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アーカイブ 2019/07/07
 

レシピその345
オレキエッティ ミンキアータ〜電車のなかで。〜


スイスからミラノに帰って来る
1時間半の間のできごとです。
乗った車両の座席は4人が向き合うタイプ。
乗り込んできた乗客のひとりに
背が低く小太りで、いかにもイタリアンな
おじさんがいました。
どうも急いで来た様子で、
汗を拭きながら指定席につこうとすると
すでに三人が座っていたので
空いている席に座りたいと
誰も座っていないブースに行きました。

自分の行動を大声で解説をしながら、
持っていた小トランクを
自分の席の上の棚ではなく
通路を挟んだ隣の若者が座っている席の上に
置こうとしたり、棚に入らないとわかると、
「しょうがないから、この席の間に置こう」
と言いながら押し込んでいました。

皆、おじさんの傍若無人ぶりな行動を
いぶがしげに見ていたものの、
しばらくすると静かな車内になりました。
30分程、経った頃でしょうか。
このおじさんが座っている席の
通路を挟んだ席に座る若者が
急に、こちらも大声で
「携帯がない!」と言いました。
「あらら大変」
「だれか彼に電話をしてあげたら」
私の前にいた女の子が
急いで電話をかけました。
「でも、イヤフォンを抜いてないから‥‥、」
「あら〜、音が出ないのね!」
「私も以前、座席から落としたことがあったけど
自分の席の下ではなく
一番前の席で見つかったわ」
というおばさんの一声で
車両の皆が座席を立ち、
自分の足元を探しました。
でも、ない!
一体どこに消えたんだろう?
あ〜だこ〜だと個々に話しだし、
車内は喧騒の渦に包まれました。

あのおじさんは前の座席に足を乗せ、
自分の携帯をいじりながら
「バールとかトイレとかに置き忘れてないの?」
と悠々と言うと
「どこにも行ってない!」と言いながら
若者は疑惑の目をこのおじさんに向けました。
「もう一度ゆっくり探してごらんなさい」と
おばさんの声で、
若者はもう一度自分の背広に触ると
なんとなんと
内ポケットから出てきたではありませんか。
「ここに今まで入れたことがなかったんだ」
とカワイイ照れ笑い。
「よかったよかった」
と車両中の皆が拍手!
拍手には色々な意味がありますが、
見つかってよかった。
そして、人への疑いが払拭できてよかった。
そんな意味の拍手だったと思われました。

短い時間でも、初対面でも、
その場のふれあいで
ストーリーを作れる人たち。
この国の人が持つ魅力の一つでもあります。

さて、今回はパスタ ミンキアータ。
シンプルな材料をかき混ぜるだけ!
でも、味わい深いパスタです。
お時間のないときや
食欲が落ちているときなど最適です。
どうぞお楽しみ下さいませ。


オレキエッティ ミンキアータ

■材料(2〜3人分)

オレキエッティ:170g
トマト:180g
セロリ:50g
ルーコラ:50g(茎を取り除いた重量)
EVオリーブオイル:大さじ2
リコッタサラータ:好みの分量
塩:適量




☆下準備

・ルーコラをよく洗い、茎を取り除き、
半分くらいに切る。
・トマトを小さく切る。
・セロリも粗みじん切りにする。
・パスタ用に塩入りのお湯を沸かし始める。




■作り方

(1)野菜類を全てボールに入れて
塩を少々ふり、
パスタがゆであがるまでおく。



(2)パスタをゆでる。



(3)ゆでた熱いパスタをボールに入れる。



(4)EVオリーブオイルを入れる。



(5)トマトを潰す感じで混ぜ合わせて行く。



(6)リコッタサラータを
好みの分量をすりながら入れる。



(7)シャカシャカという感じでかき混ぜる。



(8)塩加減をみて好みの味に仕上げる。



はい、出来上がりました。盛り付けましょう。



リコッタサラータをたっぷりかけて
お召し上がり下さいね。
お好みでペペロンチーノオイルをかけて下さい。

さっぱりとした味をお楽しみ下さいませ。
Buon appetito!


 
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