ほぼ日刊イトイ新聞 - イタリアンマンマの直伝レシピ


	2012/08/12

レシピその175
オリンピック
～ズッキーニのペーストのパスタ～

今年はめずらしくオリンピックを
夢中になって観ています。
いままでは、どんな競技を観ても、
勝負の独特の緊張感が伝わってきて、
感情移入と気持ちの高揚で
身体中がこわばってくたびれてしまい、
しっかり観ることができませんでした。

しかし、今回のオリンピックは違います。
テレビで何回も流れる
オリンピック公式スポンサーのCM、
「母の愛～ベストジョブ」が私を変えてくれました。
そのCMは、マンマとその子供の成長に
焦点があたったもので、イタリア語で最後に、
「世の中で一番忙しく、骨が折れる仕事、
　そしてもっともすばらしい仕事でもある。
　心から感謝します、マンマ」
とメッセージが出ます。
別バージョンでも、
母が子供を支えて来た喜びの映像とともに、
「選手たちを支えているのは
　母親の愛です。
　マンマ、ありがとう。」とメッセージが出ます。

母親の琴線に触れるセリフが文字になり、
素直に目に飛び込んできます。
そう、私は今回のオリンピックは、
マンマの気持ちで観ています。
もしも、選手が我が子でしたら、
勝敗のいかんではなく、
まず努力の成果を賞賛してあげたい気持ちになります。
そして、長い間、ずっと努力してきたことを、
どのように表現するかが楽しみで、
どのスポーツも観ることができてます。

あと、今回のオリンピックは、
番組案内の映像もよくできていて、
とても惹きつけられます。
番組案内の映像には選手達は映っておらず、
植物や動物、風景などのイメージ映像で
競技を表現しています。
たとえば、「重量挙げ」は、
最後に割れたコンクリートを持ち上げて
のびのびと出てくる小さい新芽で表現されます。
「水泳」ですと、
深海の中を悠々と光を放しながら泳ぐ鮫の姿。
「飛び込み」は、
イチゴがミルクの中にポンと入ったり、
小鳥が水に飛び込み水気を払う姿や、
氷山の一角が崩れて海に飛び散って落ちて行く様、
そんな瞬間的な極みの映像から、
オリンピックで発揮される美しく、力ある姿が、
イメージとして重なります。
微笑んでしまうものは
ペンギンが連なって歩く姿の「競歩」。
思わずペンギンの気持ちになって、
いったい誰が自分たちのあの歩き方を、
人間にさせ、スポーツまでにさせたのでしょう、
と思ってしまうくらい似ています。

あの「マンマ、ありがとう」のCMが
私の視点を変え、開眼させてれたおかげで、
オリンピック競技とその番宣まで
楽しんで見ることができ、楽しい夏です。

さて、今回ご紹介するレシピは、
夏の野菜の王者、ズッキーニ。
ズッキーニのペーストでつくったパスタです。
ふだんはあたたかいままいただくパスタですが、
今回は、冷たいパスタにしてみました。
どうぞお試しくださいね。

ズッキーニのペーストのパスタ

■材料（２～４人分）

ズッキーニ：300g（うち40gはパスタとゆでる）
ズッキーニの花：６本
バジリコ：15g
アンチョビ：２本
ニンニク：１欠片
パルミジャーノ：ティースプーン３杯
アーモンドダイスカット：25g
エキストラバージンオリーブオイル：大さじ３
塩、コショウ：適量
パスタ（３分ゆで）：180g

■下準備
・ズッキーニ40gは棒状に切る。

・ズッキーニの花の雄しべを取り除く。

・レンジ500度で30秒蒸します。

・ズッキーニのスライスをレンジ500度で2分蒸す。

・冷ます。

・アンチョビは塩を洗い、開いて骨を取る。
バジリコは葉だけを取り、
ニンニクは芯を取り除く。
全てを一緒に微塵切りにする。

・以下の写真くらい細かくします。

■作り方

（１）蒸したズッキーニを角切りにして、
フードプロセッサーに入れて、
さらにパルミジャーノと塩、
エキストラバージンオリーブオイルを入れる。

（２）撹拌してペースト状にする。

（３）花を大きめに切る。

（４）出来上がったペーストに入れる。

（５）コショウと塩を入れ、味付けする。
（後でアンチョビが入るので塩は控えめに）

（６）バジリコの微塵切りを入れる。

（７）アーモンドを入れてかき混ぜる。
これでズッキーニペーストの出来上がりです。

（８）パスタを塩入りのお湯でゆでる。

（９）アルデンテにゆでて火を止めて、
ズッキーニを入れ、30秒くらいおく。

（10）水でざっと流して冷やした後、
水気をよく切る。

（11）パスタとペーストを合わせる。

（12）全体によく混ざったら、
塩味をみて味を整える。

出来上がりです。

冷たくサッパリとした口あたりですので、
おかわりをしたくなりますよ。
どうぞお試しくださいね。

BUON APPETITO!