初めて訪問するお宅の玄関のドアが開き、
一歩入ると、目を見はることがときどきあります。
それは、住んでいる方たちの
人生まで感じるインテリアであったり、
暮らしぶりを物語る様子であったり、
いろいろありますが、
思わず声をあげてしまうほどの驚きがあるお宅は
今回が初めてかもしれません。
ルイージ・プリーナさんのお宅です。
▲紙飛行機がいっぱい。
▲ルイージ・プリーナ(Luigi Prina)さん。
2月28日で85歳。引退する前までは建築家でした。
たくさんある飛行機のひとつずつに表題があります。
左上に見えるのは「ノアの箱舟」です。
ルイージさんは16歳のときに、
フィレンツェで行われた模型飛行機の大会で優勝します。
表彰式に行ったとき、
係の人から「きみのパパはどこにいるの?」と
親に付き添って来た子どもと間違えられたそうです。
小さいころは絵を描くのが好きで、
11歳のころから模型作りに興味を持ったそうです。
それでは、もう少し彼の家をご案内しましょう。
▲制作スペース。
ビンを使って作った竹ひご入れには、
目が描かれています。
竹ひごを入れるというより、
口から飛び出ている感じがして、ユニークです。
彼の自由な発想が伝わってきます。
彼が作る模型飛行機は全て飛ぶのが前提ですが、
大切な部品のゴムは全て日本製、
紙は和紙などを使用しています。
▲天井に狭しとかけられている模型飛行機。
制作中の物もあります。
▲居間。
ルイージさんと奥様のマリア・テレーザさん。
1月24日に結婚60周年を迎えました。
ルイージさんとマリアさんが知り合ったのは、
大学生のころ。
バカンスで過ごしたドロミテで出会ったそうです。
ルイージさんはミラノ在住、
マリアさんはローマ在住で遠距離恋愛でしたが、
卒業するまで、長い間文通をしていたそうです。
「僕は毎日のように手紙を書いたね」。
「彼の便箋はいつも白だったけど、
私はピンクの便箋も使ったのよ」と、
愛情たっぷりの会話に、
長い間に蓄積されたふたりの信頼感が漂います。
▲ルイージさんの模型飛行機を題材に、
日本から絵を描きに来られた日本画家の山口夫妻。
こちらは新婚ホヤホヤさんです。
最後に彼の新作をご紹介します。
表題は「羽を付けた月(飛ぶ月)」。
ロマンチィックな気分になったときに作ったそうです。
ルイージさんの飛行機は、舟のかたちでも、
自転車のかたちでも、
このような月のかたちをしていても、
飛ぶことができます。
この月の模型飛行機が飛んでいる姿
も見たいと思いました。
さて、今回ご紹介するお料理は、
紙飛行機のように軽い味の
モッツアレッラとプンタレッタの組み合わせです。
どうぞお試しくださいね。
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モッツアレッラとプンタレッラ
■材料(2人分)
モッツアレッラ:250g(今回は水牛のものを使いました)
プンタレッラ:1株(好きな分量)
オリーブオイル:大さじ3
ニンニク:1欠片
アンチョビ:2〜3片
☆下準備
・モッツアレッラは常温15〜20度のところにおく。
・プンタレッラは洗い、小分けにする。
・付け根の硬い部分を切り落とす。
・縦に棒状に切る。
・ニンニクは芯を取り除き、潰しておく。
■作り方
(1)モッツアレッラを容器ごと、
50度くらいのお湯につけてあたためる。
(2)オリーブオイルを入れたフライパンを傾けて、
ニンニクを入れ、香りを出す。
(3)プンタレッラを入れる。
(4)塩を少しだけ入れて中火で炒める。
後で入れるアンチョビの塩分が出るので、
塩は少な目で。
(5)アンチョビを入れる。
(6)アンチョビが崩れて、
全体にまわるようにかき混ぜながら、
4、5分炒める。
はい、出来上がりです。
あたたまったモッツアレッラを切って、
プンタレッラの上にのせます。
プンタレッラの苦味とモッツアレッラの組み合わせを
お楽しみ下さいね。
BUON APPETITO!
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