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アーカイブ 2014/07/20
 
レシピその224
リコッタチーズのサラダ
〜リエティのチーズ作り〜


リエティにすんでいた頃、
羊飼いの家族たちが暮らす
「スイス渓」と呼ばれる村に
行ったことがありました。
そのことがいまでもわすれられません。
彼らの生活と食事に触れたことは、
豊かさの原点を振りかえるよい機会でした。
同時に、軽い衝撃を受けたことを
今でも覚えています。

その「スイス溪」近くのフィアミニャーノ村に
友人のマルチェッロが連れて行ってくれました。
ペコリーノ・ロマーノと
リコッタチーズの製造過程を見てきましたので、
その様子を写真でお伝えしましょう。


▲標高1000mのところに
 ジョバンニの自宅と製造所があります。



▲ジョバンニ65歳と奥さんのアッスンタ63歳。
 一日の休みもなく、毎日チーズ作りをします。
 飼っている羊は300頭。その中に乳羊は80頭います。
 「羊の乳が毎日でるからね」とアッスンタさん。



▲まずは夏の草の香りがするというミルクの味見から。
 鍋は45年間使用している銅鍋です。



▲38〜40度に温めます。
 1個あたり1〜1.2kgのペコリーノチーズを
 つくるためには10Lのミルクが必要です。
 今日は35Lで作ります。



▲子羊の胃袋から作ったCAGLIO(凝乳酵素)を
 少しの水で溶かします。



▲それをガーゼを通しながら入れて、
 15〜20分休ませます。



▲かたまってきました。


▲出来たてホヤホヤのカード。
 カードとはミルクのタンパク質がかたまったもので、
 絹ごし豆腐の舌ざわりです。
 一緒にきたフランチェスカも、
 初めての味わいを楽しみました。



▲かたまってきたカードを撹拌します。
 火を入れて再び45度にして休ませます。



▲またまた味見です。
 「子ネズミ」と呼ばれる下にできたカードを
 手で絞って水分をとった物です。
 チーズらしい味と歯ごたえが出てきました。
 おいしさに全てがゆるみます。



▲下にかたまったカードを手で丸くして、
 糸で切って割り型に入れます。



▲よく押さえて形を整えます。


▲また軽く押さえて余分な水分を取ります。
 4、5時間水切りをして、片面に塩をふります。
 そして、朝になったら、もう片面に塩をします。
 この塩を洗って熟成させると、
 ペコリーノ・ロマーノになります。



▲リコッタチーズを作ります。
 鍋に残ったホエー(乳清)に
 ミルクと塩少々を加え、
 もう一度65〜80度に温めて、
 上に浮いた泡を取り除きます。



▲セイヨウサンザシで作った棒に、
 かたまった物が付着してきました。



▲穴あきのお玉で
 表面の物をすくって型に入れます。



▲自然に水分がとれるように穴があいています。
 液体がとれてかたまったら
 リコッタチーズの出来上がりです。
 リコッタとは「再び煮た」という意味ですが
 リコッタチーズはホエーを
 むだなく使ってできる副産物ですね。



▲こちらは、奥にある熟成室。


▲左端が友人のマルチェッロ。
 ご近所さんも集まりました。



▲チーズをつくりはじめると
 想定20歳くらいの野良猫「ねこちゃん」がきます。
 新鮮で栄養分たっぷりの生活を送っている
 幸せな「ねこちゃん」です。


さて、今回ご紹介する料理は、
このリコッタチーズのサラダです。
さわやかな味をお楽しみくださいね。


リコッタチーズのサラダ

■材料(2〜4人分)

リコッタチーズ:150g
熟トマト:大1個
梨:4分の1個
紫タマネギ:少々
レモン:少々
バジリコ:数枚
パン:好みの分量
砂糖:少々




■作り方

(1)洗ったトマトを薄切りにする。



(2)お皿にトマトを広げて
砂糖少々を全体にかけ、
冷蔵庫で15分くらい冷やす。



(3)サイコロ切りにした梨にレモン汁をかける。



(4)タマネギを薄切りにする。



(5)(4)にレモン汁を少々かける。



(6)パンを薄く切ってオーブントースターで焼く。



(7)トマトの上にほぐしたリコッタチーズを広げる。



(8)タマネギをのせる。



(9)梨を散らす。



(10)バジリコを手でちぎりながら散らし、
焼いたパンを添える。



はい、出来上がりです。
個々のお皿に分けて、
オリーブオイルやバルサミコ酢、レモン塩など
お好みで味付けして楽しんでくださいね。

BUON APPETITO!


 
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