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アーカイブ 2019/04/14
 

レシピその340
イースターのちいさなトルタ
〜母94歳の誕生日。〜



私が毎年2月に日本に帰国する第一の目的は
母の誕生日を一緒に迎えることです。
母はこの4年、毎日、元気にデイサービスと
デイケアに通っています。
月に一度訪問してくるケアマネージャーさんは
母と会話をしながら彼女の状態を把握してくれ、
その時々に合わせてデイサービスの情報をくれます。
今回もとても興味深いところを紹介してくださいました。
そこは母が父と茅ヶ崎に来て
はじめて暮らした家のすぐ近くです。
茅ヶ崎の山側で、
父が亡くなってから引っ越しした
海側の空気感とは少し違います。

今通っているデイサービスは海側。
今回紹介していただいた山側の、
あの父がいた頃の空気を漂わせているところで
過ごさせてあげたい‥‥
そんな想いも募り、早速見学に行ってきました。
お茶室や水屋まである一軒家の
お風呂だけを改造したという、
明るい広々としたところでした。
広い庭には四季折々に咲く花や木があり、
一部に畑があります。
好きな人は畑仕事をして
収穫した物でお料理をするそうです。

土いじりの大好きな母が
自然相手になにかしなければいけない、
そんな状態でいること、
そして収穫した物で料理し、それを皆で食す。
そこに私は母らしさを見出して、魅力を感じました。
そして、送迎の方や介護スタッフの方達の中に
私と同じくらいの年齢と思われる方が
多く見受けられました。
私と同じ視線で母を見守ってくれるだろうという
希望が安堵感に繋がりました。

家族、親族、友人、
そして介護関係者の皆様に見守られて
幸せな母は94歳の誕生日を迎えました。

元気な母の姿を見ると、
その元気さだけで100点満点です。
遠い地に離れて暮らす娘は
この満点を支えてくれている人たちに
今年も感謝の念で一杯になりました。


▲母94歳を迎えました。
皆さんも祝ってあげて下さいね。


さて、今回はイースターのちいさなトルタです。
オリジナルのトルタは、キリストの年齢と同じ
33枚の生地でも作ったという話も聞きましたが
今回のトルタは底2枚重ね、フタ3枚重ねで、
この少ない枚数でも美味しく味わえます。
少し手間はかかりますが、
復活祭の想いを深めて作るお料理として
どうぞお試し下さいませ。


イースターのちいさなトルタ

■材料(12個分)

・生地
小麦粉:300g
ぬるま湯:150cc
EVオリーブオイル:大さじ3
塩:少々

・中身
リコッタチーズ:250g
フダンソウ:250g(ゆでた分量)
※ほうれん草でも可
グラーナチーズ:大さじ4
うずらの卵:24個と飾り用に数個
アンチョビ:12枚(今回は塩漬けタイプ)
卵:小1個
マジョラム:好みの分量
塩、コショウ:適量

・生地に塗るEVオリーブオイル:適量
・トルタの型:フタ用直径7cm、底用直径9cm




☆下準備

・マジョラムは洗う。
・フダンソウをよくゆでる。
・うずら卵はゆでて殻をむいておく。
・リコッタチーズは水を良く切る。
・アンチョビは洗って水を切っておく。




■作り方

(1)小麦粉に塩と
EVオリーブオイルを入れて
かき混ぜながら
ぬるま湯を入れて
さらにかき混ぜる。



(2)よく練って、30分以上休ませる。



(3)オーブンを160〜180度にあたため始める。
リコッタチーズ、卵、グラーナチーズ、
塩、コショウをかき混ぜる。



(4)ゆでたフダンソウとマジョラムを
一緒に細かく刻む。



(5)(4)を入れて
かき混ぜて休ませる。



(6)生地を同じくらいの大きさに分ける。
(すぐに作業するかたまり以外は、
乾かないようにナイロン袋に入れる)



(7)薄く伸ばして、
まずトルタの底を24枚作る。
ラップをかぶせておく。



(8)続いてフタを36枚作る。



(9)(8)のうち、フタ12枚に
EVオリーブオイルを塗る。



(10)(9)の上に1枚重ねて
ラップをしておいておく。



(11)生地が出来上がりました。



(12)型の底に底用の生地を
引っ張りながら敷く。



(13)EVオリーブオイルを塗る。



(14)底用の生地をもう1枚のせ、
軽く押しながら型に沿わせる。



(15)中身を入れる。



(16)うずら卵と半分に切った
アンチョビを乗せて
2枚重ねた生地をのせる。



(17)EVオリーブオイルを塗る。



(18)楊枝で穴を開ける。



(19)上に1枚を乗せて
底用のはみ出した生地を
縁にして合わせる。



(20)EVオリーブオイルを塗る。



(21)底は2枚重ね、
フタは3枚重ねの生地で出来上がり。
160〜180度で45分くらい焼く。



はい、焼き上がりました。
素朴でさっくりとした生地をお楽しみください。
Buon appetito!


 
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