おさるアイコン

アーカイブ 2020/11/22
 

レシピその379
ニーノのりんごパイ
〜加えるおいしさ、引くおいしさ。〜


ミラノは再び11月6日から
ロックダウンになりました。
さて、運良くロックダウンが始まる前に、
スイスに住む義甥ニーノが、
我が家に荷物を取りにきてくれました。

ニーノ46歳。
職業は特殊機械の設計エンジニアで、
かわいいふたりの娘がいます。
住まいはイタリア語圏で、
緑の谷と清らかな川が流れる
風光明媚な小さい町ですが、
スイスにただひとつのサーカス大学もあり、
ユニークな雰囲気を感じるところです。

彼の趣味は、アイスホッケー、スノボ、
ロックバンドでのギター、
そして、バイクが大好きで、
ツーリングに出かける先は
ヨーロッパはもちろんのこと、
どこにでも出かけます。
さらに、ビール作りや、
畑でペペロンチーノを栽培して、
ペーストを作ったり、
ファミリーの葡萄畑で、
ワインやグラッパを作っています。
腰の強い風味があるワインで、
お祭りのときに販売をするほどです。

エンジニアだった父親と一緒に、
屋根にソーラーシステムを取りつけたり、
コロナウイルスが流行してからは、
よく家族を連れて山の家に行きますが、
父親とキノコ狩りに行っては、
乾燥ポルチーニを作ったりで、
じっとしている姿をあまり見たことがありません。
まあ、それ以上に、
私の姪が動いていると想像をしますが。


▲この私の親愛なるバイク野郎ニーノ。
荷物を積んで出発する姿です。


さて、今回ご紹介するメニューは、
ニーノが作るりんごパイです。
精密な仕事をしている彼が作る料理ですから、
作り方もきっと精密なんだろうなあと思っていました。
ところがそれが、冷凍パイ生地を使った
なんとも簡単な作り方で、
忙しい彼でもサッとできるものでした。
彼はりんごの収穫時期には、
庭で収穫したりんごで作ります。
果物の味わいがしっかりと楽しめました。

今まで私はパイ生地を自分で作っていましたが、
ニーノのように人生を楽しみながらも
料理も楽しむ姿を見て、
それには出来合いのものとも仲良くして、
共同でお料理を作ってみよう、
そんなふうに、今までの考えに
柔軟性をプラスすることができました。
加えるおいしさ、引くおいしさ。
彼が求めたのは、
引き具合が見事なシンプルな味わいです。

自然に包まれた日常の暮らしを
家族と一緒に愛でるニーノ。
正しく彼らしい味わいがするパイです。
私はこのパイを食べると、
この家族に想いを馳せ、
穏やかな温もりを感じ、うれしくなります。
毎朝のブリオッシュ代わりにもなりますよ。
どうぞお試し下さいね。
おまけ編では、
全粒粉入りの市販のパイ生地と
冷蔵庫にあった煮りんごで作った
私風のりんごパイもご紹介いたしますので、
こちらもお好みでどうぞ。


ニーノのりんごパイ

■材料(24cmの型ひとつ分)

りんご:3〜4こ
冷蔵パイ生地:円形1つ
卵:1こ
小麦粉:大さじ1
砂糖:大さじ1
ミルク:卵、小麦粉、砂糖を合わせてミルクを入れて、
合計で300cc
型:24〜29cm(今回は24cmを使用)




■作り方

(1)りんごは皮をむいて芯を取り、
8つ切りにする。
オーブンを180度に温める。



(2)パイ生地を型に入れて、
すみずみまでよく押さえながら敷く。
余ったふちの生地は、
そのまま折りながら型に沿わせておく。



(3)フォークで底に穴を開ける。



(4)りんごを並べて
180度のオーブンに入れる。



(5)卵液を作る。
砂糖を入れてかき混ぜて、
小麦を入れてかき混ぜる。



(6)そこに合計で300ccになるように
ミルクを入れてかき混ぜる。



(7)パイ生地の端に焼き色がついてきたら
一度オーブンから出す。(約15分くらい)



(8)そこに(6)を注ぐ。



(9)もう一度オーブンに入れて
表面に焦げ目がつくくらいに焼く。
目安は40〜50分。
※オーブンによって調節してください。



(10)はい、焼きあがり。



さっぱりとしたニーノのりんごパイを
お楽しみ下さいませ。
Buon appetito!



■おまけ編
ありあわせでつくるりんごパイ。

煮りんごが冷蔵庫にありましたので、
パイ生地の真ん中にそれをおいて、
周りには赤ワインでサッと煮たりんごを
丸めておいて焼いてみました。
生地は全粒粉入りのパイ生地を使いました。
このときは、パイ生地は空焼きにし、
煮りんごを並べて卵液をかけて20分焼いています。


 
ご感想はこちらへ もどる   友だちに知らせる