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アーカイブ 2017/08/20
 
レシピその300
小イワシの揚げ物
〜なんでもないことの幸せ。〜


今回で連載300回を迎えました。
みなさま、ご愛読をありがとうございます。

この夏も日本に戻り、
実家、茅ヶ崎の海の空気を
からだに染み込ませてきました。
日本では、イタリアでは味わえない
滋味のような幸せを感じることが多々あります。
夫の個展でお会いできた友人たち、
特に今年はたくさんの懐かしい友人たちと会えて、
時間がさかのぼりました。
そして、友人たちの今を知ることで
時の流れのはやさに驚きました。
「毎日が楽しかったね」と
子育ての思い出話になると、
大変なこともあったけど、
楽しいことが心に刻まれているのは
助け合いながら子育てができた賜物だと思います。

そして何より、実家で母と一緒に過ごすことが、
私の心に平静な幸せをもたらします。
なんでもないことを母と一緒にする。
そのとき流れる時間に幸せを感じます。
切り取った「今」の話ではなく、
一緒に過ごしてきた時間を重ねた上にある
「今」なのだとつくづく思います。
いろいろな感情と共に過ごし、
積み上げて来た、なんでもないこと。
それが心に響き渡ります。
その幸せは、
母以外の人を想うときにもありますが、
老いてきた母には、
特別に心が揺さぶられます。
そんな私の大切な時間を御覧ください。


▲一緒にお裁縫。
 新しいズボンの丈を直し、
 履きやすくするための工夫をします。



▲料理をします。
 92歳の母は私より手がはやいです。



▲ナスを友人の畑で収穫。
 土の香りや、蒸せるような香りが好きです。
 そんな私のよろこびの原点を知る
 友人が連れて行ってくれました。



▲この実りにどのくらいの労力が必要なのでしょう。
 育てずに、収穫だけさせてもらえることがありがたく、
 頭が下がりました。



さて、今回ご紹介するメニューは
小イワシの揚げ物です。
茅ヶ崎出身の私は小イワシで育ちました。
大好きな魚の一つです。
パン粉が足りなかったのでグリッシーニを足しました。
いろいろとアレンジしてお楽しみ下さいね。
バルサミコをつけたら母によろこばれました。
みなさんもお試し下さい。


小イワシの揚げ物

■材料(2〜3人分)

小イワシ:8匹
パン粉:100g
グリッシーニ:数本
※グリッシーニはパン粉が足りないため、
 補充に使いました。

パン粉のみの場合はパン粉120gをご用意ください。
レーズン:大さじ2
松の実:大さじ1
小イワシの塩漬け:数枚(アンチョビオイルでも可)
イタリアンパセリ:適量
にんにく:1欠片
レモン:半分〜1個(好みの分量で)
オレンジ:半分〜1個(好みの分量で)
白ワイン:50cc
小麦粉:少々
つけあわせの野菜:緑野菜(お好みのものを)
揚げ油:適量
EVオリーブオイル : パン粉炒め用に大さじ4、飾り用に適量。




▲今回、つけあわせに使った緑野菜は、
 イタリア野菜のカタローニャです。



☆下準備

・小イワシは頭を取って指で開き、
背びれなど取り除く。



・グリッシーニは袋に入れて、
棒で叩いて細かくする。
つけあわせ用を少し残し、
ほかはパン粉と合わせる。



・オレンジとレモンの皮をよく洗い、
微塵切りにする。
・にんにくとイタリアンパセリを微塵切りにする。
・小イワシの塩漬けの塩を洗い微塵切りにする。
・つけあわせの野菜を塩ゆでする。
・レーズンは水につけて柔らかくする。
・飾り用にオレンジとレモンの輪切りを作る。




■作り方

(1)フライパンにEVオリーブオイルと
小イワシの塩漬けの微塵切りを入れて
火にかける。



(2)にんにくの微塵切りを入れる。



(3)にんにくから良い香りが出て来たら
オレンジとレモンの皮の微塵切りを入れる。



(4)すぐに白ワインを入れて少し煮る。



(5)パン粉を入れて
焦げないように炒める。



(6)イタリアンパセリを入れてかき混ぜ、
火を止めて器に移す。



(7)小イワシに水で溶いた小麦粉をつける。



(8)手で少し押さえながら
(6)をつける。



(9)多めに敷いた揚げ油を熱して、
さっと揚げる。



(10)つけあわせの野菜を器に盛り付ける。
オレンジとレモンの輪切り、
ゆでた緑野菜、残しておいたグリッシーニ、
レーズン、松の実をおき、
EVオリーブオイルを好みの分量かける。



そこに熱々の揚げたて小イワシをのせる。
お口の中に広がる柑橘類の香りを楽しんで、
召し上がって下さいね。

Buon appetito!


 
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