをお召し上がり下さい。

Buon Appetito!


 
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