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アーカイブ 2021/12/26
 

レシピその406
サングリアとミックスパエリア〜料理でわかる人となり。〜


料理を理解することは、
料理を教えてくれた人の
人生の過ごし方を理解することから
始まるように思います。
今回のお料理の先生はマリーさん。
イタリア在住30年のスペイン人です。
スペインとイタリアがベースになっている
彼女がつくるパエリアはとても興味深いです。
友人たちのパーティにケータリングを頼まれるほど
と聞いていたので、興味がもっと増しました。
長くイタリアに住んでいての「スペイン料理」。
それをご一緒いたしましょう。

まずマリーさんをご紹介します。
本業はオートクチュールの縫い子さんです。
病気の夫や子どもの面倒をみながらも
パエリアをみんなのために作る彼女は、
根っから強靭さと優しさの
両面を持ち合わせた人です。
この日、彼女は持病の胆石の痛みで
延期する予定でしたが、
それでも楽しみに待っている
私たちのために決行してくれました。



ときどき「オヨヨ〜」と言いながら背中を押さえ、
こちらの心配をよそに
多弁に愉快に大きなフライパンを操ります。
8〜10人分ですので、
どんな大きなパエリア鍋を使うの?
と想像していたら、
なんと、両手つきの深いフライパンで作りました。
大きなパエリアはイタリアの家庭用のガスでは
至難の技ですので、
深いフライパンを使うのはなかなかのアイデアです。
この深さならケータリングのときにも楽ですね。
米の分量と表面積を巧みに計算して
深いフライパン使用しようと考える
彼女の料理は素敵です。

米は煮詰まらないものを使います。
これなら他の料理と並んだパーティ料理を
食べながらでもパエリアを楽しめます。
食材の身をほぐして入れるのも
食べやすさを重視した証。
立食でもたやすくいただけますし、
家庭では子どもたち向きで良いですね。
さらに深いフライパンだと
パエリア鍋と違って飛び散りも少なく、
料理後のガスレンジの掃除が楽なことは
主婦にはありがたいです。

家庭料理のパエリアはワイワイガヤガヤと
会話を楽しみながら食べます。
この日も6人で10人分を平らげました。
料理とはその時々に合わせて自由に形態を変え、
食べてくれる人の笑顔を
逆算してつくれば良いと
改めて彼女から教えをもらいました。
こんな豪華なパリア、
プリモもセコンドも兼ねた一皿料理。
お正月にいかがでしょか。

今年もご愛読ありがとうございました。
引き続き来年も宜しくお願い致します。
それでは良いお年をお迎え下さいませ。


サングリアとミックスパエリア

・サングリア

■材料(1L)

赤ワイン:500cc
※好みで赤ワイン400cc+白ワイン100cc
コニャック:30cc〜好みの分量
※今回はブランディを使用
オレンジ:4個
※3個半はジュースに。好みのアルコール度で。
梨:1個
りんご:4分の3から1個
キゥイ:2個
赤スグリ:適量
※ベリー系の物ならなんでも
桃の缶詰:1缶
シナモン:棒、粉
※好みの分量
※全体的に甘さが欲しい場合は
蜂蜜やお砂糖を加える。





■作り方

(1)材料を小口切りにする。



(2)全ての材料を入れて
好みのアルコール度甘さにする。
冷蔵庫で数時間休ませる。
※前晩に作っておくのがベストです。




・ミックスパエリア

■材料(6〜8人分)

米:3カップ
豚肉、鶏肉:合計200g
タマネギ:半分
赤パプリカ:大4分の1
グリンピース:80〜100g
エビ:500g(掃除後分量)
手長エビ:6匹
イカ:500g
ボンゴレ:1000g
ムール貝:500
ニンニク:1欠片
EVOオイル:大さじ3
トマトソース:大さじ1
サフラン、パプリカ、クルクマ、コショウ、塩:少々
レモン:2個
※1個1/2はレモン汁用、残りは飾り用
※写真にレモンがぬけています。ご了承ください。





☆下準備

エビの頭と殻でスープをとる。



・ボンゴレをフライパンに入れて
エビスープを少々入れ、
蒸し焼きにして取り出す。



・ボンゴレを取った後のフライパンに
ムール貝を入れて蒸し焼きにする。



・ボンゴレとムール貝の出汁をとっておく。



・エビは掃除をしておく。
数本は飾り用にするため、
背わただけとって
頭と殻はつけたままにする。

・手長エビは足やひげをとり
背中に包丁を入れておく。

・ボンゴレとムール貝は
飾り用を数個取っておき、殻を半分とる。
その後は身だけにして出汁と一緒にしておく。

・肉類は小口きりにして、
塩、コショウをしておく。

・ニンニク、タマネギは荒微塵。
パプリカは一口切りにする。

・乾燥サフランはぬるま湯につけておく。




■作り方

(1)EVOオイルをひいた深いフライパンに
ニンニク、タマネギを入れてさっと炒め
パプリカと肉類を入れて炒める。



(2)飾り用のエビ類を入れて焼き始める。



(3)エビスープを少し入れて
蒸し焼きにして、取り出しておく。



(4)殻を取ったエビとイカを入れて
さっと炒める。



(5)洗わない米を入れて
ざっくりと混ぜ合わせる。



(6)トマトソース、パプリカ、
クルクマを入れて全体を混ぜる。



(7)エビスープを
米と具がかぶるくらいに入れる。



(8)レモン汁を入れ、ざっとかき混ぜる。
後は中火で好みのかたさになるまで
かき混ぜずに煮る。



(9)米が8分炊きになったところで
ボンゴレとムール貝、グリーンピースを入れる。
水分が足りないときには少し足す。



(10)飾り用のエビ類、貝類を飾り、
米が好みのかたさになるまで炊く。
最後に底からピチピチという音や
フライパンの縁を見て
おこげができているか確認する。



はい、出来上がりです。
レモンを飾りましょう。
豪華なパエリアですね、一皿で充分楽しめます。
賑やかな声とサングリアをお供にどうぞ。

Buon appetito




 
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