ほぼ日刊イトイ新聞 - イタリアンマンマの直伝レシピ


	2021/07/25

レシピその396
ジューリアのチョコレートバブカ
～ひさしぶりの里帰り。～

日本に無事に入国出来ました。
ずっと帰れずにいましたので、
やっとという感じがします。
４度も飛行機の便を変更し、
それにともなって、
出国前検査証明用のPCR検査日も
４度変更しました。

出国前検査証明用のPCR検査は
日本のルールでは、出国前72時間以内です。
ドイツ経由だったため、
ドイツのルールも満たさねばなりません。
ドイツもまた、
出国前72時間以内のPCR検査結果が必要です。
ふたつの国のルールを満たすため、
検査機関の休みの日と、
飛行機の日程を慎重に調べました。
時間にゆるいイタリアですので、
結果を時間通りに受け取るまで緊張しました。

そして、厚生省指定のアプリをダウンロードし、
書類をそろえました。
指示に従う、時間を守る、
携帯にアプリをダウンロードする、
必要な書類を揃える‥‥。
我ら夫婦にとっては苦手なことばかりでしたが、
無事どうにか飛行機に搭乗することができました。

羽田に着くと唾液検査、
ダウンロードしたアプリの確認、
書類の提出を行い、検査結果を待ちます。
システム化された流れと
現場にいるスタッフの対応の良さに
日本人の独特のおもてなしの気持ちを感じました。

そして３泊４日のホテルでの滞在です。
イタリアの友人に驚かれることは、
ホテル代を個人ではなく、
政府が支払ってくれるという点です。
泊まったホテルはアメニティはもちろんのこと、
空調設備もお風呂もついています。
食べ物もインスタントコーヒーや
粉末の日本茶もそろっていますし、
食事は豪華なお弁当で、飲み水も支給されました。
イタリアから来たら、これだけでも天国です。

部屋から一歩も出ることはできず、
食べては寝て、TVを観る日々です。
上げ膳据え膳の３泊４日の
お部屋の中でのバカンスを楽しみました。

最後にまた唾液検査をして、
実家に移動し、自宅隔離生活に入りました。

さて、至れり尽くせりのホテル生活は
想像していたものの、
私がイタリアから持って来たものは
エスプレッソの自家製濃縮シロップと
友人のジューリアから
旅のおともにと届いたバブカです。

バブカはユダヤ人がイースターに食べる
「祖母ちゃん」を意味するドルチェのパン。
私たちの大好物のものです。
お祖母ちゃんがみんなのために作っている姿を
想像するだけでも味わい方が優しくなりますね。
ジューリアが彼女の友達のユダヤ人のために、
友達の祖母のバブカを模索しながら作り、
最後にたどりついたのがこのレシピだそうです。
パンでもトルタでもない、
その中間の感じがこのレシピの魅力です。
「このバブカはミルクコーヒーに
　つけながら食べると完成するの」とジューリア。
まさしくです。

それでは、私たちの心と胃を満たしてくれた
ジューリアのチョコレートバブカをご紹介しますね。